50人未満でも安心|法改正×未然防止の新安全衛生教育①

50人未満でも安心|法改正×未然防止の新安全衛生教育①

社労士池口

社労士池口

なぜ今、「雇い入れ時教育 × ストレスチェック」なのか

2025(令和7)年5月14 日に改正労働安全衛生法が公布され、労働者数 50 人未満の事業場に対しても、ストレスチェックの実施が義務づけられることになりました。施行日は、公布後3年以内に政令で定める日とされ、最長で2028年5月までに実施が義務づけられます。

50人未満の中小企業こそ、今のうちに「雇い入れ時安全衛生教育」と「ストレスチェック」を一本化しておくべきです。

理由はシンプルで、これからの法改正や行政の目線は、「やっているか」よりも「未然防止の仕組みを持っているか」に移っていくからです。 

最近、「ストレスチェックが50人未満にも義務化されるらしい」という話を聞いて、なんとなく落ち着かない気持ちになっていませんか。

「次は何を求められるのか分からない」「うちは人も少ないし、そこまで手が回らない」

――多くの経営者や人事担当者が、同じ不安を抱えています。実際、私のもとにも「何から手を付ければいいのか分からない」という相談が増えています。 

例えば、ある会社では「義務じゃないから」とストレスチェックも安全衛生教育も形だけで済ませていました。すると、パート社員が体調不良で突然休職し、「十分な説明を受けていなかった」と不満が噴出。結果的に、会社は想定外の対応に追われることになりました。

一方で、雇い入れ時に“心と体の安全”をまとめて伝える仕組みを作っていた会社では、トラブルが起きる前に小さなサインに気づき、問題を未然に防げています。

 だからこそ、本記事では今の法律を守るためではなく、これから起きうるリスクを先回りで防ぐ考え方をお伝えします。難しい制度の話ではありません。中小企業が最低限やれば、リスクを大きく下げられる現実的な方法です。

「知らなかった」で後悔しないために、ぜひこの先を読み進めてください。

「次は何を求められる?」法改正に怯える中小企業の本音

中小企業の多くが感じている不安の正体は、法令違反そのものよりも「この先、何が来るのか分からないこと」です。特にストレスチェック義務化の話題は、「うちは大丈夫なのか」「次は何をやらされるのか」という見えない不安を一気に大きくします。 なぜここまで不安になるのかというと、情報が断片的だからです。

「50人未満は対象外」と聞いたかと思えば、「将来的には義務化される」という話も出てくる。

すると、「今は何もしなくていいのか」「今から準備すべきなのか」判断できず、モヤモヤだけが残ります。

この“判断できない状態”こそが、経営者や人事担当者を一番疲れさせます。 

よくある初心者の失敗談があります。

「義務じゃないから」と何もしないまま時間が過ぎ、ある日、パート社員が体調不良で長期休み。あとから「安全やストレスについて説明を受けた覚えがない」と言われ、慌てて対応することになりました。

逆に、雇い入れ時に「無理をしないことも安全の一部です」と一言伝えていた会社では、小さな相談が早めに出て、大きな問題に発展せずに済んでいます。 

つまり、不安を減らすポイントはシンプルです。「次に何が来るか」を当てにいくのではなく、「何が来ても対応できる考え方」を先に持つこと。

法改正に振り回される前に、“未然防止”という軸を持つことが、結果的に一番ラクで安心な選択です。

事故は“教育不足”ではなく“設計ミス”から起きる

現場で起きる事故やメンタル不調の多くは、「教育をしていなかった」からではなく、「教育の組み立て方」を間違えていることが原因です。つまり、問題は努力不足ではなく、設計ミスにあります。 

なぜ設計ミスが起きるのかというと、安全衛生教育とストレスチェックを別物として考えてしまうからです。安全は仕事の話、ストレスは個人の問題――こう分けてしまうと、現場では「無理をしても言わなくていい」「体調不良は自己責任」という空気が生まれやすくなります。

結果として、小さな異変が見過ごされ、トラブルに発展します。 

初心者にありがちな失敗談があります。

雇い入れ時に「危険作業の注意点」は丁寧に説明したものの、「無理をしない」「困ったら相談する」という話は一切しなかった会社。パート社員が体調を崩しても、「仕事の話じゃないから」と誰にも言えず、突然の欠勤につながりました。

一方で、最初から「心と体はセットで守る」と伝えていた会社では、早い段階で相談が入り、大事に至らずに済んでいます。 事故や不調を防ぐ鍵は、教育内容の量ではなく、“未然防止につながる設計”にあります。

