「もう、この仕事辞めたいな……」
そう思って転職サイトを開く。
求人をいくつか眺めて、
「こっちの会社のほうがいいかも」
なんて考える。
でも、
応募ボタンを押すところまでは
いかない。
しばらく眺めたあと、
そっと画面を閉じる。
なぜなら、
頭の中でもう一人の自分が、
こんなことを言ってくるからです。
「でも、転職するほどの理由なの?」
「別にパワハラされてる
わけでもないよね」
「給料だってちゃんともらえてる」
「もっと大変な環境で
働いている人もいる」
「みんな嫌なことくらい
我慢して働いてるよ」
「ここで辞めたら、
次の会社でも続かないんじゃない?」
そして最後には、
「仕事が合わないくらいで辞めたいなんて、ただの甘えなのかも」
という結論に戻ってしまう。
だから、
また次の日も会社へ行く。
仕事が始まれば、
普通に振る舞う。
頼まれた仕事もこなすし、
同僚と話すときには笑う。
周りから見れば、
たぶん普通に働いている人です。
でも、
自分の中ではずっと、
小さな違和感が消えない。
「なんか違う」
「ここにずっといる
イメージができない」
「この仕事をあと5年、
10年続けるのかな……」
そんなことを考えると、
急に気持ちが重くなる。
日曜日の夕方になると、
「ああ、また明日から仕事か」
と憂うつになる。
朝起きて、
会社へ行く準備をしながら、
「今日、休みたいな」
と思う。
それでも、
熱があるわけじゃない。
体が動かないわけでもない。
だから会社へ行く。
そして、
そんな自分にまた思うんです。
「結局、私が弱いだけなのかな」
転職したい。
でも、
転職して後悔するのも怖い。
今より悪い会社だったら
どうしよう。
そもそも、
自分に合う仕事なんて
あるんだろうか。
今の会社ですら
うまくやれないのに、
別の会社に行ったところで
同じなんじゃないか。
そんな不安があるから、
辞めることもできない。
でも、
このまま続けるのもしんどい。
「辞めたい」と「辞めちゃダメ」の間で、ずっと止まっている。

もし今、
あなたがそんな状態なら、
ひとつだけ考えてみてほしいことが
あります。
それは、
仕事が合わない原因を、
全部あなた自身の中に
探さなくてもいい、
ということです。
仕事がつらいと、
私たちはすぐに、
「自分の能力が足りない」
「忍耐力がない」
「社会人として未熟」
と考えてしまいます。
でも、
本当にそうでしょうか。
もしかすると、
あなたに能力がないのではなく、
今の環境では、その能力をうまく使えていないだけかもしれません。
「仕事が合わない」という感覚は、
必ずしも甘えではありません。
そして、
転職するか残るかを考える前に、
一度知ってほしい視点があります。
それが、
「自分がダメなのか?」ではなく、「自分と今の環境は合っているのか?」と考えてみること。
今日は、
「仕事が合わない。でも、
辞めたいなんて甘えかもしれない」
そう思って我慢している人に向けて、
少しだけ違う角度から、
今の仕事について
考えてみたいと思います。
「仕事が合わない」と思うたび、自分を責めていませんか?
仕事を辞めたいと思ったとき、
真っ先に自分を責めてしまう人は
少なくありません。
「自分の忍耐力がないから」
「コミュニケーション能力が
低いから」
「仕事ができないから」
「社会人として未熟だから」
原因を全部、
自分の中から探そうとします。
もちろん、
自分自身を振り返ることが
必要な場面もあります。
仕事をする以上、
覚えなければいけないことも
ありますし、
苦手なことに
取り組まなければいけないことも
あるでしょう。
でも、
何でもかんでも、
「自分の努力不足」
で片づけてしまう必要は
ありません。
「周りはできている」が、自分を苦しめる
たとえば、
同僚は普通に働いている。
上司も同じ環境で
何年も働いている。
友達に相談したら、
「仕事なんてそんなものだよ」
と言われた。
そうすると、
「やっぱり自分がおかしいのかな」
と思ってしまいますよね。
でも、
同じ環境にいるからといって、
全員が同じように
感じるわけではありません。
人によって、
得意なことも違えば、
苦手なことも違います。
人との距離感も違います。
変化を好む人もいれば、
毎日同じ流れで働くことに
安心する人もいます。
誰かと話しながら
仕事をすることで
元気になる人もいれば、
一人で集中できる環境のほうが
力を発揮できる人もいます。
細かくルールが
決められているほうが
安心できる人もいれば、
ある程度自由に
任せてもらったほうが
動きやすい人もいる。
つまり、
同じ職場でも「合う・合わない」は人によって違うのです。
周りが普通に働けていることは、
あなたも同じ環境に
適応できなければいけない理由には
なりません。
「もっと頑張れば何とかなる」が苦しさを長引かせることもある
仕事がうまくいかない。
↓
もっと頑張る。
↓
それでもつらい。
↓
「まだ努力が足りない」と思う。
↓
さらに頑張る。
この繰り返しに入ってしまうと、
どんどん苦しくなってしまいます。
特に真面目な人ほど、
「辞める」
より先に、
「自分を変える」
を選びがちです。
もっと効率よく
仕事ができるようになろう。
もっと人とうまく
話せるようになろう。
もっと気にしない性格になろう。
もっと我慢できるようになろう。
もちろん、
それで状況が
良くなることもあります。
でも、
そもそも環境との相性が
悪かったらどうでしょうか。
ずっと自分を変え続けなければ、
その場所にいられない。
毎日無理をして、
本来の自分とは違う振る舞いを
しなければならない。
それは、
努力が足りないというより、
努力し続けないと適応できない場所にいる

