電子書籍の世界に足を踏み入れた当初、私は「とにかく書くこと」が目的でした。ひたすら原稿を積み上げ、出版という行為そのものに満足していたのです。多くのKindle作家さんがそうだと思います。けれど、この一冊を読んで気づかされました。出版とは「ゴール」ではなく、「仕組みを設計し、自動的に収益を生み出すためのスタート地点」だということに。
印税を得ることだけを目指していた日々から、「出版を軸に横展開し、ビジネスとして収益を生み出す」という発想への転換は、まさにパラダイムシフトでした。本書では、名刺やプロフィールでの“肩書き”を超えて、電子書籍を活用した具体的な集客・収益化の最短ルートが明快に描かれています。著者としてではなく、“設計者”として出版を捉える視点。その視座の変化が、次のステージへの羅針盤となります。
また、本書は「マニュアル迷子」「特典迷子」「積読(つんどく)」が当たり前になってしまっている方にも強くおすすめできます。ノウハウだけを追いかけて、結局何から始めればいいのかわからない――そんな迷路から抜け出す具体的な道筋が、ここにはあります。行動の「仕組み」を整えれば、情報に振り回されるのではなく、自らの意思でビジネスを動かせる。
電子書籍という小さな挑戦が、やがて独自のブルーオーシャンを切り拓く。
「著者」ではなく「設計者」としての第一歩を踏み出す――そんな勇気と方向性を与えてくれる、まさに“船の舵を切り直す”一冊です。