後日譚

※本文に「愛がない…お見合い結婚だから?それにしたって」のくだりを加筆しました。

母とその話(前半部分)をしたのは故郷を捨てる覚悟で実家を出る間際で、実際には母をギャン泣きさせているのであまり後味の良いものではなかった。父はまだ生きていたので、少し後に、母にそんな話をしたということを伝えた。その場では返答はなかった。が、後日返答をもらった。

その返答は「俺は、お母さんのこと、好きだよ」というものだった。

父が亡くなりしばらくした頃、これを母に伝えた。私は父のその言葉を聞いたときに、雷に打たれたようになって、「そうか!お母さんに罵倒されながら、いつもニコニコしてたけど、心の中で、俺は、お母さんのこと、好きだなぁ、って思ってたってことか!」って思ってさ、ね、そういうことだよ、ねえ、お母さんの言葉にビクビクってなりながら、「俺は、お母さんのこと、好きだなぁ」って、と、私の感想を添えながら伝えた。

母は、「バカじゃないの!」と言いながら泣いていた。

私は、両親の間でこんなふうに立ち回った経験が、このとき1回だけしかない。

時を経て、我が家では中庭の石臼の中でメダカを飼っている。赤い金魚も何度か買い足していたが、アレは猫に食われてしまってダメだ。

冬にはほとんど凍りついて枯れたようだったホテイアオイは、どうにか生き延びたようで、いまや青々と復活を遂げている。

メダカは産卵期を迎え、子メダカがたくさん泳いでいた。

それも束の間のことで、いまは蟹たちが住み着いて、子メダカは育ち盛りの少し大きくなったほうから順番に姿を消していく。

2021.7.7


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「伝えることだ。表現することだ。私にできることは、これだ。私にできることは、私があなたの代わりに、する」 ※由縁があって名を伏せて活動しています。※虚偽の描写を含みますが、文中にあるような弟は実在するかもしれません。どうかどうか、そっとしておいてください。※令和3年7月、コピーガード機能の利用を開始。テンサイ、ホンヤクを禁じます。※ここでの作品発表行為は目的が極めて限定されたものであり、私の他の活動と何ら関わりのないことを、この場で宣言いたします。

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