【はじめに:確定申告で失敗しないために】
こんにちは。私はIT系の会社で働きながら、数年前から副業と投資を始めて、今ではフリーランスや自営業の方とも仕事上の関わりが増えている40代の社会人です。日々の仕事や副業を通じていろいろな収入が入り始めると、どうしても避けて通れないのが「確定申告」ではないでしょうか。初めて確定申告を経験する方にとっては、「なんだか難しそう…」「何をどう準備すればいいのかサッパリわからない…」というのが正直なところだと思います。私も最初はそうでした。
でも、しっかりと仕組みを理解し、必要なものを事前にそろえ、ルールに従って手続きをすれば「意外と難しくなかった!」となる可能性が高いんです。しかも、確定申告を正しくやると、節税や還付金の受け取りなど、意外なメリットも発生しますし、自分のお金の流れを客観的に把握できるので、今後のお金の使い方や仕事の進め方にも役立ちます。
本記事は、私自身が会社員・副業・フリーランス・投資など、いろいろな働き方や稼ぎ方を経験してきたなかで学んだ確定申告の知識・ノウハウを総まとめにしたものです。タイトルにもあるように、「これを見るだけで全てわかる!」を目標にしているので、かなり膨大な情報を入れ込んでいます。5部構成でトータル約5万文字というボリュームになりますが、できるだけ「実務的で具体的な話」に焦点を当て、初心者にもわかりやすいよう書いていきます。
ぜひ最後まで読んでいただき、あなたの状況に合った形で確定申告を進めてみてください。あくまで個人の実体験をベースにした情報提供ですので、実際に大きな金額が動くようなケースや微妙な判断が必要な場合は、税務署や税理士に相談していただくとより確実かと思います。是非参考にしてください!また、売れ筋と共にこの記事の値上げなども考えているので現在が一番安い値段で購読できます!!
目次
- 【はじめに:確定申告で失敗しないために】
- 第1章:なぜ確定申告が必要なの? 〜制度の基礎と対象者〜
- 1-1. 確定申告ってどんな制度?
- 1-2. 確定申告が必要・あるいはした方が得な人は?
- 1-3. 確定申告書提出の流れと期限
- 1-4. 電子申告(e-Tax)と紙ベースの申告
- 第2章:所得の種類と申告書類の基本を知ろう
- 2-1. 所得の種類は大きく分けて10種類
- 2-2. 白色申告と青色申告の違い
- 2-3. 収支内訳書・青色申告決算書の存在
- 2-4. 確定申告書AとB
- 2-5. 添付書類や提出すべきもの
- 第3章:経費・控除を正しく使って節税しよう
- 3-1. 経費になる・ならないの境目
- 3-2. 青色申告特別控除
- 3-3. 赤字の繰越しと損益通算
- 3-4. 代表的な所得控除のいろいろ
- 第4章:副業・投資をする会社員のための確定申告実務
- 4-1. 副業収入20万円以下でも注意
- 4-2. 住民税の「特別徴収」と「普通徴収」
- 4-3. 副業が事業所得か雑所得か
- 4-4. 株式投資や投資信託の扱い
- 4-5. 仮想通貨(暗号資産)やFXの扱い
- 第5章:医療費控除・ふるさと納税・住宅ローンなどの個人向け控除
- 5-1. 医療費控除
- 5-2. ふるさと納税
- 5-3. 住宅ローン控除
- (第1部のまとめ)
- 第6章:青色申告の実務と会計ソフト活用法
- 6-1. 青色申告ってどうやって始めるの?
- 6-1-1. 青色申告承認申請書の提出
- 6-1-2. 複式簿記か簡易簿記か
- 6-1-3. 開業届との関係
- 6-2. 青色申告で得られるメリットを再確認
- 6-2-1. 青色申告特別控除
- 6-2-2. 赤字の繰越し・繰戻し
- 6-2-3. 専従者給与
- 6-3. 会計ソフトを使った複式簿記のすすめ
- 6-3-1. 手書きよりも圧倒的にラク
- 6-3-2. 日々の入力を習慣化するポイント
- 6-3-3. 減価償却や家事按分もソフトがサポート
- 6-4. 青色申告決算書の作り方:ざっくり解説
- 6-5. 青色申告とインボイス制度(適格請求書)の関係
- 第7章:確定申告書の書き方 〜 実践的な記入例とポイント
- 7-1. 確定申告書B(第一表)の概観
- 7-2. 確定申告書B(第二表)の概観
- 7-3. e-Tax(電子申告)の活用で計算ミスを防ぐ
- 7-4. よくある書き方のミス
- 7-5. 期限後にミスに気づいたらどうする?
