教室アンケートをAIで整理する|「5件の回答」と「話題の数」を混ぜない集計

AI lab

体験教室のアンケートを読むと、「説明が分かりやすかった。でも開始時間を変えてほしい」のように、一つの回答に複数の話題が入っています。AIに要約だけを頼むと、誰が何について書いたかが見えにくくなります。

今回は、架空の手芸教室の自由回答5件を、回答に戻れる整理表に変えます。実在のお客様の声でも、筆者の成功事例でもありません。最初の目的は満足度を断定することではなく、次に確かめたい改善点を一つ選ぶことです。

先に「何を1件と数えるか」を決める

この練習ではアンケートの回答欄一つを1件と数え、R01〜R05の番号を付けます。同じ人の複数回答かどうかは分からないため、「5人」とは呼びません。

R01:説明が分かりやすかった。開始があと30分遅いと参加しやすい。

R02:道具の置き場所が最初は分からなかった。

R03:説明は分かりやすい。作品を持ち帰る袋もあると助かる。

R04:特になし。

R05:開始時間は今のままがよい。

回答番号は照合のための目印です。実務では番号に置き換えるだけで匿名化できたと考えず、本文に含まれる氏名、連絡先、具体的な来店日時、個人が分かる事情も確認します。最初はこの架空データのまま試してください。

AIには要約の前に、回答ごとの分類を頼む

次の指示文に、上の5件を続けて入力します。会話型AIに表の下書きを頼むための練習です。

「次の架空アンケート5件を整理してください。回答ID/話題/元の文言/読み取れる要望、の順で表にしてください。複数の話題がある回答は行を分け、同じIDを残してください。元の文言を勝手に言い換えないでください。話題は『説明』『開始時間』『道具の置き場所』『持ち帰り袋』『具体的記述なし』から選び、当てはまらない場合は『要確認』にしてください。『特になし』を満足・不満のどちらにも分類しないでください。その後、各話題に触れた回答IDと件数を出してください。同じIDは同じ話題では1回だけ数えます。総回答数と話題別件数の合計は分けて示し、改善効果や回答者の属性は推測しないでください。」

いきなり「一番多い不満は?」と聞かず、分類の根拠を元の言葉で残すのがポイントです。

人が照合する答えは、5回答・7分類行

この例の確認用の分類は、R01が「説明」「開始時間」、R02が「道具の置き場所」、R03が「説明」「持ち帰り袋」、R04が「具体的記述なし」、R05が「開始時間」です。分類表は合計7行になります。

話題ごとの件数は、説明2件(R01・R03)、開始時間2件(R01・R05)、道具の置き場所1件(R02)、持ち帰り袋1件(R03)、具体的記述なし1件(R04)。合計7ですが、元の回答は5件です。7人が回答したわけではありません。

開始時間の2件は、同じ要望でもありません。R01は遅くしてほしい、R05は現状維持です。「開始時間を変えてほしい声が2件」と要約したら修正します。説明への肯定的な声を、開始時間への不満と混ぜないことも大切です。

多かった話題と、すぐ変えることを分ける

5件だけでは、教室全体の意見や改善の優先順位を決められません。回答しなかった人の意見も不明です。件数順に設備購入や時間変更を決めるのは避けます。

この架空例なら、まず道具の置き場所について、案内を見ただけで分かるかをスタッフ同士で確認する、という小さな試し方があります。開始時間は意見が分かれているので、いきなり変更するのではなく、別途希望を確かめる質問候補として残します。

AIに追加で頼むなら、「この結果から、費用をかけずに確認できることを二つ提案してください。実施決定ではなく確認案として書き、各案に根拠の回答IDを付けてください」とします。提案はお客様の要望そのものではなく、店側で検討する案です。

次の1回に残す記録

最初の試行は架空5件だけで十分です。全回答IDが残ったか、引用と分類が合っているか、件数が合うかを人が確認します。AIによる整理時間だけでなく、人の照合・修正時間と修正箇所も記録します。

実データで使う場合は、店で利用が認められた環境と入力範囲を先に確認し、個人情報や秘密情報を持ち込まない形にします。分類基準を変えたときは、その基準で全件を見直します。都合のよい回答だけを数え直さないためです。

まず作るのは、きれいな結論ではなく「この要約は、どの回答から来たのか」に戻れる表。そこまでできれば、次に何を確かめるかを落ち着いて選べます。

参考にした公式資料

OpenAIの資料では、依頼の目的・条件を具体的にし、回答を見て調整すること、重要な情報を検証することが案内されています。本記事の分類方法・架空回答・確認用の答えは独自の練習例で、公式のアンケート集計手順ではありません。

https://help.openai.com/en/articles/10032626-prompt-engineering-best-practices-for-chatgpt

https://help.openai.com/en/articles/8313428-does-chatgpt-tell-the-truth

確認日:2026年10月29日。


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