今回は、2024年度税制改正大綱についてお話しします。この改正では、法人の暗号資産に関する「期末時価評価課税」が対象外とされることが決まりました。
これまでは、法人が保有する第三者発行の暗号資産は、市場価値と帳簿価額の差額に基づいて期末に課税されていました。しかし、改正により、継続的な保有を前提とした場合は、この時価評価の適用がなくなることになります。
その結果、法人は暗号資産を売却して生じた利益に対してのみ課税されることになります。これは、個人投資家に対して既に適用されている税制と同様の扱いです。この改正により、法人の暗号資産の保有と運用における税負担が軽減されることが期待されています。
この改正は、一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が提出した要望書の一部を反映しています。改正を通じて、Web3推進やブロックチェーン技術を活用した国内起業や海外でのプロジェクト誘致が促進されることも期待されています。
なお、2024年度税制改正大綱には他にも様々な改正が盛り込まれています。例えば、所得税と住民税の減税や企業向けの減税措置、戦略分野やイノベーション税制の新設などが含まれています。
この改正案は来年1月の通常国会に提出され、衆議院と参議院の両院で承認される必要があります。
というわけで、税制改正により法人の暗号資産「期末時価評価課税」が対象外になることで、泣いて喜ぶ暗号資産関係者が増えることが期待されます。これからも税制改革に関する議論が進み、申告分離課税やその他の税制改正についての議論が盛んになることでしょう。