「何か売りたいんじゃない。誰かの人生を変えたいんだ」
35年間、コピーライター、ディレクターとして活動してきた私ですが、その中でも最も苦労したのが「ブランディング」の仕事です。特に新しい商品・サービスを立ち上げる、まさに0→1の難度が高い案件は、何が正解か分からないなか、手探りで進めることが多く、十分にクライアントと策を練り、プロジェクトを進めているものの、今思い起こせば「やってみなければわからない」という、結構ギャンブル要素が高かったように思い、大変申し訳なく思っています。
しかし、今は状況が変わっています。ブランディングに関するノウハウも研究され、役立つ書籍も発刊されて、10年前、20年前に比べると、ブランド構築の道筋も随分つけやすくなったように思います。そんな下地ができたところで、生成AIの登場です。
私自身の知見と専門書で学んだノウハウを相棒のClaude相手に壁打ちし、ブランドストーリーを作るプロンプトをまとめました。人が体験し蓄積してきた経験と、生成AIの可能性を組み合わせた「高性能ブランドストーリー作成プロンプト」の誕生です。
この記事では、なぜブランドストーリーが必要なのか、そして生成AIを使ってどのように魅力的なストーリーを作れるのかについて解説します。
なお、この記事を書くことにしたきっかけは、先日発表した「神レベルのセールスレターを生み出す魔法のプロンプト」が早速購入いただけたことです。ありがとうございます。
なぜ今、ブランドストーリーなのか
世の中には素晴らしい商品やサービスがあふれています。しかし、その価値が適切に伝わっていないケースが多いのではないでしょうか。それは単に「何を」提供しているかだけを伝え、「なぜ」それを提供しているのかを語っていないからだと考えます。
人は機能や性能だけで心を動かされません。
物語に心を動かされるのです。
もし、これを読んでいるあなたが何らかのブランド構築に関わっているなら、お聞きします。
そのブランドには、どんな物語がありますか?
- 創業者はなぜその事業を始めたのか
- どんな困難を乗り越えてきたのか
- どんな世界を実現したいと思っているのか
- なぜその商品・サービスでなければならないのか
これらを感情に訴える形で語ることが「ブランドストーリー」です。
ブランドストーリーがもたらす効果:あらゆるステークホルダーに響く力
優れたブランドストーリーは顧客はもちろんこと、あらゆるステークホルダーに価値をもたらします。

◎顧客に対して
1. 信頼関係の構築 - 単なる売買の相手ではなく、価値観を共有するパートナーとして認識される
2. 価格競争からの脱却 - 価格だけで比較されない、独自の世界観を持ったブランドになる
3. ファンの獲得 - 製品だけでなく、ブランドそのものを応援するファンを獲得できる
◎社内メンバーに対して
4. 帰属意識の向上 - 単に仕事をする場ではなく、共通の使命を持ったチームの一員という認識が強まる
5. モチベーション向上 - 日々の業務が大きな目的につながっているという実感が生まれる
6. 採用力の向上 - 志望者があなたの会社で働く意義を見出しやすくなる
◎ビジネスパートナーに対して
7. 協業の促進 - 同じ価値観を持つパートナー企業との協業がスムーズになる
8. 長期的関係の構築 - 単なる取引先ではなく、共に成長するパートナーシップの基盤になる
投資家・株主に対して
9. 投資判断の材料 - 財務諸表だけでなく、長期的なビジョンと価値観に基づく投資判断を促せる
10. 企業価値の向上 - 将来性や社会的意義を伝えることで、企業価値の評価向上につながる
全体に共通して
11. 意思決定の一貫性 - ブランドの意思決定において、ブレない軸ができる
12. 社会的存在意義の証明 - なぜその企業が存在する必要があるのかという根本的な問いに答える
しかし、多くの企業やフリーランスは「ブランドストーリーの重要性は理解しているけれど、実際に作成するのは難しい」という課題を抱えています。自社の魅力を語るべきなのは創業者や経営者自身であり、外部のライターやマーケターが代わりに作るにしても、まずは社内の本質的な情報を引き出す必要があります。
