はじめに このガイドの使い方
ストーカー行為に関する相談の準備と、日常のプライバシー保護に使える知識を、一冊の実践ガイドにまとめました。記録の残し方、公的な相談先の選び方、アカウントと端末の管理、写真や位置情報の公開範囲、身近な人への協力の頼み方を扱います。この本をきっかけに、ご自身に関係する項目から、無理のない見直しを進めていただければと思います。
本文は10万字以上ありますが、すべてを一度に読み、すべての対策を実行する必要はありません。具体的な困りごとがある方は、その場面に関係する章から使ってください。被害が確認されていない方も、引っ越し、転職、端末の買い替え、写真の公開など、普段の情報管理に役立てられます。
この本では、体験したことや困っている気持ちを大切にしながら、確認できる出来事と、原因についての推測を分けます。望まない連絡が届いた、公開したくない情報が載っていた、共有設定が以前のままだった、という具体的な事実を出発点にします。原因や相手が分からない段階でも、分かっていることと分からないことを整理して相談できます。
読者がストーカー被害を受けていると決めつけること、特定の人の意図や関与を推測で断定すること、この本の方法で被害や危険を完全に防げると保証することはしません。個別の法的判断、捜査、端末の専門的な鑑定、医療上の診断や治療を代わりに行う本でもありません。必要な場面では、それぞれの正式な窓口へつなぐために使ってください。
差し迫った危険や、いま起きている事件への対応が必要な場合は、読書や記録の整理を優先しないでください。日本の警察への緊急通報は110です。緊急ではない警察への相談は、#9110や地域の警察の相談窓口が案内されています。利用できる回線や受付の条件などは、本文の出典と公式の案内を確認してください。相談するために、この本を読み終えたり、資料を完璧にそろえたりする必要はありません。
購入前に確認できる内容と範囲
本書が提供するのは、記録と相談の準備、日常の情報管理、公式資料の読み方、コピーして使える用紙と架空の演習です。補章では「電磁波攻撃を防ぐ」という情報を、研究が調べた条件と結論の範囲から検証します。電磁波攻撃の存在や個人への加害を認定する方法、思考への働きかけを防ぐ方法、防御用品の有効性を保証する情報は提供していません。
個別相談、端末の鑑定、法律家や医療職の監修、購入後の継続支援や将来の更新を、この本文の提供に含むとは約束していません。販売価格や文字数、海外の論文の数だけで、必要性や価値を判断せず、目次と次の空欄例が自分の目的に合うかを確認してください。
最初の相談メモの空欄例
今、困っていること:____
確認できた出来事と日時:____
手元にある資料:____
まだ分からないこと:____
今日、窓口へ聞きたいこと:____
これは購入や追加の調査をしなくても使える準備用メモです。全文では、第8章に事実ログ、資料一覧、相談用の一枚、相談後メモ、八項目計画票を収録しています。書き終えることは相談の条件ではありません。日本の警察への緊急通報は110、緊急でない相談は#9110です。公式の入口は警察庁の案内から確認できます。[1]
四つの入口から選ぶ
いま何を優先すればよいか迷う方は、第1章と第2章から進んでください。安全に関わる出来事と、一般の情報整理を区別し、確認できたことを短く説明する準備をします。法律名を自分で確定させる前に相談できることも扱います。
出来事を記録し、相談へ持っていきたい方は、第3章から第8章を使います。原資料と説明用の写しを分け、時系列を整え、短い相談用資料を作ります。記録のために相手へ近づいたり、やり取りを増やしたりする方法は扱いません。足りない記録を無理に埋めず、正確さと安全を優先します。
デジタルの設定を見直したい方は、第9章から第16章へ進んでください。アカウント、認証、復旧、共有、SNS、写真、位置情報などを扱います。画面の表示だけから利用者や原因を決めつけず、公式ヘルプで確認する方法を説明します。設定を変える前に、生活や安全への影響を考える必要がある場面も示します。
暮らし全体の情報の扱いを整えたい方は、第17章から第24章を使います。住所、職場、家族、公開情報、有料サービス、海外の情報の読み方を扱い、第8章の共通計画票へ戻り、自分用の行動をまとめます。自分の情報を守ると同時に、周囲の人の情報を必要以上に広げないことも大切にします。
出典と演習について
制度やサービスの機能に関する説明では、日本の公的機関とサービス提供元の資料を優先しています。海外の資料として、米国の行政機関や支援団体、オーストラリアの公的機関、報道も参照しています。海外の制度や連絡先を、日本でそのまま利用できるものとして扱いません。地域や対象者の条件を確かめることを、説明の一部にしています。
Redditなどの個人の投稿は、利用者がどこに疑問を持つかを知る参考として扱います。投稿された体験だけで技術的な原因や法的な結論を確定しません。資料の役割を分け、公式の根拠へ戻って確認する読み方を第21章で説明します。海外の記事をそのまま翻訳して並べたものではなく、読者の判断に使えるように論点を整理しています。
本文の事例や演習は、架空であることを示したうえで作成しています。実在の人物や事件の再現ではありません。文例やワークは、状況を整理するための提案です。そのまま送信したり実行したりする前に、ご自身の事情、相手、必要な権限、安全への影響を確認してください。
資料の確認日は2026年10月3日です。法律、制度、窓口、サービスの画面は変わることがあるため、実際の申請や操作の前に、掲載した公式の出典を確認してください。根拠がはっきりしないことは、確かめる質問として残せます。分からないまま一人で抱え込まず、必要な情報を持って適切な相手へ相談するために、このガイドを活用してください。
