私はAI技術には一定の評価をしているし、人間の手助けをする役割は十分にあると考えています。
しかし、「スキルなし！AIを活用した占いで稼げる！」といった情報商材も最近チラホラと見受けられるようになりました。実際その商材が売れているのか、またココナラのようなプラットフォームでAI鑑定が実施されているのかということは未確認であるものの、購入者からすればAI鑑定なのか占い師自身のスキルによる鑑定なのか区別はつきにくいですよね。
イラスト界隈では、SNSで無料公開されているイラストレーターの絵柄をデータとして取り込んで、倫理的に危ぶまれてるようなイラストが公開されていたり、販売プラットフォームで莫大な利益を得ていたりするようなことが実際に起こっていて、問題になっています。
占いでそれが可能なのだとしたら、タロット占いやオラクルカードなど、偶発性を伴う鑑定方法ならばカードのデータをあらかじめ取り込ませておけば、3枚引き程度の鑑定ならそれなりのものができてしまう可能性は否めません。
AIが取り込んでいる情報は、もしchatGBTであるならGoogleの海に漂う無数の公開されている個人のデータです。各占い師が対価を払って書籍を買い、教えを乞うて得た知識と自らの経験で培った鑑定スキルをAIが拾い上げているのです。
例えば自動計算によって算出する無料占いサイトが既に存在しますので、実用できるレベルなのかはさて置き、可能であるから情報商材として販売しようと考えるのでしょう。ただ、鑑定自体はできたとしても、やはり対価を支払うに値するかというと、個人的にはそうではないと考えます。仮に対価を支払ってもいいとしたとしても、「この鑑定はAIを利用しています」と明記すべきところまで来ていると思います。
占い師をオーディションする、あるいはデモ鑑定を実施しているようなプラットフォームではそこまで考えなくても良いかもしれませんが、誰でも登録できてしまうようなところだと尚更明記する必要性がこれから出てくるはずです。
AI技術は上手く活用すれば、人間の負担は減らせるけれども、今のような使い方では業界全体の質を落とす可能性のある未来の方が高いです。前回の記事でも申し上げたとおり、“足を引っ張る人々の方が割合として多い”のだから、マジメに取り組む人たちが損をする結果にしかならないわけですよ。
【2023/08/21追記】もう早速一例が出てきた↓
各プラットフォームも一刻も早く対応して欲しいと願います。
AIに食いつぶされないようにするには？
ですからタロットやオラクルカードしか鑑定する術がないのであれば、占星術や四柱推命などの専門的な知識を要する鑑定方法を学ぶしかないでしょう。知識としても上級レベルが求められます。
現時点ではAIはそこまで侵食できません。「ハードルが高いな…」と思っても、生き残りたいのであればそうするしかありません。どの業界でもそうですが、スキルなしでプロと同じレベルまでなんてAIを使ったとて到達できるわけがないです。人間が数百年かけて積み上げてきた集合知を舐めすぎです。
そんな浅はかな人間に食いつぶされても仕方ないと考えるのであれば、別に今のままでも問題はありませんが、「鑑定することが自分の生きがい」であったり「食いっぱぐれたくない」と思うのであれば、技術を磨くしかやることがないですよね。
残念なことではありますが、現状を他人事だと放置していると後で後悔するのは私たち占い師・鑑定士なのです。
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