FXを始めた頃の私は、できるだけ早く稼ぎたいと思っていました。
チャンスがあれば朝でも昼でも夜でもチャートを見る。
少し動けばエントリーして、負けたら次のチャンスを探す。
しかし、トレード回数を増やしているのに、資金はなかなか増えませんでした。
今になって思うのは、当時の私は「勝つこと」ばかり考えていて、「相場に残ること」を考えていなかったということです。
今回は、私が遠回りをしながら気づいた「早く稼ごうとするほど、かえって勝てなくなる理由」を整理してみました。
先に結論からお伝えします。
FXで早く結果を出したいなら、最初にやるべきことはトレードを増やすことではありません。
自分が負けやすい時間と行動を、先に減らすことです。
「早く稼ぎたい」が判断を狂わせる
私が今、1年後の利益額よりも重要だと考えているのは、まず1年後も相場に残っていることです。
これは、私自身の経験とも重なります。
早く稼ぎたいと思うほど、次のような行動が増えます。
- 初動に乗り遅れたくなくて飛び乗る
- 条件が揃う前にエントリーする
- 損切り後、すぐに取り返そうとする
- 動かない相場で無理にチャンスを探す
- もっと勝てる手法があると思い、ルールを変える
どれも「利益を増やそう」とした行動です。
ところが、実際には損失を増やす原因になります。
私の仲値トレードでも、負けやすいパターンはかなり明確です。
9時の初動に焦ってロングする。
9時30分より前に、上昇を期待して早く入りすぎる。
9時55分になったという理由だけで、上位足を確認せずショートする。
10時を過ぎても、もう一度取れる気がして再エントリーする。
つまり、負けの原因は手法が足りないことではありませんでした。
決めた時間まで待てなかったことです。
私が朝1時間だけに絞った理由
私がドル円の仲値トレードに絞っているのは、朝しか時間がないからだけではありません。
狙う時間を限定した方が、自分の判断を再現しやすいからです。
仲値トレードでは、日本時間9時55分に仲値が決まります。
この明確な時刻があるため、9時台の値動きを毎日記録していくと、どの時間に動きやすく、どの時間に失敗しやすいのかを比較できます。
私が基本としている流れは、次のとおりです。
- 9時20分頃までは、初動へ飛び乗らず様子を見る
- 9時30分前後から、条件が揃えばロングを探す
- 9時50分前後では、仲値に向けた上昇の決済を考える
- 仲値後のショートは、上昇の強さと上位足を確認して判断する
- 原則として10時頃までにトレードを終える
大切なのは、この時刻になったら必ず売買するという意味ではないことです。
時間は「エントリーの命令」ではなく、「チャートを見る方向を絞る基準」です。
例えば、9時30分になっても日足・4時間足・1時間足がすべて下目線なら、いつもの仲値前ロングには注意が必要です。
9時50分になっても複数時間足でローソク足が移動平均線より上にあり、上昇が明らかに強ければ、仲値後のショートを見送ります。
時間の優位性があっても、相場環境を無視してよいわけではありません。
生き残るために「入らない条件」を作る
勝つための条件を増やす人は多いですが、生き残るためには「入らない条件」の方が重要です。
私の場合は、時間だけでなく、次の条件を重ねます。
- 1時間足・4時間足などの上位足で大きな方向を確認する
- 移動平均線の位置や傾き、拡散・収束を見る
- 水平線やトレンドラインを一本ではなくゾーンとして捉える
- 下位足の反転パターンやストキャスティクスを確認する
- 日経平均、金利、他通貨などの動きも補助材料にする
全部の条件が毎回きれいに揃うわけではありません。
だからこそ、迷う日は見送ります。
野球で例えるなら、どんな球でも打ちにいく必要はありません。
自分が得意なコースへ来るまで待てばよいのです。
FXも同じです。
相場は毎日ありますが、自分が取るべき値動きが毎日あるとは限りません。
「生き残る」を仕組みに変えたのがEAだった
頭では、待つことや低リスク運用が大切だと分かっています。
それでも実際のチャートを前にすると、人はルールを破ります。
「もう少し待てば伸びるかもしれない」
「今の損失を次のトレードで取り返したい」
こうした感情を完全になくすのは難しいと思います。
そこで私は、裁量で実践してきた考え方をEAにも取り入れました。
例えば、私のEAでは次のような制限を重視しています。
- エントリーする方向と時間帯を限定する
- 上位足の方向とトレンドの強さを確認する
- レンジと判断した場面では入らない
- 口座残高に対するリスク率を固定する
- 決済後は一定時間、再エントリーしない
- 逆シグナルが出たら、予想に固執せず決済する
EAの価値は、24時間たくさん売買してくれることではありません。
自分では破ってしまうルールを、機械に守らせられることです。
これは、私が大切にしている「まず生き残る」という考え方を、実際の仕組みに変える方法の一つです。
1年後の目標を「利益額」だけにしない
もちろん、FXをする以上は利益を目指します。
ただし、最初から大きな金額だけを目標にすると、ロットと回数を増やす方向へ進みやすくなります。
そこで、利益額とは別に次の項目も記録してみてください。
- ルール外のエントリーは何回あったか
- 決めた時間まで待てたか
- 損切り後に再エントリーしなかったか
- 見送るべき日に見送れたか
- 負けた原因を言葉にして残したか
この記録が積み上がれば、負けは単なる嫌な出来事ではなく、改善に使えるデータになります。
私の仲値トレードも、最初から現在の形だったわけではありません。
毎朝同じ時間帯を観察し、記録し、失敗を振り返りながら少しずつルールを変えてきました。
相場に残っていなければ、この改善はできません。
まとめ
早く稼ぎたいと思うこと自体は、悪いことではありません。
私も同じ気持ちでした。
しかし、その焦りによって時間外のトレード、飛び乗り、損切り後の再エントリーが増えるなら、一度立ち止まる必要があります。
FXで最初に作るべきものは、派手な必勝法ではありません。
「この条件以外では入らない」
「この時間を過ぎたら終わる」
「1回の損失をこの範囲に抑える」
という、生き残るためのルールです。
利益を急ぐより、まずルールを守って相場に残る。
遠回りに見えますが、私はこれが一番の近道だと考えています。