とも考えられます。
あなたがダメなのではなく、「場所が合っていない」可能性もあります
ここで、
少し仕事から離れて
考えてみましょう。
植物には、
それぞれ育ちやすい環境があります。
日当たりのいい場所で
元気に育つ植物もあれば、
強い日差しが
苦手な植物もあります。
たっぷり水が必要なものもあれば、
水を与えすぎると
弱ってしまうものもある。
もし、
日陰を好む植物を
強い日差しの下に置いて、
元気がなくなったとします。
その植物を見て、
「もっと頑張って光に耐えろ」
とは思わないですよね。
「この植物には、
この場所が合っていないのかも」
と考えるはずです。
人間も、
少し似ています。

同じ特徴でも、環境が変われば評価が変わる
たとえば、
あなたが「飽きっぽい人」
だったとします。
同じ作業を
毎日繰り返す仕事では、
「集中力が続かない」
「長続きしない」
という欠点に
見えるかもしれません。
でも、
新しい企画が次々に
立ち上がる環境だったら
どうでしょう。
新しいものへの興味。
変化への対応力。
フットワークの軽さ。
そういった部分が、
むしろ強みになる可能性があります。
「細かいことを気にしすぎる」
という人も同じです。
スピードだけを
求められる環境では、
「考えすぎ」
と言われるかもしれません。
一方で、
小さなミスが
大きな問題につながる仕事では、
細部まで確認できることが
強みになるかもしれない。
人の顔色が
気になってしまう人も、
環境によっては、
「気にしすぎ」
と苦しくなるでしょう。
でも、
相手のちょっとした変化に
気づくことが重要な仕事なら、
その敏感さが
活きることもあります。
こうして考えると、
不思議ですよね。
本人は何も変わっていません。
変わったのは、
その特徴を使う場所だけです。

「仕事ができない」と「この仕事では力を発揮しにくい」は違う
仕事でミスが続いたり、
評価されなかったりすると、
「私は仕事ができない人間なんだ」
と考えてしまうことがあります。
でも、
少し言葉を変えてみてください。
「私は仕事ができない」
ではなく、
「私は、この仕事では
力を発揮しにくいのかもしれない」
この2つは、
似ているようで全然違います。
前者は、
自分自身を否定しています。
でも後者なら、
見るべき対象が変わります。
仕事内容は合っているだろうか。
職場の人間関係はどうだろう。
働く時間は合っているだろうか。
一人で進めるほうが得意なのか。
チームで動くほうが得意なのか。
安定した環境が好きなのか。
変化がある環境のほうが
ワクワクするのか。
細かく指示されるほうが
安心なのか。
自由に任せてもらったほうが
力を出せるのか。
こうやって、
「自分の能力」
だけではなく、
「環境との組み合わせ」
を見ることが
できるようになります。
転職を決める前に、一度だけ考えてほしいこと
だからといって、
「仕事が合わないなら、
すぐ転職しましょう」
と言いたいわけではありません。
転職には、
生活や収入の問題もあります。
家族がいる人なら、
自分だけでは
決められないこともあるでしょう。
今の職場でも、
部署や働き方が変われば
状況が改善する可能性もあります。
大切なのは、
今日この瞬間に、
辞めるか残るかを
決めることではありません。
その前に、
一度だけ問いを
変えてみることです。
これまで、
「どうしたら自分を直せるだろう?」
と考えていたなら、
こう考えてみてください。
「今の環境の、何が自分には合っていないんだろう?」

