仕入先への問い合わせをAIで下書きする|見積依頼と発注を混ぜない
AI lab
備品を買い替える前に、仕入先へ価格や納期を聞きたい。そんなとき、AIは問い合わせ文の整理に使えます。ただし「質問したいだけ」なのに、「この条件で手配してください」という文まで作られると困ります。
今回は、買うかどうかを決める前の問い合わせを扱います。AIに任せるのは下書きまで。発注の判断や送信を自動化する話ではありません。
最初に「今回しないこと」を決める
「仕入先へのメールを書いて」だけでなく、目的と、まだ決めていないことを分けます。OpenAIの公式ヘルプも、指示を具体的にし、十分な背景を渡し、出力を見て修正する方法を案内しています。
たとえば今回は、価格・在庫・納期を確認するための見積依頼です。注文の確定、支払条件の承諾、数量の確約はしません。丁寧な文章でも、目的を越える一文が混ざっていれば直します。
入力メモを3つに分ける
次は、ヨガ教室のマットを想定した架空の練習用メモです。実際の仕入れ条件や効果の報告ではありません。
- 決まっていること:マット12枚を購入候補として検討している。品番は[候補品番]。まだ注文しない。
- 先方に聞きたいこと:在庫、税込総額、送料、最低注文数、注文後の発送目安。
- 未定のこと:購入するかどうか、注文日、到着希望日、予算の上限。
「12枚」は見積もりのための数量で、発注確定数ではないと明記します。品番がまだ分からないなら、AIに推測させず、自分で候補を選ぶ工程を先に置きます。非公開の取引条件や実在の担当者の連絡先を、練習に持ち込む必要はありません。
そのまま試せる依頼文
「以下の架空メモから、仕入先に価格・在庫・納期を尋ねるメールの下書きを作ってください。件名と本文を分け、質問は5項目以内にしてください。見積依頼であり、発注ではないことを明記してください。未定の到着希望日・予算・支払条件を補わず、購入や支払いの約束を入れないでください。品番や差出人は[ ]のまま残してください。本文とは別に、人が確認する項目を3つ挙げてください」
この後ろに、先ほどの3区分メモを付けます。一度に何社分も作らず、まず1件の架空例で確かめるのがおすすめです。
完成形の例を、送る前に点検する
件名:[候補品番]12枚の見積もり・在庫・納期について
[仕入先名]御中[教室名]の[担当名]です。[候補品番]のマット12枚について、購入を検討しております。現時点では見積もりのお願いであり、発注ではありません。以下をご教示いただけますでしょうか。
- 12枚分の在庫の有無
- 税込総額と送料の内訳
- 最低注文数の条件
- 注文後の発送までの目安
- 見積もりに有効期限がある場合、その期限
購入の可否と注文時期は、ご回答を確認してから検討します。どうぞよろしくお願いいたします。[差出人]
これは例文です。候補品番・数量・問い合わせ先が一致しているか、送信前に人が確認します。例文の5番は確認しておくとよい追加質問の提案で、架空メモに書かれた既知の条件ではありません。不要なら削除してください。
削りたい言葉を先に決めておく
今回の目的では、「発注いたします」「その条件でお願いします」「必ず購入します」「○日までに納品してください」といった表現は入れません。到着希望日が未定なのに日付を補ったり、回答期限を勝手に置いたりするのも避けます。
もし出力に混ざっていたら、全文を作り直す前に「注文や支払いの約束に読める箇所を挙げ、質問の文に直してください」と追加で頼みます。その修正結果も確認します。文面だけで契約上の問題が必ず防げるという意味ではありません。
便利さは「直す手間」まで含めて見る
試行時は、下書き作成と確認にかかった時間、抜けていた質問、勝手に追加された条件を記録します。確認が大変なら、入力メモの「未定」と「今回はしないこと」を増やして再度試します。
AIがきれいに書いたかどうかより、聞きたいことだけを、約束を増やさずに書けたか。小さな店の問い合わせでは、そこを合格条件にしてみてください。
出典:OpenAI Help Center「Prompt engineering best practices for ChatGPT」https://help.openai.com/en/articles/10032626-prompt-engineering-best-practices-for-chatgpt確認日:2026年11月7日。3区分メモとメール例は本記事の提案・架空例です。特定の仕入先との実際の取引を示すものではありません。
