店内案内をAIで英語にする|「条件が増えていないか」を3文で確かめる
AI lab
店頭の短い案内を英語にしたい。でも、自然な英語かどうかだけで判断するのは難しい。そんなときは、翻訳の上手さより先に「日本語にない約束が増えていないか」を確かめます。
今回は架空の雑貨店の案内3文で練習します。実店舗の規約や翻訳の認証例ではありません。ChatGPTなどの会話型AIを下書きに使う、編集上の提案です。
■ まず日本語の条件を固定する
S01:この見本は店内でご覧ください。
S02:袋が必要な方は、会計時にお知らせください。
S03:取り寄せできるかは、スタッフにご確認ください。
S02には袋の価格が書かれていません。S03も取り寄せを約束していません。短い文でも、この「書かれていないこと」を残すのが大切です。
日本語そのものがあいまいなら、翻訳前に店の担当者へ確認します。AIに都合のよい店のルールを作ってもらう場面ではありません。
■ コピーして試す指示文
次の指示にS01〜S03を続けます。
「架空の雑貨店の案内を、短く分かりやすい英語の下書きにしてください。ID/元の日本語/英語案/英語案を日本語に戻した文/確認すべき条件、の順に出してください。価格、無料かどうか、在庫、納期、取り寄せの可否、店外への持ち出し可否を推測で足さないでください。あいまいな点は質問にし、原文を消さないでください。掲載やお客様への送信はしません。」
原文と英語を対応させると、どの一文を直すかが追いやすくなります。全文を一度にきれいにしようとせず、まず3文だけ試します。
■ 確認用の英語案
S01:Please view this sample inside the store.
S02:If you need a bag, please let us know at checkout.
S03:Please ask a staff member whether this item can be ordered.
これは本記事の練習用の案です。実際の売場で意味が通じるか、どの品を指すかは別途確認します。S03は対象の商品が近くにある想定なので、掲示場所によっては商品名の明記が必要です。
見直すときは次の3点を確認します。
・S01は、見本を見る場所が店内だと伝わるか。
・S02は、会計時に袋を希望することを伝える案内か。「無料」と追加されていないか。
・S03は、取り寄せできるかを尋ねる案内か。「必ず取り寄せできます」「翌日届きます」に変わっていないか。
例えばS02に「free bag」が入れば、元の文にない無料の約束を足しています。S03が「We can order any item」なら、どの商品も取り寄せできるという範囲の拡大があります。このような差を、自然さの採点より先に直します。
■ 日本語に戻しても、正確さの保証にはならない
英語案を日本語に戻すと、増えた条件に気づく手がかりになります。ただし同じAIが元の誤りを繰り返したり、戻すときだけ意味を整えたりする可能性があります。逆翻訳が一致したから、そのまま掲示してよいとは判断しません。
実際に掲示する場合は、英語を確認できる担当者が原文と比べます。料金、返品、契約、健康や安全に関わる案内は、短い練習文より慎重な確認が必要です。この3文だけで専門的な翻訳確認を置き換えないでください。
■ 小さい試行の記録を残す
最初は印刷・掲示せず、3文の原文と案を横に並べます。「条件の追加」「意味の欠落」「指す物が不明」の3欄で直した箇所を記録し、人の確認にかかった時間も測ります。
店内で認められた公開案内だけを使い、お客様の氏名、連絡先、予約内容は入れません。原文を変更したら英語も見直し、確認した人と日付を残します。目標は英語を大量に作ることより、一つの案内を自分たちで説明できる状態にすることです。
■ 参考にした公式資料
OpenAIの公式資料では、依頼の条件を具体的に伝えて回答を見直すこと、重要な情報を確かめることが案内されています。本記事の3文、英語案、確認方法は独自の練習例で、公式の翻訳品質保証手順ではありません。
https://help.openai.com/en/articles/10032626-prompt-engineering-best-practices-for-chatgpt
https://help.openai.com/en/articles/8313428-does-chatgpt-tell-the-truth
確認日:2026年10月31日。