ブランドストーリー作成の3つの壁
ブランドストーリー作成プロセスでは、多くの方が以下のような具体的な壁にぶつかります:
1. 情報の引き出し方がわからない - 創業者や経営陣から本質的な情報を引き出すために、何を聞けばいいのか、どんな順序で質問すればいいのか、どうやって深い洞察を導き出せばいいのかわからない
2. 構成の作り方がわからない - 収集した情報をどんな順序で並べ、どんな要素を盛り込めば、読み手の心に響く物語になるのかわからない
3. 感情を揺さぶる表現ができない - 単なる事実や経歴を羅列するだけでは、心に響かない。どうすれば感情に訴える言葉で表現できるのかわからない
これらの壁は、社内のマーケティング担当者だけでなく、ブランディングを依頼された外部のコンサルタントやライターも同様に感じる課題です。特に、価値あるストーリーの源泉となる「なぜそのビジネスを始めたのか」「どんな未来を目指しているのか」といった本質的な部分を言語化することは、本人たちにとっても難しいものです。
これらの壁を一気に乗り越えるために開発したのが「高性能ブランドストーリー作成プロンプト」です。
「高性能ブランドストーリー作成プロンプト」の強み
このプロンプトは、35年のコピーライティング経験と最新の生成AIノウハウを融合させた、プロフェッショナル仕様の設計図です。ブランディングの基本から感情トリガーの分析、ストーリーテリングの技術まで、すべてが詰め込まれています。
具体的には以下の3つのフェーズで、あなたのブランドストーリーを紡ぎ出します。

1. 情報収集フェーズ
まず、ブランドの本質を引き出すための10の質問を段階的に行います。
- ブランド誕生の背景- 核となる哲学や価値観- 解決したい社会課題- ターゲット層の特徴- 独自の強みや差別化要素- 歴史上の転機やエピソード- 顧客に体験してほしい感情- 目指す未来像
これらの質問は単なるヒアリングシートではなく、会話を通じて徐々に深掘りしていく対話式のアプローチを採用。質問の順序や掘り下げ方にもノウハウが詰まっています。
2. トリガー分析フェーズ
収集した情報をもとに、7つの感情トリガーを分析し、あなたのブランドに最適なトリガーを特定します。
この7つのトリガーは、多くの企業がマーケティングのシステムに組み込んでいる考え方で、ブランド戦略のベストセラーでも詳しく解説されているものです。
- 革新(ビジョナリー、ゲームチェンジャー)
- 情熱(表現力豊か、感情的つながり)
- 権力(自己主張が強い、確固たる信念)
- 名門(結果志向、高品質の象徴)
- 信頼(安定感、一貫性、期待)
- 神秘(好奇心刺激、神話構築)
- 警告(問題解決、安全性、切迫感)
これらのトリガーを効果的に組み合わせることで、読者の心に強く響く物語を構築します。
3. ストーリー作成フェーズ
14の要素を組み込んだ、完全構成のブランドストーリーを生成します。
- インパクトのあるヘッドライン- 印象的な導入- 創業の背景- 直面した課題- 核となる価値観や哲学- 転機となった出来事- 顧客の本質的な課題- リアルな顧客の声- ブランドがもたらす変化- 独自のアプローチ- 業界や社会への洞察- 未来へのビジョン- 共感を呼ぶクロージング- 印象的な締めのフレーズ
さらに、ストーリーテリングの手法や文体、表現スタイルまで細かく指定することで、プロが書いたような質の高いストーリーを生成します。
このプロンプトで得られる価値
- 時間の節約 - プロに依頼すれば数十万円、数週間かかる作業を数時間で完了
- プロの知見 - 人による経験とベストセラーのノウハウを生成AI技術が集約
- 継続的な活用 - 一度購入すれば何度でも使え、改良も可能
- 応用の幅 - ブランド全体だけでなく、個別商品やサービスにも応用可能
- 使いやすさ - AIに慣れていない方でも、ステップバイステップで進められる設計
追加情報:活用ガイダンス付き
