はじめに
塾講師として8年間、人に教える仕事をしてきました。
「説明には自信がある。だから営業もきっとできる。」
そう思って営業に転職しましたが、最初の数週間で見事に折れました。説明しているのに契約にならない。むしろ説明するほど、お客様の反応が薄くなっていく。
その後、店長や先輩に教わりながら少しずつ立て直していく中で、いくつかの気づきがありました。今日はそれを、Tipsとしてまとめておきます。
Tips① 「説明の分かりやすさ」より「お客様の表情」を見る
営業を始めたばかりの頃、私は説明の中身ばかりに意識が向いていました。分かりやすい言葉を選ぶ、順序立てて話す。それ自体は間違いではないのですが、肝心の「お客様が今どう感じているか」を見ていませんでした。
店長に言われて初めて気づいたのですが、うなずいているように見えても、それが「納得」なのか「早く終わってほしい」のかは、表情や間の取り方で全然違います。
説明を進める前に、まず相手の反応を確認する。これだけで、その後の話し方が変わってきます。
Tips② 商談が終わったら、その場ですぐ振り返る
振り返りは、時間が経つほど記憶が薄れて精度が落ちます。
私が実際にやったのは、商談が終わった直後に「お客様の表情が変わった瞬間はどこだったか」「反応が薄くなったのはどの説明のときか」を、その場でメモすることでした。
翌日にまとめてやろうとすると、細かいニュアンスはほとんど覚えていません。振り返りは「その日のうち」が基本だと感じています。
Tips③ 自分の癖は、自分では気づけない
商談の様子を店長に見てもらうようになって分かったのですが、無意識に早口になっている場面や、同じ説明を繰り返してしまう癖など、自分では気づけない部分が意外と多くありました。
一人で振り返るだけでは限界があります。信頼できる上司や先輩に、実際の商談を見てもらう、あるいは話す機会を作ってもらう。これが遠回りに見えて、一番早い改善方法でした。
Tips④ できる人を見るときは「話す量」より「聞く中身」に注目する
成績のいい先輩に話を聞きに行ったとき、最初は「何を話しているか」を知りたくて質問していました。でも実際に違いが大きかったのは、話す量ではなく、質問の中身でした。
何を聞いているか。逆に、何をあえて聞いていないか。ここに、その人がお客様の何を大事にしているかが表れます。観察するなら、話し方よりもまず質問の内容に注目してみてください。
Tips⑤ 営業は「説明する仕事」ではなく「知る仕事」だと捉え直す
一番大きな気づきはこれでした。
お客様が何に困っているのか、何を大事にしていて、何は妥協できるのか。それが分からないまま説明を重ねても、お客様にとっては聞きたくもない情報が続くだけです。
だから大事なのは、説明の巧さではなく質問でした。お客様を知るための質問を重ね、その答えを踏まえて初めて、響く説明ができるようになります。
おわりに
派手なテクニックではなく、振り返る・聞く・直すの繰り返しでした。私は今でもこれを毎日続けています。
もし今、「思っていた営業と違う」と感じているなら、きっと大丈夫です。私もそこから始まりました。
