落ちてくる FALLING — THE STORY OF TETRIS ①

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発見の処方箋

発見の処方箋

1984年、モスクワ。ソ連の研究者が、昼休みに作ったゲームが、冷戦を越え、国境を越え、世界で最も遊ばれたゲームになった。——誰も、止められなかった。

*  *  *

Episode 01 昼休みの発明

1984年、モスクワ。

アレクセイ・パジトノフは、ゲームを作るつもりはなかった。ただ、暇だった。

*  *  *

1984年6月。モスクワ。ソビエト連邦科学アカデミーのコンピュータセンター。

アレクセイ・パジトノフ、二十九歳。人工知能の研究者。仕事の合間に、彼はよくパズルで遊んだ。幼い頃から好きだった「ペントミノ」——五つの正方形を組み合わせたブロックパズル——をコンピュータ上で再現しようとした。

しかし五種類では複雑すぎた。四つにしよう。四つの正方形からなるブロック——「テトロミノ」——を使えばいい。

ブロックが上から落ちてくる。隙間なく並べると、その行が消える。消えないと積み上がって、やがて限界が来る——。

最初のプログラムは、数週間で動いた。

*  *  *

パジトノフは同僚に見せた。

同僚は画面を見て、黙った。そして、プレイし始めた。一時間後、まだやっていた。

「なんだこれは」

パジトノフも、うまく説明できなかった。面白い理由が、わからなかった。ただブロックを積むだけのゲームが、なぜここまで止められないのか。

*  *  *

プログラムはコピーされ、研究所内に広まった。科学アカデミーのコンピュータが、仕事そっちのけでテトリスに占領された。上司が怒鳴った。それでも誰も止めなかった。

パジトノフはゲームに名前をつけた。「テトロミノ」と「テニス」を組み合わせた造語——テトリス。

彼はまだ知らなかった。このゲームが彼の手を離れ、世界中を飛び回ることを。そして彼自身が、長い間、そこから何も得られないことを。                                                   

               ── 第2回「鉄のカーテンを越えたブロック」へ続く


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発見の処方箋

レゴが倒産寸前だったこと、知ってますか。 カラオケの発明者が無名だったこと、知ってますか。 テトリスの作者が1円も得られなかったこと、知ってますか。 身近なものの裏側に、 最高のビジネス教材がある。

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