就活を、しっかり頭をつかって勝ちたい人のために、この記事を書く。
自分に嘘をつかせないために、このノートは実名で書くことにした。
社長をしているようなハイクラスの学生に対して就活のアドバイスを行った経験から言って、内容には自信があるからだ。
まず、いま起こっている現実はだれが悪いという類のものではないということは釘を刺しておこう。 ただ、ひたすらに残酷なだけだ。
例えるなら、
フルマラソン42.195キロメートル。あなたは満を持してスタートを切った。 だがもし、すでに一定数のライバルが折り返し地点を過ぎていたら、どうだろう? しかも先行しているライバルたちが 脚にパワードスーツを装着していたら?
そんな感じだ。
君はもしかしたら、そういう深刻な状況に置かれているかもしれない。
しかし、その現実に気づいてはじめて、次に打つべき手を考えられる。
だから、たとえ太陽のように強烈な現実でも、失明覚悟で直視しなくてはならない。
本記事のサマリー
まず最初に、「就活の早期化」という言葉が、就活生にとってミスリードを含むことを指摘する。企業と就活生の2者それぞれの立場によって早期化のニュアンスが食い違っていることを暴く。 その後「就活の早期化」の学生に対する本質的な3つのメリットにスポットライトを当て、遅れて就活を始めた人にとって、就活と言う競争がどれほど厳しいものなのかを考察していく。
そして最後に、ではどうしたら就活の先行者に追いつけるのかについて、一筋の光へと議論を深めていく。
お前だれやねん?
と思った人のための自己紹介。
一介の学生(26卒)。
院進して数学を極めようと考えていたが、とある社長との出会いを機にビジネスの世界に興味を持ち、就活を始める。
軸も何もなしにサマーインターンの面接をマシンガン打ちし、70社もの企業の選考を受ける。その中で自分の確固たる軸を見つけ出していく。
その後「早期」本選考では軸に沿って活動し、計100社の選考を経験する。
内定に結び付かなかったという点では96社落ちたということになるが、折れずに奮闘中。
【経験してきた選考】 面接:70回、GD:37回、複数daysインターン:8回 1月までに内定4社獲得。承諾済み。
※インターンの内、参加辞退したものは含まない。GDは1dayインターン含む
就活で蔓延る認識のすれ違い
この章に関して、つらつらと長いこと書いてあるが、最後の数行だけ読めば十分。
「就活の早期化」の基礎知識
そもそも、厚生労働省から「お願いごと」としては、
広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動開始 :卒業・修了年度の6月1日以降
厚生労働省※
らしい。
だが、巷では就活の早期化なるものがあって、どうやら上記↑でお願いされている時期より前から面接を行っている企業が大半との状況だそう。
誰にとっての「就活の早期化」なのか
以上のデータは、皆さん知っている常識だろう。
だが、そのような「就活の早期化」は、
「企業の新卒採用の早期化」であって、 「学生たちの活動の早期化」ではない。
意外と騙されがちである。
もちろん厚生労働省はきちんと学生に対する調査も行っている。
企業視点の「早期化」
しかし肝心の、「就活の早期化」という言葉が学生間で使われる時といえば
「A社ってES始まってるーー?」
「B社ってもうES締め切ってるの!?早いってー」
などという場合が大半で、つまるところ企業の採用活動に視点のフォーカスが置かれていることが多い※1。
また企業の採用ページにかかれている場合の「早期本選考」も、その「早期」はあくまで企業にとってであって、学生にとってではない。
私が就活始めた2年生の三月当初、周りで就活を始めているのはエンジニア志望の人くらいで、ほとんどいなかった(はっきり言って私は浮いていた)。そういう場合には、あ、もう始めてるのねー早いーとは言われるが、「就活の早期化」という言葉は用いられない※1。
学生視点の「早期化」
ところがどっこい、いつもつるんでいる輪から浮いて、早めに就活を始めた私が実際に選考を受ける最中目撃したのは、溢れんばかりの就活生であった。
しかも、私の隣の席に座っている人はド・エラいたいそうな実績を持っていて、とてもまぶしかった。
ある宇宙機関のインターン生や
GAFAMのアメリカ本社に招待されている日本人海外留学生など、
挙げればキリがないくらい、涼宮ハルヒに出てくるようなキャラクター揃いである。
私が就活終盤で完成系として用いることになるガクチカは、その時点ではまだ道半ばで、成功するかもわからなかったから、選考では語れることもなく、とても不安になった。
建設的な議論のための論点整理
なにが言いたかったかというと、
なぜか、就活生が「早期化」に言及するときでさえ「就活の早期化」は企業視点で語られることが多く、事実を正確に捉えられていないことがある。
学生視点に立って初めて、本選考には
「より早期に試練を潜り抜けてきた先行者」 が少なからずいるかもしれない
ということに実感を持つことができる。
実際恐ろしいことに、私が「早期」に出会った優秀学生のうち、3割以上は現時点で就活を終えていないらしい※1。
意識高く超早期から就活を始めている学生はさっさとイグジットしてくれていればよいものを、そうは問屋が卸さんのだ。
まずこの記事でスポットライトを当てたかったのは、「就活の早期化」の企業側以外の面、つまり就活生側の面だ。どうも就活開始のタイミングを議論する時は、この企業側の視点と就活生側ほ視点が混同している場合が多い気がする。「就活の早期化」として問題視しているその視点のずれを直し、ピントを合わせよう。
就活の早期化という問題を、我ら学生の手元に取り戻そう。主導権を取り戻して初めて本質的な課題を捉えられる。
ではその、
学生の、学生による、学生のための「就活の早期化」
はなぜ起こっているのだろうか?
真実を暴いていくために、「就活の早期化」の学生に対するメリット、つまり利益を見ていこう。
最近就活を始めた人にとっては厳しい現実だ。しかし記事の最後で、そういった先行者のメリットに対抗するための手段を説明するので、まずはつらい現実にきちんと目を向けてほしい。
いま就活を始めた人こそ知っておくべき「先行者利益」
「面接慣れ」などは、よく言われる先行者利益だ。しかしそれはほぼ自明で説明する価値がないように思われるので割愛する。
以下では、3つの視点からあまり触れられていない先行者利益を見ていこう。
構造主義 の視点から見る第一の利益
いきなり難しい言葉使ってイキっていると思われるかもしれないが、自分の考えをずばり指す言葉がないので、構造主義という言葉を用いらせてほしい(実際イキりたいという側面もある)。
構造主義とは、ざっくりいうと個がそれ自体で世界を決めているのではなく、個同士の関係が世界を決めているというものだ。
他者との違いや位置関係で俯瞰的に自信を捉えることだ。
まだわかりにくい。
就活を具体に説明しよう。