📒古物商が毎日残す仕入れ記録7項目と利益管理の実務手順
無在庫・Base・家電・古着せどりマスター
中古品は、安く買って高く売れば終わりではありません。古物商には、一定の取引について本人確認と帳簿への記録が求められます。
しかも、記録を後回しにすると、数日後には「誰から買ったか」「傷は仕入れ時からあったか」「送料を引いて利益が残るか」が分からなくなります。
この記事では、2026年8月時点のルールを前提に、古物商が仕入れのたびに残したい情報と、記録を利益につなげる方法を整理します。
🧾 仕入れ当日に残す7項目
古物営業法第16条(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108/20240401_505AC0000000063)では、取引年月日、品目・数量、特徴、相手方の情報、本人確認方法などの記録が定められています。
実務では、次の7項目を一つの仕入れ記録にまとめると管理しやすくなります。
・📅 取引日
注文日ではなく、古物を受け取った日が分かる形にします。注文日、決済日、受取日が異なる場合は、3つとも残しておくと照合が簡単です。
・📦 品目と数量
「家電1点」ではなく、「家庭用ゲーム機コントローラー1点」のように書きます。同じ商品を3点買った場合も、数量を省略しません。
・🔎 商品の特徴
メーカー、型番、色、製造番号、傷、欠品、刻印、付属品を記録します。型番・状態・付属品は、商品を特定すると同時に、利益を左右する定番項目です。
・👤 売主の情報
記録義務のある仕入れでは、住所、氏名、職業、年齢を残します。法人との取引では、法人名だけで処理せず、取引形態に応じた確認が必要です。
・🪪 本人確認の区分と方法
対面で運転免許証を確認した、署名付き書面を受け取った、法令上認められた非対面確認を行った、といった方法を記録します。証明書番号を残す運用にする場合は、個人情報の保管範囲も決めておきます。
・💴 取引総額と原価
金額は法定記載事項の判断だけでなく、利益管理にも必要です。商品代、送料、振込手数料、補修費を分けて残します。
・🔗 在庫IDと証拠の保存先
例として「20260816-001」のような在庫IDを付け、領収書、取引画面、商品写真、本人確認記録の保存先をひも付けます。
「黒いカメラ」だけでは、同型の商品が増えたときに区別できません。「Canon EF50mm F1.8 STM、製造番号123456、レンズ前枠に擦れ、前後キャップあり」まで書けば、返品時にも仕入れ時の状態を確認できます。
⚖️ 1万円基準と対象品を先に判定する
買受けの対価総額が1万円未満なら、本人確認と帳簿記載は原則として免除されます。ただし、商品1点ごとの価格ではなく、同じ取引における総額で判断します。
たとえば、同じ売主から6,000円の商品を2点まとめて買えば、総額は12,000円です。1点ずつが1万円未満でも、少額取引として処理しないようにします。
・✅ 総額1万円以上
原則として、すべての品目で本人確認と帳簿記載が必要です。
・🚨 総額1万円未満でも対象になる品目
自動二輪車・原付の一定範囲、家庭用ゲームソフト、CD・DVDなどの光学式記録媒体、書籍に加え、2025年10月1日から室外機、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチングも対象になりました。追加品目は警視庁の改正案内(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/kobutsu_sekoukisoku.html)で確認できます。
仕入れ前に「総額」と「品目」の2段階で判定すると、記録漏れを防げます。利益商品を見つけても、売主情報を取得できない、本人確認方法が整っていない場合は仕入れを止める判断も必要です。
フリマアプリやネットオークションでは、本人確認書類のコピーを受け取るだけでは、非対面取引の確認を終えたことになりません。住所への到達確認、本人名義口座への振込みなど、認められた方法を組み合わせます。詳しい方法は警視庁の非対面取引案内(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/hitaimen.html)で確認できます。
💰 記録を利益判断に変える
古物台帳と利益表を別々に作ると、同じ商品を二重入力することになります。在庫IDを共通にして、法令対応の記録へ次の数字を追加しましょう。
利益は、次の式で計算します。
利益=想定売価-仕入価格-販売手数料-送料-補修費
仕入れ上限は、目標利益から逆算します。
仕入れ上限=想定売価-販売手数料-送料-補修費-目標利益
たとえば、次の3件を仕入れたとします。
・📈 ゲーム機コントローラー
仕入価格2,800円、想定売価6,980円、販売手数料698円、送料750円、清掃費300円。想定利益は2,432円、売価に対する利益率は34.8%です。
・📉 ブランドバッグ
仕入価格12,000円、想定売価22,800円、販売手数料2,280円、送料850円、補修費500円。想定利益は7,170円、利益率は31.4%です。
・カメラレンズ
仕入価格18,000円、想定売価28,500円、販売手数料2,850円、送料900円。想定利益は6,750円、利益率は23.7%です。
利益額だけならブランドバッグ、資金効率ならコントローラーが有利です。ここで見るべきなのは出品中の価格ではなく、実際に売れた価格と回転です。
直近30日で12件売れて出品が8件なら、早く売れる可能性があります。反対に、90日で3件しか売れておらず、出品が40件ある商品は値下げ競争を想定します。
相場差があり、回転も速い商品を探すには、売れた件数、出品数、平均販売日数まで仕入れ記録へ追加するのが有効です。
🪜 1件5分で終える記録手順
仕入れ後にまとめて処理するのではなく、商品を受け取った時点で次の順番に記録します。
1. 在庫IDを発行する
日付と連番を組み合わせ、商品写真、台帳、利益表で同じ番号を使います。
2. 商品を撮影する
全体、型番、製造番号、傷、欠品部分を撮ります。傷の写真は返品対応にも使えます。
3. 総額と品目を判定する
1万円以上か、少額でも本人確認と記録が必要な品目かを確認します。
4. 売主情報と確認方法を入力する
必要な4属性と、本人確認で実施した方法をその場で記録します。
5. 利益計算と証拠の保存を行う
仕入価格、手数料、送料、補修費、想定売価を入力し、領収書や取引画面を在庫IDにひも付けます。
この順番なら、商品撮影と台帳入力を分ける必要がありません。1件5分、10件なら50分を目安にし、入力が終わるまで出品しないルールにすると抜けを減らせます。
⚠️ 失敗を防ぐ週1回の見直し
よくある失敗は、領収書だけ保存して安心することです。領収書に品目や金額があっても、商品の特徴、売主の年齢・職業、本人確認方法まで記載されているとは限りません。
また、製造番号を撮らずに同型商品を複数仕入れると、どの売主から受け取った商品か追跡できなくなります。傷や欠品の記録がなければ、返品された商品が販売時と同じ状態かも判断できません。
週1回、次の6項目を各1点で集計します。
・🧩 取引日と在庫IDがある
・品目、数量、特徴が書かれている
・売主情報が必要な取引を判定できている
・本人確認の方法が記録されている
・取引総額と利益計算が一致している
・🗂️ 領収書、取引画面、写真へアクセスできる
6点なら完了、5点以下なら出品前に修正します。月末に未入力を探すより、毎週10分の確認で止める方が簡単です。
帳簿や電磁的記録は、原則として3年間保存し、営業所で直ちに表示できる状態にします。正式な様式と特徴欄の記載例は警視庁の帳簿様式(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/youshiki/chobo_yoshiki.html)で確認できます。
地域の条例、取扱品目、取引方法によって追加確認が必要になることがあります。判断に迷う仕入れは、取引前に営業所を管轄する警察署の古物担当へ確認してください。
