モラルハラッシメント(モラハラ)は、精神的な虐待の一形態であり、被害者に対して感情的な苦痛や心理的なダメージを与えることがあります。モラハラを行う人が謝らない理由について、心理学的な観点からいくつかの側面で考えられますので説明します。
- 自己防衛機制: 自分を守るための自己防衛機制が関与しています。謝ることは自分の過ちを認めることに繋がり、それが不安や恐怖を引き起こす可能性があります。そのため、自分を守るためには、相手に対して謝ることを避ける選択をされるのです。
- 支配欲求: 相手に謝らせることは、相手を従属させ、自分の力や支配力を強調する手段となり得ます。謝ることを拒むことで、支配のポジションを維持しようとする心理的な要因が考えられます。
- 感情の否認: モラハラを行う人が謝らない理由には、感情の否認が関与しているかもしれません。自分の感情や行動に対しての責任を取ることは難しく、その代わりに相手を責めることで自分の不安や自己嫌悪を避けようとする可能性があります。
- 権力関係の維持: 謝ることは、権力関係の変化を意味することがあります。自らの支配的なポジションを保ち、相手を弱めようとする意図があるかもしれません。謝ることで弱さを示すことを避け、権力関係を堅持しようとする心理的な要因が考えられます。
被害者の苦悩の増幅: 謝ってほしいという期待が増えるほど、『謝らない』というモラハラ行為だけで、被害者の苦悩が増幅される可能性があり、モラハラナルシストにとっては好都合なのです。謝罪がないまま状況が続くことは、被害者の心理的なダメージを深め、回復を難しくする要因となります。相手が傷ついていることを理解しながらも謝らない行動は、感情的な虐待の一形態と見なされます。被害者に対して故意に精神的な苦痛を与え、その影響を理解しつつ謝らないことは、被害者を不安や痛みに晒す行為です。
よく、”傷ついたことをきちんと説明してわかってもらう”などの対処法がネットなどにも挙げられていますが、ハッキリ言ってそんなことをしても無駄ですよね。モラハラの被害者が自分の感情を伝えても理解されず、逆に「こんなことで傷つくお前がおかしい」など追い打ちをかけられる経験は非常に多いのではないでしょうか。
そんなモラハラを行う人でも、謝ってくることもあります。それは、自分が謝罪した方が優位に立つ時です。これは、周囲の評価を気にしている、あるいは自分の都合を優先させるためなど、さまざまな動機が影響していると思われます。
このような謝罪が一時的なものである場合、被害者がそれに騙されず、注意深く状況を見極めることが重要です。モラハラ行為が継続している場合、ただ謝罪があったからといって問題が解決されたわけではなく、根本的な問題は残ります。定期的な謝罪が繰り返される場合は、その都度冷静に対処し、適切なサポートを受けることが重要です。
関係が安全でない場合や、相手の行動が不健康であると感じる場合は、真剣に検討するべきです。時には、自分の幸福と健康を最優先に考え、適切な決断をすることが重要です。自分を大切にし、自己ケアに努め、精神的な安定を維持してください。