- 第8章:副業ならではの注意点とケーススタディ
- 8-1. 副業がバレるのは主に住民税で?
- 8-1-1. 普通徴収を選ぶ
- 8-1-2. 20万円以下でも住民税申告は必要?
- 8-2. 副業の所得区分をどうするか?
- 8-2-1. 雑所得 vs 事業所得
- 8-3. 副業の経費計上例
- 8-4. 副業で注意したい所得控除の優先度
- 8-5. 就業規則や競業避止義務に反しないか
- 第9章:投資(株式・投信・仮想通貨・FX)を絡めた確定申告の実際
- 9-1. 株式や投資信託(上場株式等)
- 9-1-1. 損益通算と繰越控除
- 9-1-2. 配当を総合課税で申告するか、分離課税にするか
- 9-2. 仮想通貨(暗号資産)の確定申告
- 9-2-1. 「雑所得」として総合課税
- 9-2-2. 取引履歴の管理が大変
- 9-3. FX(外国為替証拠金取引)
- 9-4. 投資関連の確定申告を一括で管理するコツ
- 第10章:税務調査に備える&確定申告トラブルQ&A
- 10-1. 税務調査はどんな流れで行われるの?
- 10-1-1. 通常調査と簡易調査
- 10-1-2. 調査が入りやすいケース
- 10-2. 税務調査への備えと対応
- 10-3. 期限後申告や納税遅延のペナルティ
- 10-4. 還付申告で税金を取り戻す
- 10-5. Q&A:確定申告でよくある疑問
- (第2部のまとめ)
- 第11章:医療費控除を徹底解説 〜 節税と健康管理の両立
- 11-1. 医療費控除の基本ルール
- 11-1-1. 控除対象となる金額
- 11-1-2. 家族の分も合算OK
- 11-2. 医療費控除の対象範囲を知ろう
- 11-2-1. 対象になるもの
- 11-2-2. 対象にならないもの
- 11-3. 医療費控除の手続きと明細書の書き方
- 11-3-1. 医療費控除の明細書
- 11-3-2. セルフメディケーション税制との比較
- 11-4. 家族の医療費を誰がまとめるか?
- 11-5. 私の医療費控除体験記
- 第12章:ふるさと納税・寄附金控除を賢く使う
- 12-1. ふるさと納税の仕組み
- 12-1-1. ワンストップ特例
- 12-2. 確定申告で寄附金控除をする場合
- 12-3. 他の寄附金控除
- 12-4. ふるさと納税の成功例・失敗例
- 12-4-1. 成功例
- 12-4-2. 失敗例
- 12-5. 私がふるさと納税をして感じたこと
- 第13章:住宅ローン控除・住宅取得関連の優遇制度
- 13-1. 住宅ローン控除の基本
- 13-1-1. 控除のしくみ
- 13-1-2. 初年度は確定申告が必須
- 13-2. 住宅ローン控除の要件
- 13-3. 住宅ローン控除の必要書類
- 13-4. 控除期間や改正点に注意
- 13-5. 住宅ローン控除を忘れてしまった!?
- 第14章:小規模企業共済・iDeCo・個人年金などの節税策
- 14-1. 小規模企業共済
- 14-1-1. 仕組みとメリット
- 14-1-2. 加入資格
- 14-2. iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 14-2-1. 節税の仕組み
- 14-2-2. 受取時の課税も優遇
- 14-3. 個人年金保険
- 14-4. 「控除証明書」を忘れずに
- 第15章:確定申告の準備をラクにするコツと年間スケジュール
- 15-1. 年間スケジュールをざっくり立てよう
- 15-1-1. 1月〜2月上旬:書類整理・集計期間
- 15-1-2. 2月16日〜3月15日:確定申告本番
- 15-1-3. 4月以降:振替納税・還付金の受取
- 15-2. 月ごとの会計処理でストレスを減らす
- 15-3. 領収書管理のコツ
- 15-4. 会計ソフト選び
- 15-5. 私が実感した「確定申告を通じて得られるメリット」
- 第16章:住民税・国民健康保険との関係を理解しよう
- 16-1. 住民税の計算と確定申告との連動
- 16-1-1. 所得税と住民税は仕組みが似ている
- 16-1-2. 「特別徴収」と「普通徴収」
- 16-1-3. 6月から翌年5月までの1年分を払う
- 16-2. 国民健康保険との関係
- 16-2-1. 所得が増えると国保料も上がる
- 16-2-2. 減免や軽減措置がある場合も
- 16-3. 年金との関係:国民年金 or 厚生年金
- 16-4. 住民税・国保を見据えた節税の考え方
- 16-5. 副業会社員の場合の住民税対応
- (第16章まとめ)
- 第17章:消費税・インボイス制度を知っておく
- 17-1. 消費税の基本 〜 年商1,000万円超で課税
- 17-1-1. 課税事業者と免税事業者
- 17-1-2. 消費税の申告方法
- 17-2. インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは
- 17-2-1. 令和5年10月スタート
- 17-2-2. 免税事業者はどうする?
