国際物流の営業は「安く速く安全に」の一言で語れません。現場は船腹不足やサーチャージの乱高下が常で、決裁は複数部署を横断します。「一社の担当者に刺されば決まる」は幻想で、合意形成に型が要ります。
一方で、現実は「値下げ要請→見積提出→音信不通」の反復です。“荷主側の意思決定プロセス”と“検討の引き金(トリガー)”が見えていないからです。本稿はその盲点を埋めるための「そのまま話せる台本」を提示します。アポ取得→診断ヒアリング→提案→ネゴ→クロージングまでを一気通貫で設計します。値段以外の決め手(リードタイム、事故時の復旧手順、可視化)を言語化し、商談の構造をあなたの側に取り戻します。
「ありがちな失敗」
- 「価格だけを約束」→比較表で埋没→根本は“評価軸の設計不足”。
- 「誰でもいいに架電」→担当外に跳ね返り→“意思決定マップ不在”。
- 「機能を羅列」→相手の現行フローと不整合→“現状把握の欠落”。
- 「反論に即答できず」→先延ばし確定→“事前の反論台本不足”。
- 「初荷の立上げが雑」→二回目が来ない→“オンボーディング設計不在”。
勘違いをほどく道筋は単純です。「相手の役割→現行フロー→阻害要因→検討トリガー→意思決定の段取り」。この順で聴き、合意文(意思決定のための一文)を共同作成するだけです。専門語は控えめに、必要箇所のみ補足します