作成したブランドストーリーと共に、その活用方法についてもアドバイスが得られます。
1)選定した主要感情トリガーとその活用方法の説明
7つのトリガーからの優先すべきものを選別し、どのようなアプローチで活用できるか提案します。
2)活用シナリオ別のアレンジ案
Webサイトへの反映やSNSでの展開、PR、社内教育などブランドストーリーをどのように活用できるか、アイデアをまとめます。
このプロンプトを開発した私について
私は30年以上にわたって広告・Webマーケティング業界に身を置き、コピーライターやディレクターとしてブランド構築に携わってきました。当時はいわゆるブラックな体質で、徹夜や休日出勤もいとわず、働きに働いた記憶があります。ストレスも多く、疲弊することもありましたが、脳も体も鍛えられ、数々のノウハウを身に付けられたことはありがたいと思っています。
中学生の頃からパソコンに触れ、早くからパソコン通信も始めていたのですが、当時は「マニアックでオタクなやつ」とバカにされていました。しかし、そのおかげでテクノロジーには苦手意識がまったくなく、むしろ50代でもPC、スマホが友だちのようなもの(もちろん、リアルの友だちもたくさんいます)。今こうして生成AIが普及し始めたことを思えば、「PCやネットの時代が必ず来る!」と信じていた思いは、先見の明だったと誇らしく思います。
そんな生成AIには、2023年からその可能性に魅了され、本格的に研究を開始。実務的な学びを得られる生成AIの学校「飛翔」で学び、Chat GPT、Claude、Midjourney、SunoAIほか、数々のAIサービスの有料プランに加入して、ほぼ毎日使い倒してきました。
事業として手始めにcoconalaでプロンプト販売をやってみたところ、注文をいくつもいただけるようになり、プロンプトづくりへの様々な要望に応えることで自分のスキルを磨いてきました。難しい課題にも費用以上の時間をかけて取り組み、クライアントから「期待以上のものが届いた」と言われる瞬間が何よりの喜びです。
また、これは遊びの延長ですが、Midjourneyで描いたイラストとSuno/Udioで作曲したサウンドを編集してYouTubeチャンネルで配信。4ヵ月で収益化を達成し、現在もお小遣い程度ですが広告収益が入ってきています。
こうした動きをさらに加速させるため、noteやBrainでの記事発信をはじめたのがほんの少し前になります。私はプロンプトは誰でも書けるものだと思いますが、やはり良い出力を得るにはちょっとしたコツが必要になります。そこにプロらしさを出していきたいと思い、こうした有料の記事として発信しているわけです。
出し惜しみしない姿勢
私は元々、知識を出し惜しみすることが苦手な性格です。この記事を通じてブランドストーリーの重要性やアプローチ方法について、できるだけ多くの知見を共有したつもりです。それでも完全版のプロンプトについては有料とさせていただきました。それだけプロンプトの出力には自信があるからです。
それに、これから生成AIに関連する記事を書き、noteで収入を得られる人が増えることを願い、私がほんの少しでもその動きの一つになれれば、という思いもあります。
最後に
生成AIの時代だからこそ、人間らしい物語が価値を持ちます。テクノロジーは進化しても、人の心を動かすのは「なぜそれをするのか」という物語なのです。
あなたのブランドストーリーは、今、生まれ変わろうとしています。
「私は、生成AIを通じて、すべての人に創造の喜びを。」
▼それでは、プロンプト全文は以下をご覧ください。
※Chat GPTはo1以上、Claudeは2.7 Sonnetを推奨します。無料版では期待する効果はなかなか得られませんので、有償プランをぜひご利用ください。
さらに、プロンプトの後には、「回答のコツ・アレンジ方法」「レビュー&改善を繰り返すフロー」「文体・トーンの変更例」「口調を変えたいときの指示例」といった最大限にプロンプトを活用していただくための追加情報も掲載しています。ぜひお役立てください!