次章では、この設計ミスをどう修正すればよいのか、社労士視点で具体的に解説していきます。

社労士が提案する“先回り型”安全衛生体制という考え方

これからの中小企業に必要なのは、「今の法律に合わせる体制」ではなく、「次に何が来ても慌てない体制」です。法改正を追いかけ続けるほど、不安は増えていきます。 なぜなら、法改正は必ず後出しでやってくるからです。「50人未満は対象外」と言われていても、数年後には条件が変わることも珍しくありません。そのたびに制度を作り直していては、時間も気力も持ちません。

だからこそ大切なのが、“先回り型”という考え方です。 初心者にありがちな失敗は、「義務化されたら対応しよう」と何もしないことです。

ある会社では、ストレスチェックの話題が出るたびに不安だけが増え、結局何も整えられないままトラブルが発生しました。

一方で、雇い入れ時に「安全と健康を大切にする会社です」と伝えていた会社では、制度が変わっても大きく慌てることはありませんでした。 

先回り型とは、制度を増やすことではありません。安全とストレスを同じ“未然防止”の視点で捉え、最初から一つの流れとして設計することです。この考え方を持つだけで、「次は何が来るのか」という不安は確実に小さくなります。


雇い入れ時教育にストレスチェック視点を入れる理由

雇い入れ時安全衛生教育にストレスチェックの視点を入れるだけで、トラブルの芽は驚くほど減らせます。難しい制度を新しく作る必要はありません。 

理由はシンプルです。雇い入れ時は、従業員が「この会社ではどう振る舞えばいいのか」を無意識に学ぶタイミングだからです。この時に「安全第一」「無理をしない」「困ったら相談していい」というメッセージが入っていないと、後から制度を作っても形だけになりがちです。 

よくある失敗談があります。

入社時は危険作業の説明だけを行い、ストレスや体調の話は一切しなかった会社。パート社員が残業や人間関係で悩んでも、「言い出しにくい雰囲気」ができてしまい、突然の退職につながりました。

一方、最初から「心と体の不調は早めに共有してほしい」と伝えていた会社では、軽い相談で済み、離職も防げています。 雇い入れ時教育は、未然防止の“スタート地点”です。ここにストレスチェック視点を組み込むことで、将来の法改正にも強い土台が完成します。

「50人未満だから大丈夫」が一番危ない考え方

「うちは50人未満だから関係ない」という安心感こそが、後で一番痛い目を見る落とし穴です。実際、トラブルは規模に関係なく起きています。 理由は、法律の線引きと現場の現実がまったく別だからです。確かにストレスチェックは原則50人以上が対象です。

しかし、労災・ハラスメント・メンタル不調は人数を選びません。むしろ中小企業のほうが、相談窓口が曖昧で問題が表に出にくい傾向があります。 初心者の失敗例としてよくあるのが、「義務じゃないから何もしない」ケースです。

ある小さな会社では、体調不良を訴えていたパート社員を放置した結果、突然の退職と同時に外部へ相談され、会社対応を問われました。

一方、50人未満でも簡易的なストレス確認を行っていた会社では、早期に配置転換を行い、大きな問題を防げています。 人数基準で考えるのではなく、「未然に防げるか」で考えることが重要です。50人未満こそ、先回りした安全衛生の考え方が効いてきます。

形だけの教育が“リスクを増やす”という現実

安全衛生教育は、「やったことにする」ほどリスクを高めてしまいます。形だけの教育は、会社を守るどころか危険です。 理由は明確です。

書類上は実施していても、現場が理解していなければ「会社は説明した」という姿勢だけが残ります。トラブルが起きた際、「説明は受けていない」「そんな認識はなかった」と言われれば、責任の所在は一気に曖昧になります。 初心者によくある失敗が、ネットの資料をそのまま配布して終わるケースです。

ある会社では、専門用語だらけの資料を渡しただけで説明を省略しました。その後、派遣社員が無理を重ねて体調を崩し、「相談できる雰囲気がなかった」と主張されました。

一方、同じ内容でも現場の言葉で噛み砕いて説明した会社では、「相談していいんだ」という共通認識が生まれています。 教育の目的は証拠作りではなく、未然防止です。伝わる形で行うことが、結果的に会社と従業員の両方を守る近道になります。

次の記事では、今日からすぐに使えるテンプレートを通じて、「やっている会社」から「守れている会社」へ一歩進むための具体策をご紹介いたします。


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この記事のライター

社労士池口

2015年3月より社会保険労務士として開業しております池口と申します。人事・労務関連の改正情報やお役立ち情報をお伝えします。

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