「会社、辞めようかな」
その言葉を口にしたのは、月曜日の朝だった
午前7時12分
スマートフォンのアラームを止めて、天井を見つめる
起きなければいけない
あと48分で家を出る
頭では分かっている
なのに、体が動かなかった
30代
会社員として10年以上働いてきた
給料は、決して悪くない
上司からも「よくやっている」と言われる
同僚との関係も、そこまで悪くない
それなのに――
会社に行きたくない
その気持ちだけが、年々大きくなっていた
きっかけは、たった1通のメールだった
その日の昼休み
いつものようにコンビニで買った弁当を食べながら、スマホを眺めていた。
SNSを開く
すると、ある投稿が目に入った
「会社を辞めて、今は副業だけで生活しています」
投稿者は、自分と同じ30代
年齢も近い
しかも、特別な経歴があるわけではない
その人は会社員時代から副業を始め、少しずつ収入を増やしていったらしい
そして――
会社を辞めた
「そんな人生もあるのか
最初は、ただそれだけだった
羨ましい
でも、自分には無理だ
そう思ってスマホを閉じた
ところが、その日の帰宅途中
満員電車の中で、また同じことを考えてしまった
「もし、自分も会社を辞められたら?」
その日から、少しずつ何かが変わった
家に帰ってから、副業について調べ始めた。
Webライティング
動画編集
ブログ
SNS運用
プログラミング
いろいろな情報が出てくる
「月5万円稼げました」
「副業で月30万円」
「会社を辞めて自由になりました」
そんな言葉を見るたびに、胸がざわついた
自分にもできるかもしれない
そう思った
そして、初めて副業に挑戦した
最初の月
売上は―
8,000円
たった8,000円
会社員として考えれば、ほとんど意味のない金額だ
でも、その8,000円は違った
誰かに給料としてもらったお金ではない
自分で仕事を見つけ、自分の力で稼いだ8,000円だった
その瞬間、不思議な感覚になった
「もしかしたら……」
ほんの少しだけ、未来が変わる気がした
そして、半年後
副業収入は、
月3万円になった
その3か月後には、
月7万円
さらに半年後
月15万円
ここまで来ると、会社を辞めるという選択肢が、急に現実味を帯びてきた
「あと15万円稼げれば、生活できる」
そう考えた
そして、ある夜
パソコンを閉じた
時計を見る
午前1時43分。
妻はもう寝ている
部屋は静かだった
その静けさの中で、ついに決めた
「会社を辞めよう」
……しかし
ここからが、本当の問題だった
翌朝
いつものように会社へ向かう
昨日までは「いつか辞める会社」だった
でも今日は違う
「自分が辞める会社」だったそう思った瞬間、急に怖くなった
副業収入は月15万円
生活費は月25万円
あと10万円足りない
しかも、それだけではない
税金は?
健康保険は?
年金は?
副業の仕事がなくなったら?
クライアントとの契約が終わったら?
病気になったら?
今月15万円稼げても、来月も15万円稼げる保証はない
そこで、初めて気づいた
「副業で稼げる」と「副業だけで生活できる」は、まったく違う
この違いを知らないまま会社を辞めたら――
自分は、どうなる?
貯金を切り崩す?
焦って安い仕事を大量に受ける?
朝から晩まで働く?
それでも生活費が足りなかったら?
考えれば考えるほど、怖くなった
そして、会社を辞めるために必要なのは、
「もっと稼ぐこと」だけではないと気づいた
必要だったのは、
退職する前に、ある4つのものを揃えることだった
その4つとは何なのか?
ここから先は、単なる「おすすめ副業」の話ではありません
30代サラリーマンが、
会社員 → 副業 → 独立
へ進むために、何を準備すればいいのか
そして、
「もう会社を辞めても大丈夫」と判断するためには、何を基準にすればいいのか
具体的に整理していきます
例えば、こんな疑問にも答えていきます
- 副業収入はいくらあれば退職できる?
- 月20万円あれば会社を辞めてもいい?
- 貯金はいくら必要?
- 副業収入が不安定でも退職できる?
- 会社員のうちに何を準備すべき?
- 収入が一つしかない状態は危険?
- 退職後の税金や社会保険はどう考える?
- 仕事がなくなったとき、どうすればいい?
- 30代から始めるなら、どんな副業が現実的?
そして何より重要なのが、
「いつ会社を辞めるか」ではなく、「どうなったら会社を辞めても大丈夫なのか」
という判断基準です
もし、あの日の自分に戻れるなら
たぶん、すぐには会社を辞めません
でも、副業はすぐに始めます
なぜなら、会社員であることは「自由を奪うもの」だけではないからです
毎月給料が入る
生活費を確保できる
副業で失敗しても、すぐには生活が破綻しない
つまり会社員である間は、
「安全に独立の準備ができる時間」
でもあるからです
だから、もし今あなたが、
「会社を辞めたい」
と思っているなら
退職届を書く前に、一度だけ立ち止まってください
そして、自分に問いかけてみてください
「会社を辞めたい」のか
それとも、
「会社を辞めても困らない自分になりたい」のか
この2つは、似ているようでまったく違います
後者を目指すのであれば、やることは明確です
副業を始める
収入を作る
収入を安定させる
複数の収入源を作る
生活防衛資金を準備する
退職後のお金を確認する
そして最後に――
会社を辞める。
ここから先で、全部つなげます
この有料記事では、30代サラリーマンが「退職して副業だけで生活する」ために必要な準備を、順番に解説します
ただ副業を紹介するだけではありません
「どう稼ぐか」から「どう安定させるか」、そして「いつ辞めるか」まで
一つずつ整理していきます
あなたが今、
「いつか会社を辞めたい」
と思っているなら
その「いつか」を、ただの夢で終わらせる必要はありません
ただし――
焦ってはいけません
会社を辞めるのは、いつでもできます
でも、
「会社を辞めても生活できる状態」を作るには、時間が必要です
だからこそ、まだ会社員である今が、一番重要です
そして、最初に確認しなければならないのは――
「自分は、毎月いくらあれば生きていけるのか?」
ここが分からなければ、退職までの道のりも決まりません
次章から、その金額を具体的に計算していきます
あなたが会社を辞めても困らないために、最初に知っておくべき数字です
