📦古物市場の仕入れ山を当日中に利益棚卸しする実務5工程
無在庫・Base・家電・古着せどりマスター
古物市場で山仕入れをした日は、落札できた安心感から作業を翌日に回しがちです。しかし、商品名も原価も曖昧なまま積み上げると、売れる商品まで長期在庫になります。
大切なのは、帰宅後すぐに出品することではありません。📦 まず「何があり、いくらで売れ、どれだけ利益が残りそうか」を当日中に確定させます。
ここでいう利益棚卸しとは、商品ごとに仕入れ原価を割り振り、想定売価、販売手数料、送料、作業費、処分リスクまで記録する作業です。目標は、仕入れた山を5時間以内に「すぐ売る」「手入れして売る」「部品取り・処分」の3つへ分けることです。
🔍 仕入れ前は商品名より出口を確認する
山仕入れでは、目立つ商品だけを見て入札すると失敗します。見るべきなのは最高売価ではなく、山全体を現金化できる出口です。
仕入れ前に、最低でも次の5項目を確認します。
・🧾 主力商品の直近売価と売り切れ件数
・付属品の欠品、型番、製造年、破損の有無
・ジャンクでも部品単位で需要があるか
・梱包後のサイズと想定送料
・売れ残った場合の買取店、業者販売、処分先
相場確認では、出品価格ではなく売り切れ価格を使います。1万円で出品されていても、実際の成約が6,000円なら想定売価は6,000円以下で置くべきです。
📱 判断するときは、山の中から利益を作る主力商品を3点、仕入れ代を回収する定番商品を5点、売れ残る可能性がある商品を数点抜き出します。
たとえば主力3点の想定売価が合計3万円、定番5点が合計2万円、残りが合計1万円なら、山全体の想定売上は6万円です。手数料、送料、欠品リスクとして売上の35%を引くと、残るのは3万9,000円。ここから目標利益1万5,000円を確保するなら、仕入れ上限は2万4,000円です。
「高そうな物が入っている」だけでは入札理由になりません。 主力商品が不動品だった場合でも赤字にならない価格を、仕入れ上限にします。
⏱ 搬入後5時間で終える仕分け工程
帰宅後は、商品を一つずつ丁寧に調べ始めないことが重要です。最初に全体を把握し、調査時間をかける商品を選びます。
1. 0〜30分:荷下ろしし、山全体を1枚の写真に残す
2. 30〜60分:商品数を数え、仮番号と仮原価を付ける
3. 60〜150分:通電、破損、欠品だけを短時間で確認する
4. 150〜210分:想定売価、送料、販売先を記録する
5. 210〜300分:3つの販売レーンへ移動し、翌日の作業を決める
仮番号は「市場日-箱番号-商品番号」の形にします。8月15日に仕入れた2箱目の3商品目なら「0815-02-03」です。商品、写真、管理メモが同じ番号でつながるため、後から原価が分からなくなる事故を防げます。
🧤 動作確認は1商品5分を上限にします。5分で原因が分からない物は、その場で分解せず「要検品」へ移動します。全体の利益が見えない段階で、1台の修理に30分使うのは非効率です。
🏷️ 山の仕入れ額は、商品数で均等に割りません。想定売価の比率で配分します。想定売価2万円の商品と2,000円の商品へ同じ原価を付けると、低単価品が赤字に見え、主力商品の利益を過大評価してしまいます。
💰 商品別ではなく山全体でも利益を見る
利益棚卸しでは、次の式を商品ごとに計算します。
想定利益 = 想定売価 − 配分原価 − 販売手数料 − 送料 − 資材費 − 修理・処分見込み
ある日の山を4万6,000円で仕入れ、32点に分けたとします。想定売上は11万2,000円、販売手数料は1万1,200円、送料は1万9,000円、資材費は2,500円。不動品や値下げによる損失を6,000円見込むと、想定利益は2万7,300円、利益率は約24.4%です。
内訳の一部は次のようになりました。
・🛠️ マキタ工具セット:配分原価8,000円、売価1万5,800円、手数料1,580円、送料1,050円、清掃費300円、利益4,870円
・🎮 ゲームコントローラー10個:配分原価6,000円、動作品とジャンクの合計売価1万5,000円、手数料1,500円、送料1,500円、補修費600円、利益5,400円
・🍳 小型調理家電セット:配分原価5,000円、売価1万500円、手数料1,050円、送料2,100円、処分見込み600円、利益1,750円
この3組だけを見ると工具やゲーム機器の利益が大きく、調理家電は送料負担が重いと分かります。次回からは、同じ調理家電でも店頭受け取りや地域販売へ回せる物だけを仕入れる判断ができます。
高利益商品は単品販売だけでなく、付属品の分離やセット組み替えでも作れます。 本体、充電器、ケースを分けたほうが合計売価が上がる場合は、手数料と送料の増加分を引いて比較します。
📦 利益と作業時間で3レーンに分ける
利益額だけで優先順位を決めると、手間のかかる商品に時間を奪われます。想定利益と出品までの時間を組み合わせて、次の3レーンに仕分けます。
・🚀 即出品:清掃10分以内、利益3,000円以上、相場確認済み
・🧹 手入れ後に出品:清掃や付属品確認が必要だが、利益1,500円以上
・🔧 部品取り・業者販売:修理に30分以上かかる、送料が売価の30%を超える、利益1,000円未満
型番が明確で需要が安定している定番品は、利益額が少し低くても早めに出品します。資金回収が速く、保管場所を空けられるからです。
32点を集計した結果、即出品が6点、手入れ後が9点、部品取り・業者販売が5点、追加調査が必要な物が12点だったとします。この場合、翌朝は即出品6点から着手します。追加調査12点を先に触る必要はありません。
追加調査品には「調べること」を一つだけ書きます。「型番不明」ではなく「底面ラベルから型番確認」、「動作未確認」ではなく「ACアダプター接続後に起動確認」と記録すると、翌日の作業が止まりません。
⚠️ 赤字を防ぐ当日終了時の確認
山仕入れで最も多い失敗は、売れないことではなく、原価と作業状況が分からなくなることです。当日の終了条件を決めておけば、未出品在庫が増えても管理不能にはなりません。
終了前に、次の項目を確認します。
・全商品に仮番号と配分原価が付いている
・販売先と想定売価が決まっている
・送料を梱包後のサイズで見積もっている
・欠品、不動、傷を写真で残している
・明日出品する順番が決まっている
・山全体の想定利益と赤字条件が分かっている
注意したいのは、まだ売れていない想定利益を確定利益として扱わないことです。相場下落、返品、追加送料に備え、想定利益から10〜15%の安全枠を引いて判断します。
また、低単価品をすべてネット出品すると、撮影、説明文、梱包だけで利益が消えます。利益1,000円未満の商品は、同カテゴリでまとめ売りする、店頭買取へ持ち込む、次回の業者市へ戻すなど、作業時間を増やさない出口を選びます。
✅ 当日中に必要なのは、全商品を出品することではありません。「何から売れば仕入れ代を早く回収できるか」「どの商品が利益を押し上げるか」「どこで損切りするか」を決めることです。
仕入れた山を床から棚へ移すだけでは、在庫は整理されません。数字と販売先が決まって初めて、利益を生む在庫になります。
