『Xアルゴリズムの教科書』 いいねを追う時代は終わりました——Xが本当に見ている「行動予測」の話【2026年7月最新・完全版】
フッキー|世界観ビジネス × AI自動化
まず、これだけ覚えて帰ってください
2026年のXのアルゴリズムには、たったひとつの目標があります。
「後悔しないユーザー秒数」の最大化。
つまり、ユーザーが「この時間を使ってよかった」と思える投稿を増やすことです。
そのために、Xはあなたの投稿を見た人が—— いいねするか。リプライするか。プロフィールを見に行くか。フォローするか。 それとも、ミュートするか。ブロックするか。通報するか。
すべての行動の確率を、AIが同時に予測しています。
だから、この講座の結論を先に言います。
これからのXで必要なのは、投稿術ではありません。 「推薦される人格」の設計です。
なぜそう言えるのか。2026年に起きたことを、順番に説明します。
第1章 2026年、Xのアルゴリズムは「丸見え」になった
まず、2026年の大事件から。
2026年1月20日、Xは推薦アルゴリズムの全コードをGitHubで完全公開しました。 さらに「4週間ごとの定期アップデート」という体制に移行。 テスラのソフトウェア更新に近いサイクルで、アルゴリズムが進化し続けています。
そして2026年5月15日、最新版のコードが再び公開されました。 イーロン・マスク本人が「The latest X algorithm has been published to GitHub」と投稿しています。
この公開で、Xの中身がかなり深くまで見えました。
- Phoenix — おすすめ表示用のAI推薦モデル
- Grox — 投稿の内容(テキスト・画像・動画)を理解する仕組み
- エンドツーエンド推論パイプライン — 候補集めから表示までを一本で処理する流れ
- ads blending — 通常投稿と広告を混ぜる仕組み
- hydrator群 — ユーザー情報や投稿情報を補う仕組み
難しい言葉が並びましたが、ざっくり言うとこうです。
「Xが投稿をどこから集め、どう理解し、どう並べ、誰の画面に出すのか」が全部見えた。
これは推測ではありません。公開されたコードから読み解ける事実です。 この講座では、その全体構造から「どう運用すれば伸びるのか」を導きます。
第2章 今のXは、フォロワーに投稿を届ける場所ではない
大前提です。今のXは「フォロワーに投稿を届ける場所」ではありません。 巨大なAI推薦システムです。
「おすすめ」欄は、5つの工程で組み立てられています。
| 工程 | 何をしているか |
| ①候補生成 | フォロー中の投稿+フォロー外の投稿をAIが集める |
| ②特徴量の抽出 | 投稿内容、投稿者の実績、あなたとの関係性、経過時間、関心トピックとの距離を数値化 |
| ③スコアリング | GrokベースのAIモデルPhoenixが「この人が反応しそうか」を予測して点数化 |
| ④可視性・品質フィルタ | ブロック、ミュート、スパム、センシティブ判定で除外 |
| ⑤ミキシング | 並び替え、広告の差し込み、最終表示 |
昔のXは、人間が手作業で決めたルール(「いいねが多い投稿を上げる」など)で動いていました。
今は違います。2026年1月のコードでは、If-Else型の古いルールの多くが、 Grokベースの埋め込みモデル(Embeddings)に置き換わりました。
埋め込みとは、投稿やユーザーの興味を「数字のまとまり(ベクトル)」にしたもの。 Xは、あなたの投稿の意味と、ユーザーの興味の距離を計算して、おすすめを決めています。
だから、こういう昔の質問は、もう表層の話です。
「何時に投稿すればいいですか?」
「1日何投稿すればいいですか?」
「いいね回りをすべきですか?」
Xが本質的に見ているのは、この問いです。
「この投稿を、このユーザーに、このタイミングで見せたとき、どの行動がどれくらいの確率で起こるのか」
経営者・事業主にとって、この考え方は重要です。
「バズる投稿」を狙うのではなく、プロフィールクリック→フォロー→LINE登録→問い合わせ→購入という行動の連鎖を設計する必要があります。
第3章 Xは「いいねが多い投稿」を評価しているわけではない
推薦モデルPhoenixは、1つの投稿に対して複数の行動が起きる確率を同時に予測します。 これを「マルチアクション予測」と呼びます。
- いいね
- リプライ(返信)
- リポスト
- 引用
- プロフィールを見に行く
- 動画を見る
- 画像を拡大する
- 投稿に滞在する時間
- 投稿者をフォローする
- 興味なしを押す(マイナス)
- ブロックする(マイナス)
- ミュートする(マイナス)
- 通報する(マイナス)
Weighted Scorer(行動ごとに点数をつける採点係)が、これらの確率に重みをかけて最終スコアを作ります。 ポジティブな行動はプラス。ブロック・ミュート・通報はマイナスです。
ここが決定的に重要です。
Xで大事なのは、反応の数ではありません。質と方向です。
- いいねは多いのに、プロフィールクリックされない投稿 → ただ消費されているだけ
- リポストは多いのに、ミュートも多い投稿 → 短期で広がっても、長期で信頼を削る
- リプライは多いのに、怒りで荒れている投稿 → ネガティブシグナルも同時に増やしている
逆に、いいねはそこそこでも、長く読まれ、プロフィールを見られ、フォローされ、質の高い会話が生まれる投稿は、数字以上に強い。
「何人に見られたか」ではなく、「見た人がどこまで進んだか」を見てください。
行動の重み——いいね×1、リポスト×20
公開コードの分析では、行動別の重みはおおよそこう語られてきました。
| 行動 | 重みの目安 |
| いいね | ×1 |
| ブックマーク | ×10 |
| リンククリック | ×11 |
| プロフィールクリック | ×12 |
| リプライ | ×13.5 |
| リポスト | ×20 |
| 投稿者本人が返信した会話 | いいねの30〜75倍の価値と分析される |
| 2分以上の滞在 | ×10 |
※4週間ごとにモデルが更新されるため、固定の魔法の公式ではありません。ただし方向性は明確です。
いいねは軽い反応。
ブックマークは「あとで見返したい」。
プロフィールクリックは「この人は何者?」という興味。
リプライは「時間を使って会話したい」。
リポストは「他の人にも見せたい」という強い推薦。
そして投稿者本人が丁寧に返信している会話は、最高クラスの評価を受けます。
つまり、いいね100件の投稿より、 リポスト5件+プロフィールクリック10件+丁寧な返信のある会話が数件の投稿のほうが、事業上は強いことがあるのです。
