
はじめに
「なんでこんなに働いてるのに、全然お金が貯まらないんだろう?」こんな疑問を抱いたこと、きっとあなたにもあるのではないでしょうか。
毎月必死に働いて給料をもらっても、家賃・光熱費・食費・税金……気がつけば手元にはほとんど何も残らない。頑張っても頑張っても、経済的に余裕が生まれない。それどころか、将来への漠然とした不安ばかりが積み重なっていく。
でも、同じような給料でも、**「お金が自然と増えていく人」がいます。彼らが何をしているかというと、たったひとつ――「資産運用」**です。
「難しそう」「怖い」「損しそう」そう思う気持ちもよくわかります。かつての私もそうでした。ですが、資産運用の本質は**「時間を味方につけて、お金を働かせること」**にあります。難しい知識や一発勝負の投資テクニックなど、まったく必要ありません。
たとえば、あなたが毎月5万円をただ銀行に貯金するのと、毎月5万円を年利5%の資産に積立投資するのとでは、10年後に約170万円の差が生まれます。何もしていないように見えて、これは大きな違いです。この差を生み出すのが、「複利」という魔法の力です。
しかも、資産運用のすごいところは、最初は誰でも初心者でいいということ。難しく感じるのは、正しい知識がないだけ。車の運転も、最初は怖かった。でも教習所に通えば運転できるようになった。それと同じで、資産運用も正しい方法と習慣さえ身につければ、誰でも実践できるスキルです。
この本では、「なぜ貯金だけでは損なのか?」「どうすれば複利の力を使ってお金が増えるのか?」「初心者でもできるシンプルで失敗しにくい方法」を、具体例や制度を交えて、わかりやすく解説していきます。
そして何より大事なのは、「今」動き出すこと。どんなに少額でも、どんなに不安でも、一歩踏み出した人だけが、**「お金に働いてもらう人生」**を手にすることができます。
あなたの未来は、あなたの選択で変えられます。この本が、その第一歩になることを心から願っています。
第1章:なぜ貯金だけでは損をするのか?――「働いてもお金が増えない」の正体
あなたは、こんな経験をしたことがありませんか?
「今月も残高ギリギリだった……」「節約してるはずなのに、なぜかお金が残らない」「給料日が待ち遠しい、でも翌日にはもう生活がキツい」
これは、あなたの努力や能力に問題があるわけではありません。多くの人がこの悩みを抱えるのには、**現代のお金の流れと仕組みの“罠”**があるからです。
■ 働いてもお金が貯まらない理由
私たちは「働いたらお金が手に入る」と教わって育ってきました。確かに、労働によって収入を得ることは基本中の基本です。でも、重要なのはその“次”。**「そのお金をどう扱うか」**で、人生は大きく分かれます。
特に問題なのは、「貯金が正解」という古い常識。銀行に預けておけば安心、安全。そう思っていませんか?
でも、ちょっと冷静に考えてみましょう。日本の銀行の普通預金の金利は0.001%。仮に100万円を預けても、1年でたった10円の利息しかつきません。
一方で、毎年のようにモノの値段は少しずつ上がっています。これは**インフレ(物価の上昇)**と呼ばれ、お金の価値が目減りする現象です。
つまり、**「銀行にお金を預けているだけで、実質的に損をしている」**状態なんです。
■ 金持ちはなぜ「貯金しない」のか?
テレビやネットで話題になる“お金持ち”たちは、ほぼ例外なく**「資産運用」**をしています。
・株式・投資信託・不動産・債券・インデックス投資など、やり方は人それぞれですが、共通しているのは**「お金に働かせる」**という考え方。
彼らは「稼いだら使う」ではなく、「稼いだら育てる」ことを優先します。
だからこそ、働いていない間にもお金が増える。いわゆる**「不労所得」**があるからこそ、選択肢が広がり、時間にも心にも余裕が生まれるのです。
■ 時間を切り売りする限界
一般的な労働収入は、時間と引き換えにお金を得るスタイルです。1時間働いたら1,200円、という世界。これは非常にわかりやすいですが、限界も明確です。
1日は24時間しかない。体力にも限界がある。つまり、**「働ける時間=収入の上限」**という天井があるのです。
それに対して、資産運用は時間を味方にして、あなたが寝ている間にも働いてくれる存在です。
ここで1つ、例を紹介しましょう。