- 17-3. インボイス登録の手続き
- 17-3-1. 「適格請求書発行事業者」になるには
- 17-3-2. インボイス発行事業者になると…
- 17-4. 消費税も会計ソフトで管理しよう
- 17-5. まとめ:インボイス&消費税への備え
- 第18章:税理士の探し方・選び方 〜 プロの力を借りるメリット
- 18-1. 税理士に依頼するメリット
- 18-2. 税理士に依頼するデメリット
- 18-3. 税理士の探し方
- 18-3-1. 知人の紹介 or SNS
- 18-3-2. 税理士紹介サイト・マッチングサービス
- 18-3-3. 商工会・青色申告会
- 18-4. 選ぶ際のチェックポイント
- 18-5. 「税務署の無料相談」で済むかどうか
- (第18章まとめ)
- 第19章:個人事業主から法人化するタイミングは?
- 19-1. 法人化のメリット
- 19-2. 法人化のデメリット
- 19-3. 法人化の目安
- 19-4. 法人化後の確定申告
- 19-5. 合同会社や株式会社、どちらがいいの?
- (第19章まとめ)
- 第20章:よくあるトラブル・ミスとQ&A総まとめ
- 20-1. Q1:源泉徴収票を紛失してしまった…どうすれば?
- 20-2. Q2:副業が赤字で、雑所得と給与所得を通算できる?
- 20-3. Q3:ふるさと納税のワンストップ特例申請を忘れた…
- 20-4. Q4:医療費控除の領収書が一部見つからない!
- 20-5. Q5:仮想通貨の売買が複雑で計算できない…
- 20-6. Q6:確定申告に行ったら税務署が激混みで待てない…
- 20-7. Q7:期限後申告で青色申告特別控除を満額取れる?
- 20-8. Q8:マイナンバーカードを持ってないとe-Tax使えない?
- 20-9. Q9:確定申告したのに還付金が入らない…
- 20-10. Q10:学生アルバイトで源泉徴収されていた分、取り戻せる?
- (第20章まとめ)
- 第21章:確定申告がもたらす学びとメリット 〜 自分のお金をコントロールしよう
- 21-1. 確定申告を通じて得られる3つの学び
- 21-1-1. 自分のビジネスモデルや家計の構造がよく見える
- 21-1-2. 税制や社会保険の仕組みを理解できる
- 21-1-3. 生涯にわたる「お金の自己決定権」を強化できる
- 21-2. 確定申告をラクにする3つの秘訣
- 21-2-1. 「紙・手書き」から「クラウド・電子申告」へ
- 21-2-2. レシートの保管と仕訳をこまめに
- 21-2-3. 早めに下準備を始める
- 21-3. 確定申告の先にある「資産形成・キャリアデザイン」
- 第22章:令和以降の税制改正をウォッチしよう
- 22-1. 最近の主な改正ポイント(復習)
- 22-2. 今後注目される分野
- 22-2-1. デジタル化・電子帳簿保存法
- 22-2-2. NISAやiDeCo拡充
- 22-2-3. 副業解禁の拡大
- 22-3. 法改正情報の入手先
- 第23章:将来にわたるライフプランと確定申告の位置づけ
- 23-1. 学生〜新社会人の時期
- 23-2. 30代〜40代:キャリアの選択肢が広がる
- 23-3. 50代〜60代:セカンドキャリアと退職金、年金の視点
- 23-4. 70代〜:投資や年金収入と向き合う
- 23-5. 生涯を通じて確定申告と上手に付き合う
- 第24章:もし確定申告を忘れた・できなかったら? 〜 リカバリー方法
- 24-1. 期限後申告とは
- 24-2. 修正申告と更正の請求
- 24-2-1. 修正申告
- 24-2-2. 更正の請求
- 24-3. 青色申告を取り消される可能性
- 24-4. 所得税以外の延滞リスク
- 24-5. 海外在住で申告が難しい場合
- (第24章まとめ)
- 第25章:これを見るだけで全てわかる!確定申告 〜 最終まとめと今後のアクション
- 25-1. 全体のポイント再確認
- 25-2. 初心者にオススメのアクションステップ
- 25-3. 中級者〜上級者向けアクション
- 25-4. 最後に:確定申告をストレスからチャンスに変えよう
- 25-5. 感謝と応援のメッセージ
- <おわりに:これを見るだけで全てわかる!確定申告>
第1章:なぜ確定申告が必要なの? 〜制度の基礎と対象者〜
1-1. 確定申告ってどんな制度?
