【悲報】2028年から仮想通貨の現物とデリバティブが損益通算不可に?収支ゼロでも数百万円課税の恐れ

LUCIAN

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本記事は、2025年12月に公表された「令和8年度税制改正大綱」に基づく専門家の見解を基に作成しています。最終的な税務判断は、税理士などの専門家にご相談ください。

Xで話題騒然、税制改正の「落とし穴」

2025年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」。仮想通貨の税金が最大55%の総合課税から、株やFXと同じ約20%の申告分離課税になるというニュースは、多くの投資家に歓迎されました。

しかし、その直後からX(旧Twitter)上では、この改正に潜む重大な問題点を指摘する声が相次いでいます。

その問題とは、「現物取引とデリバティブ取引の損益が通算できなくなる」というもの。一見すると細かい話に聞こえますが、これが実は「収支ゼロなのに数百万円の税金を請求される」という悪夢のような事態を引き起こす可能性があるのです。

この記事では、Xで話題となっているこの問題について、分かりやすく整理してお伝えします。

何が起きているのか?所得区分の「細分化」

今回の税制改正で最も注意すべき点は、「所得区分の細分化」です。

これまでは、仮想通貨の利益も損失も、基本的にすべて「雑所得」として一括で計算できました。現物で儲けてデリバティブで損しても、同じ「雑所得」の中で相殺できたわけです。

ところが2028年からは、取引の種類によって所得が別々の「箱」に分けられ、異なる箱同士では損益通算ができなくなります。

取引場所取引種類所得区分(改正後)課税方式
国内取引所現物取引譲渡所得分離課税 (約20%)
国内取引所デリバティブ先物に係る雑所得分離課税 (約20%)
海外取引所・DEX現物取引譲渡所得総合課税 (最大55%)
海外取引所・DEXデリバティブ雑所得総合課税 (最大55%)

ポイントは、「現物」は譲渡所得、「デリバティブ」は雑所得という別区分になること。国内だろうが海外だろうが、この区分の壁は越えられません。

具体例:収支ゼロなのに430万円課税?

この問題がどれほど深刻か、具体的な数字で見てみましょう。

【シミュレーション】
2028年、あなたは海外取引所で以下の取引を行いました。

  • 現物取引で +1,000万円 の利益
  • デリバティブ取引で -1,000万円 の損失
  • 年末にウォレットを確認すると、残高は年初と変わらず。

「今年はプラマイゼロだったな」と思い、確定申告はしませんでした。

2027年まで(現行制度)の場合

現物もデリバティブも「雑所得」。利益と損失を相殺して所得は0円。申告不要、納税額も0円。何も問題ありません。

2028年から(新制度)の場合

  • 現物の利益1,000万円 → 譲渡所得
  • デリバティブの損失1,000万円 → 雑所得

所得区分が違うので相殺できません。

税務署から見ると、あなたは「1,000万円の譲渡所得がある人」です。総合課税で他の所得と合算され、課税所得が900万円を超えていれば約43%の税率が適用されます。

結果:約430万円の納税義務が発生

経済的な収支はゼロなのに、430万円の税金。しかも申告していなければ、後から延滞税や加算税を含めた追徴課税を受けることになります。

海外取引所・DEXユーザーは特に注意

この問題は、海外取引所やDEXを使っている人ほど深刻です。

国内取引所であれば、現物もデリバティブも「分離課税」という同じ枠内なので、まだ影響は限定的です(それでも所得区分は別なので通算はできませんが)。

一方、海外取引所やDEXの場合:

  • 分離課税の恩恵を受けられず、最大55%の総合課税のまま
  • 現物とデリバティブの損益通算も不可
  • 50万円の特別控除や長期保有の優遇も適用なし

つまり、高い税率 + 損益通算不可という二重苦を背負うことになります。

「ショートでヘッジ」戦略が税務上無効化

Xでは、この問題がヘッジ戦略を完全に破壊するという指摘も多く見られます。

例えば、BTCを現物で長期保有しつつ、下落リスクに備えてショート(デリバティブ)を建てるのは、よくある戦略です。

  • 価格が上がれば → 現物の利益(譲渡所得)とショートの損失(雑所得)
  • 価格が下がれば → 現物の含み損とショートの利益(雑所得)

経済的にはリスクヘッジできていても、税務上は別区分なので相殺できない。ヘッジしているのに、税金だけは両方から取られる可能性があるわけです。

今から知っておくべき3つのこと

2028年の施行まで時間はありますが、今から以下の点を意識しておくことが重要です。

1. 「現物」と「デリバティブ」は完全に別物と認識する

同じ仮想通貨の取引でも、税務上は全く別のカテゴリになります。「合計でプラマイゼロだから大丈夫」という考えは、2028年以降は通用しません。

2. 取引種類ごとの損益を正確に記録する

どの取引が現物で、どれがデリバティブなのか、明確に分けて管理する必要があります。年末に慌てて計算しようとしても、履歴が混在していると正確な申告ができません。

3. 年末の残高だけで判断しない

ウォレットの残高が変わっていなくても、内訳次第では多額の課税対象になり得ます。必ず年間の取引履歴を振り返り、所得区分ごとの損益を把握する習慣をつけましょう。

まとめ

「仮想通貨が分離課税20%になる」という表面的なニュースだけを見ていると、この落とし穴には気づけないですよね。

  • 現物とデリバティブは損益通算不可
  • 収支ゼロでも数百万円の課税リスク
  • 海外取引所・DEXユーザーは特に注意
  • ヘッジ戦略が税務上機能しなくなる

2028年はまだ遠いことですが、今後の動向を注視していくべき事案です。


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この記事のライター

LUCIAN

クリプトコンテンツクリエイター。Xではフォロワー98,000人を超え、Web3ゲーム、NFT、DeFi領域を中心に情報発信を行う。2023年に、オープン参加型コミュニティ「OtakuLabs」を共同創設。以降、週1回ペースでAMA(質問会)を主催し、年間40〜50件にわたり、国内外のWeb3プロジェクトとユーザーをつなぐ場を提供。 Web3以前は、信託銀行の資産運用部門やiOSアプリ開発者としての実務経験に加え、様々なゲームでのギルド運営などにも携わる。「金融 × テック × ゲーム」のバックグラウンドを活かし、現在は複数のWeb3企業にてアドバイザーや壁打ち役としても活動中。

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