売れ残った服を、出品し直す。
写真を選び直して、順番どおりに入れ直す。説明文を貼る。サイズと配送方法を、もう一度選ぶ。
私が最初に試した商品は、写真が11枚ありました。
1点ならまだいいんです。
でも物販を始めて、出品中の商品ページは、53件ありました。
この作業を、AIに頼んでみました。
コードは1行も書いていません。
日本語で頼んで、自分の商品で試して、直してもらう。それをくり返して3日目に、実際の画面で動くMacアプリができました。
でも、このアプリは配りません。
動いたあとで規約を読んで、「作れること」と「使っていいこと」は別だと分かったからです。
この記事では、アプリの代わりに、次の2つをお渡しします。
- AIに作業を頼む前に書いておく「決めごと」
- 売れ残った服を、手作業で見直すためのGemini用の依頼文
そして、その2つにたどり着くまでの3日間を、つまずきも含めて書きました。
この記事で分かること
- AIに頼む前に書いた決めごとと、そこに足りなかった1行
- 動いたあとで読んだ、メルカリとYahoo!フリマの規約(2026年9月26日確認)
- 手作業で出品する人にも起きる、配送方法の落とし穴
- AIに頼む前に書く「4行メモ」
- 売れ残った服を手作業で見直す、Gemini用の依頼文
- 実際に起きた6つのつまずきと、そこから分かったこと
アプリ本体は付きません。メルカリやYahoo!フリマを自動で操作する作り方も、載せていません。
何を作ったのか

作ったのは、自分の出品を「出し直す準備」をするMacアプリです。
- 出品中の自分の商品を一覧にする
- 写真と商品情報を、手元のMacに保存する
- 保存した写真と情報で、新しい下書きを作る(何件かまとめても処理できる)
- 下書きができたことを確かめた商品だけ、確認画面のあとで、元の出品を一時停止する(削除はしない)
- 売れ残りの見直し案をGeminiに頼むための、依頼文と写真をそろえる
作っている間の線引きは、「出品の確定と、削除はしない」でした。
出品を確定するボタンは、自分で押します。元の商品を削除したり、値段を変えたりもしません。
AIが書いたこと、私がやったこと

コードは、すべてAIが書きました。約8,000行あります。
使ったAIは、CodexとClaude Codeです。途中で別のAIに切り替えましたが、決めごとと進み具合はファイルに残していたので、そこから続けられました。
私がやったことは、大きく分けて3つです。
1. 決める:何を作るかを仕様に書く。何をさせないかを決める。例外を認めるかどうかを決める。
2. 試す:自分の商品で動かして、おかしいところを伝える。
3. 止める:確かめていないことを「完成」と呼ばせない。
たとえば、元の商品の一時停止。
最初の決めごとは、「元の商品には手を加えない」でした。
あとから必要になったときも、「下書きの保存を確かめられた商品だけ」「確認画面を通してから」「削除につながる操作は、ずっと禁止」と条件をつけて、日付入りで例外を足しています。
AIに頼む前に書いた「決めごと」

AIが毎回最初に読むファイルには、次の決めごとを入れていました(実際の文を、読みやすく言い換えています)。
- 商品を公開しない。自動でできるのは、下書きの保存まで
- 元の商品を削除・編集しない。値段も変えない。メッセージやコメントも送らない
- ログイン情報を、コードにも設定にも記録にも残さない
- 画像認証(CAPTCHA)を突破しない
- 分からないときは、操作せずに止まる。安全を、自動でできる量より優先する
- 確かめていない画面の仕組みを、推測で作らない。確かめていない部分を「完成」と呼ばない
このうち「分からないときは止まる」は、実際に何度か働きました。
保存できたか分からないとき。想定していない画面が出たとき。見た目では分からない空白の違いで、商品名が合わなかったとき。
アプリは、おかしな操作をする前に止まりました(有料部分で、6つのつまずきとして書いています)。
足りなかった1行
でも、この決めごとには1行足りませんでした。
「使うサービスの規約を、作る前に読む」
自分の身を守るルールは書いたのに、サービスの側が決めているルールを、最初の決めごとに入れていなかったんです。
動いたあとで読んだ内容は、次のとおりです(2026年9月26日確認)。
Yahoo!フリマ
ガイドライン細則(2026年8月27日改定)の「出品者の禁止行為」に、自動で出品するツールの利用が入っています。それに近いプログラムや行為による出品も同じです(同社が特に認めた場合を除く)。当たるかどうかは、出品の状況を見て同社が判断します。
メルカリ
2017年6月の発表で、出品ツール(自動で出品するソフトウェアなど)の利用を禁止していると公表しています。ヘルプの禁止行為には、同社が用意した画面や仕組み以外の方法で、サービスにアクセスすることも入っています。
私のアプリは、出品の確定はしません。
でも、出品フォームへの入力と下書きの保存は自動です。元の出品の一時停止も、確認画面のあとアプリが行う作りです。
「下書きまでだから大丈夫」とは言えない。そう判断しました。当たるかどうかを決めるのは、運営だからです。
違反と判断されると、どちらのサービスでも利用制限を受けることがあります。
メルカリのヘルプには、警告や、期間を区切った利用制限、無期限の利用制限が書かれています。
じつは、配布用の説明書まで作っていました。
規約の注意書きを入れて、「ご自身の判断と責任でお使いください」とも書いていました。
でも、注意書きを付けても、制限を受けるかもしれないのは、受け取った人のアカウントです。
だから、このアプリは配りません。作り方の手順も載せません。
私自身の使い方は、まだ決めていません。
決まっているのは、人には配らない、ということです。
規約の原文は、ここから確認できます。
- [Yahoo!フリマ ガイドライン細則](https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/guide/guideline/detail/)
- [メルカリ「利用規約違反行為に対する取り締まり強化について」(2017年6月16日)](https://about.mercari.com/press/news/articles/20170616_anti-fraud/)
- [メルカリ ヘルプ「その他、不適切と判断される行為」](https://help.jp.mercari.com/guide/articles/900/)
- [メルカリ ヘルプ「禁止されている行為」](https://help.jp.mercari.com/guide/articles/258/)
それでも、この3日間を記事にした理由

