作るより、育てるほうが大変でした
2026年5月、プログラミングの経験がない私は、Claude Codeで自社の受発注ツールを作りました。完成まで4〜5日。始業から終業までに約100件かかってきていた電話は、約20件になりました。
ここまでは、YouTubeでお話ししました。動画をご覧になっていない方も、この記事だけでお読みいただけます。補助として、動画のリンクを置いておきます。
ただ、本当に大変だったのは、その先です。ツールは、作って終わりではありませんでした。
最初の更新から約5か月で、更新は98回(2026年10月13日時点)です。発注する側から「間違えて入力したのに消せない」と聞けば直し、締切りのあとにも注文が入ってくると気づけば締切りを作りました。ある朝には、注文用のQRコードが開かなくなりました。
この5か月で分かったのは、うまく頼むコツは特別な言葉ではない、ということです。私は毎回、ほぼ同じ型で頼んでいました。
この記事では、その7つの型を、私が実際にClaude Codeへ送った文面と一緒にお渡しします。うまくいったことだけでなく、失敗したこともそのまま書きます。
この記事で分かること:
- 最初の4日間と、その後5か月・98回の更新の中身
- Claude Codeへの頼み方7つの型(実際の指示文つき)
- 本番を壊さずに確認するやり方
- 失敗談:本番が止まった日と、気づいたら21個に増えていたコピー
- 店舗が50から200に増えるとき、AIに聞いて分かったこと
特典として、頼み方テンプレ集もお付けしています。実際の指示文を伏せ字にしたものと、そのまま使える空欄テンプレートです(記事の最後にあります)。
【先に結論だけ知りたい方へ(3行)】
- 最初は、作りたいものを一言で頼む。決め切れていなくていい。
- 作らせる前に「できますか?」と聞き、出てきた案から自分で選ぶ。
- 確認してから公開する。事故が起きたら、その場でルールにする。
【この記事に980円を払う価値について】
YouTubeでお伝えしたのは、「何が変わったか」です。この記事でお渡しするのは、「どう頼んで、どう直したか」です。動画と同じ内容を、文字にしたものではありません。
- 実際に送った指示文と、その結果どうなったか
- 失敗談と、そこで決めたルール
- そのまま使える特典(頼み方テンプレ集)

先にお伝えしておく、この記事の前提
信頼できる記事にするために、先に前提を書いておきます。
- 私は食品卸売会社の2代目社長で、従業員は8人です。プログラミングの経験はありません。会社名や取引先の名前は伏せます。
- 最初に頼んだ文面の記録は、残っていません。 作業が重くならないよう、会話の履歴をclearコマンドで消していたからです。覚えているのは、「受発注ツールを作りたい」と伝えて、プランモードで壁打ちをしながら固めたところまでです。ここは作り話で補いません。
- 記事に載せる指示文は、残っている2026年8月2日〜10月12日の記録から抜き出しました。会社名・店舗名・工場名・商品名は伏せ字にしています。
- 数字は、更新の履歴と、サービスの使用料の記録がもとです。2026年10月13日時点の内容です。
- 画面や機能は、今後変わる可能性があります。
- 言葉の使い方:注文を入れる店舗側を「発注側」、私たちの側を「受注側」と書きます。
この前提で、読み進めてください。
最初の4日間:一言で頼んで、壁打ちで固めた
頼んだのは「作りたいもの」だけ
作り始めのとき、私は細かい設計書を書いていません。覚えている範囲では、「受発注ツールを作りたい」と伝えただけです。
そこから、Claude Codeの「プランモード」で壁打ちをしました。プランモードは、いきなり作らせるのではなく、先に計画を出してもらい、相談しながら固めていく使い方です。
壁打ちの細かいやり取りは残っていません。ただ、その結果は、更新の履歴に残っています。
最初の更新は、5月17日の夜でした。20日までの4日間に入ったものを、履歴から拾うと次のとおりです。
- ログインと、スマホで開ける画面
- 発注の単位(シート、kg、本など)
- 複数の商品をまとめて注文する機能
- 納品希望日と、日本の祝日カレンダー
- 店舗ごとの商品マスタ(店舗ごとに、違う商品と単価を持てる)
- 単価の小数点以下2桁までの入力
- スマホのホーム画面に置ける形(PWA)
- 発注側から見られる、発注の履歴
5月18日は、朝8時過ぎから午後2時ごろまでに、7回更新しています。

ここで強調したいのは、「全部を決めてから作らせた」のではない、ということです。決められる部分から作ってもらい、画面を見て、次の更新を決める。これを繰り返しました。
全部には配らず、2〜3社で試した
できあがってからも、すぐに全部の取引先には配りませんでした。まず2〜3社にお願いして使ってもらい、出てきた意見をもとに直しました。これを何度か繰り返してから、1か月以内に、ほかの取引先へ広げています。
現場で使われて初めて見つかる不具合は、必ずあります。試す相手が少ないうちに見つけたほうが、傷が浅く済みます。