確定申告とは、「毎年1月1日から12月31日までの1年間で得た所得・収入にかかる税金を計算して、正式に税額を申告・納付する手続き」のことです。日本の所得税や住民税は、会社員であれば源泉徴収や年末調整によってある程度自動的に処理される仕組みが整っていますが、フリーランスや自営業、副業などで得た収入は源泉徴収や年末調整だけではカバーできない場合が多いのです。
また、会社員の場合でも給与以外の所得(株式売買、投資信託、仮想通貨、不動産収入、アフィリエイト、副業アルバイトなど)がある場合には、確定申告をしなければならなかったり、確定申告をした方が得になるケースがあったりします。
◆確定申告でやること
- 1年間の所得(収入−経費)をすべて合算して、「課税所得」を確定する。
- 所得に応じた所得税や復興特別所得税を計算し、すでに源泉徴収や予定納税で納付している分との過不足を清算する。
- これをもとに、住民税や国民健康保険料の計算にも使われることがある。
- 医療費控除や住宅ローン控除などを申告し、必要な控除をしっかり受けることで、税金が安くなる可能性がある。
1-2. 確定申告が必要・あるいはした方が得な人は?
- 自営業・フリーランス(個人事業主)→ 当然、源泉徴収も年末調整もないので、自分で1年分の売上・経費をまとめて申告が必要。
- 副業収入がある会社員→ 副業所得が20万円を超えると確定申告必須。20万円以下の場合も住民税申告など注意点あり。
- 不動産所得や投資所得がある→ 特定口座の源泉徴収なし口座を使っている場合、もしくは損益通算をしたい場合などは申告必要。
- 医療費が一定額を超えた場合→ 医療費控除を受けると税金が戻ってくる可能性があるが、これは年末調整で処理不可。
- 住宅ローン控除の初年度→ 会社員でも、ローンを組んだ最初の年は自分で確定申告しなければいけない。2年目以降は年末調整でOK。
- パート・アルバイトで源泉徴収されすぎた人→ 収入が少なく、源泉徴収された所得税を取り戻せる場合は「還付申告」ができる。
こうしたケースに当てはまる場合は、しっかり確定申告をしましょう。逆に会社員で給与以外の収入がまったくなく、医療費控除などの適用もない人は、年末調整だけで完結する可能性が高いです。ただ、「もしかしたら医療費控除が受けられたかも…」「実は副業で少し稼いだけどどうしよう?」といった境界的なケースもあるので、まずは自分の1年の収支を洗い出してみることが大切です。
1-3. 確定申告書提出の流れと期限
◆基本的なスケジュール
- 1月〜2月上旬:前年の帳簿や領収書を整理し、必要書類をそろえる。医療費控除や保険料控除の証明書などを準備。
- 2月16日〜3月15日:原則的な確定申告の受付期間。書類を税務署に提出する(e-Taxなら期限内に電子送信)。
- 3月15日までに納付:納める税金がある場合は期限までに納付。口座振替の場合はもう少し後ろ倒しになる。
- 還付申告の場合:実は1月1日から還付申告は可能。2月16日を待たずに税務署で受理してもらえる。
ただし、厳密な日付は年によって前後する可能性があるので、国税庁のサイトなどで必ず確認しましょう。土日を挟む場合もあるため、締切が3月15日より後に延びる年もあります。また、何らかの特例や災害などで期限延長が行われることもあるため、常に最新情報をチェックしてみてください。