AIで道具が作れるようになって、「作れるかどうか」は、もう大きな壁ではなくなってきました。
壁になるのは、次の4つです。
- 何を任せて、何を任せないか
- 分からないとき、どこで止めるか
- 「できました」を、どうやって確かめるか
- そもそも、使っていいのか
これは、アプリ作りに限りません。
出品文の見直し、売上の記録、写真の整理。AIに何かを頼むとき、たいてい同じ4つが出てきます。
私はこの4つを、3日間で全部踏みました。最後の1つは、動いたあとで。
手作業で出品する人にも起きること

アプリを作る途中で見つけた、手作業でも起きる落とし穴を1つ。
メルカリの出品画面で「配送料の負担」をあとから変えると、先に選んだ配送方法が消えることがありました(2026年9月25日の出品画面で確認)。
アプリを使わずに作った最初の試験用の下書きでも、配送方法が保存されていませんでした。
今日、出品や出し直しをするなら、保存する直前に、配送方法をもう一度だけ見てください。
無料で持ち帰れる:AIに頼む前の「4行メモ」

AIに何かを頼む前に、これだけ書いてください。
やってほしいこと:
絶対にやらないこと:
分からないときは:止まって、私に聞く
使うサービスの規約:〔確認した日〕に確認。〔自動化について書かれていたこと〕
記入例です(売れ残った1商品の説明文を、AIに見てもらう場合)。
やってほしいこと:今の商品説明と写真を見て、直したほうがいい点を3つ挙げる
絶対にやらないこと:写真にない情報を書き足さない。傷・汚れの記載を消さない。出品画面は操作しない
分からないときは:止まって、私に聞く
使うサービスの規約:直した文は自分で出品画面に貼るので、サービスの自動操作はしない(確認日:2026年9月26日)
書いたあとの使い方
1. ChatGPTやGeminiの新しいチャットを開く
2. 4行メモを、いちばん最初に貼る
3. その下に、今の商品説明を貼り、写真を添付する
4. 最後に「この4行に反することが必要になったら、進める前に私に聞いてください」と1行添えて送る
5. 返ってきた答えが、2行目の「やらないこと」に触れていないかを確かめる
4行目が埋まらない作業は、まだAIに頼まない。
それだけで、私が最初に抜かしていた確認を、頼む前に済ませられます。
有料部分に書いたこと
1. 売れ残った服を手作業で見直す、Gemini用の依頼文(コピペ用)と、採用する前のチェック、出し直すときの注意
2. 3日間で、何をどの順番で頼んだか
3. そのまま使える「決めごと」テンプレートと、作り始める前の5つの質問
4. AIの「できました」を確かめる、報告の受け取り方
5. 実際に起きた6つのつまずきと、そこから分かったこと
向いている人・向いていない人
向いている人
- 売れ残った服・古着の出し直しを、規約の範囲で、手作業のまま楽にしたい
- AIに作業を頼んでみたいけれど、何を任せていいか不安
- AIで自分用の道具を作るとき、先に何を決めればいいか知りたい
向いていない人
- アプリそのものが欲しい(配布しません)
- メルカリやYahoo!フリマを自動で操作する方法を知りたい(載せていません)
- 服以外の商品の見直し文が欲しい(依頼文は服・古着向けです)
- AIツールの始め方や料金から知りたい(入門の手順は載せていません)
- 作れば売上が伸びる方法を探している(このアプリで売上がどう変わったかは、測っていません)
よくある質問
Q. プログラミングを知らなくても読めますか?
A. 読めます。コードは載せていません。載せているのは、AIへの頼み方、決めごとの書き方、つまずいたときの考え方です。
Q. Macを持っていなくても使えますか?
A. 使えます。私が作ったアプリはMac用でしたが、有料部分のテンプレートと依頼文は、パソコンの種類に関係なく使えます。依頼文は、写真を添付してGeminiに送れる環境で使ってください。
Q. アプリを売ってもらうことはできますか?
A. できません。理由は「足りなかった1行」に書いたとおりです。
Q. アプリの作り方は教えてもらえますか?
A. メルカリやYahoo!フリマを操作する部分の作り方は、購入された方にもお伝えしません。アプリを配らないのと同じ理由です。
その代わり、有料部分には、このアプリを3日間でどう作ったかを、AIに頼んだ順番のまま書きました。この進め方と決めごとのテンプレートがあれば、売上の記録から手取りの表を作る、出品文をチェックする、といった規約に触れない自分用の道具を、同じ順番で作り始められます。
1. 売れ残った服を手作業で見直す、Gemini用の依頼文

アプリの中で、アプリがなくてもいちばん使える部分です。