仕事内容でしょうか。
人間関係でしょうか。
働き方でしょうか。
会社の文化でしょうか。
評価されるポイントでしょうか。
求められるスピードでしょうか。
それとも、
変化の少なさでしょうか。
ここが見えてくるだけでも、
「自分はダメだから辞めたい」
という状態から、
「自分に合う条件を探している」
という状態に変わります。
この違いは、
転職先を考えるときにも大きいです。
なぜなら、
「今の会社が嫌だから」
だけで次の会社を選ぶと、
環境を変えても
同じ苦しさを繰り返してしまう
可能性があるからです。
せっかく転職するなら、
今の会社から
逃げることだけではなく、
「次はどんな環境なら、
自分を活かせそうか」
まで考えておきたいですよね。
「自分を直す」だけが、働きやすくなる方法ではありません
ここまで読んで、
ひとつ覚えておいてほしいことが
あります。
仕事がつらいとき、
選択肢は、
「自分をもっと鍛える」
だけではありません。
環境を変える。
役割を変える。
働き方を変える。
人との関わり方を変える。
得意なことを使える場所へ移る。
そういう方向から、
今の苦しさを
見直すこともできます。
「何が苦手?」より「どこなら自然に動ける?」を考える
もし転職を迷っているなら、
紙でもスマホのメモでもいいので、
これまでの仕事を
振り返ってみてください。
そして、
「嫌だったこと」
だけではなく、
「なぜか自然にできたこと」
も書き出してみてください。
たとえば、
人前で話すのは苦手だけど、
一対一で相談に乗るのは
好きだった。
決められた作業は
退屈だったけれど、
トラブルが起きたときは
意外とすぐ動けた。
資料作りは苦手だったけれど、
新しいアイデアを考えている時間は
楽しかった。
大人数の会議は疲れるけれど、
一人で集中する作業なら
何時間でも続けられた。
逆でも構いません。
一人で仕事をするより、
誰かと一緒に進めるほうが
やる気が出た。
自由にやってと言われるより、
やることが明確なほうが
安心できた。
新しいことを次々やるより、
ひとつのことを
深く極めるほうが楽しかった。
そこに、
あなたに合う環境の
ヒントがあります。

転職というと、
つい、
年収。
業界。
会社名。
福利厚生。
勤務地。
こうした条件に目が向きます。
もちろん、
どれも大切です。
でも、
それと同じくらい、
「自分はどんな環境なら無理なく力を出せるのか」
という視点も
持っておいてほしいのです。
今すぐ辞めなくてもいい。でも、自分だけを責め続けなくていい
もしかすると、
ここまで読んでも、
「それでも、
やっぱり自分の甘えなんじゃないか」
と思っているかもしれません。
そんなときは、
今すぐ答えを出さなくて大丈夫です。
「絶対に転職する」
と決める必要もありません。
反対に、
「絶対に今の会社で頑張る」
と決める必要もありません。
ただ、
ひとつだけ。
「全部、自分が悪い」
という結論だけは、
少し保留にしてみてください。
仕事が合わない。
会社が合わない。
働き方が合わない。
そう感じること自体が、
甘えだとは限りません。
その違和感は、
「もっと頑張れ」
というサインではなく、
「自分と環境の組み合わせを、一度見直してみて」
というサインかもしれないからです。
自分の性質がわかると、「合う環境」を考えやすくなる
ここまで来ると、
次に出てくる疑問があります。
「じゃあ、自分には
どんな環境が合っているんだろう?」
これが、
意外と難しいんですよね。
自分のことは、
毎日付き合っているからこそ、
客観的に見るのが
難しいものです。
自分では欠点だと
思っている部分が、
見方を変えれば、
別の環境では
活かせる特徴かもしれない。
そこで、
自分の性質を
違う角度から見てみたい人に向けて、
私がまとめたのが、
『その欠点、実は才能です。数秘でわかる「自分を直さず活かす」生き方』
です。

この中では、
数秘を使って
自分の性質を読み解きながら、
「直さなきゃ」と思っていた部分を、
別の角度から見直していきます。
そして、
性質を知るだけで終わらせず、
自分の特徴を
どんな環境なら活かしやすいのか、
仕事や日常に
どう落とし込んでいくのかまで
まとめています。
「自分の欠点ばかり
気になってしまう」
「転職しても、
また同じことになりそうで怖い」
「そもそも自分に
何が向いているのかわからない」
そんな人には、
ひとつのヒントになると思います。
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最後に
「仕事が合わない」
そう思うと、
私たちはつい、
「じゃあ、
自分の何がダメなんだろう」
と考えてしまいます。
でも、
その問いだけではなくていいのです。
「この環境は、自分に合っているんだろうか?」
そう考えてもいい。
転職するかどうかは、
そのあと決めればいいと思います。
残るという選択もあります。
環境を少し変えてみるという
選択もあります。
そして、
別の場所へ行ってみるという
選択もあります。

大切なのは、
今の場所で
うまくいかないことだけを理由に、
自分自身の価値まで
決めてしまわないこと。
場所が変われば、
今まで短所だと思っていたところが、
誰かから必要とされることも
あります。
今まで必死に
直そうとしていたところが、
「それがあなたのいいところだよ」
と言われることだってあります。
だから、
「仕事が合わない」と感じたときは、
自分を責める前に、
環境との相性も
疑ってみてください。
あなた自身を直すことだけが、
人生を変える方法ではありません。
