苦手を克服し続けると、なぜこんなに疲れるのか

苦手を克服し続けると、なぜこんなに疲れるのか

サム

サム

「苦手なことから逃げてはいけない」

そう思って、
ずっと頑張ってきた人ほど、

ある時ふと、

「なんでこんなに疲れてるんだろう」

と思うことがあります。

仕事はちゃんとしている。

頼まれたことも、
できるだけ断らない。

苦手な仕事があれば、
できるようになるまで練習する。

ミスをしたら反省して、
次は同じことをしないように
気をつける。

周りに迷惑をかけないように、
自分なりに一生懸命やっている。

それなのに、

仕事が終わる頃には
もう何もする気力が残っていない。

休日は寝て終わる。

日曜日の夜になると、
また明日から仕事か……と重たくなる。

そして、
そんな自分を見て、

「もっと体力をつけないと」

「メンタルが弱いのかな」

「みんな普通に働いてるんだから、
私も頑張らないと」

と、
さらに自分を奮い立たせる。

でも、

もしかすると見直すべきなのは、
あなたの努力量では
ないのかもしれません。

どこにエネルギーを使っているのか。

こちらです。

苦手なことを克服しようとすると、
想像以上にエネルギーを使います。

しかも厄介なのは、

本人は一生懸命なので、
その消耗に気づきにくいこと。

今日は、

「苦手を克服しようとするほど、
なぜ疲れてしまうのか」

その仕組みを
3つに分けて考えてみます。

真面目に頑張っているのに疲れる人は、「努力量」ではなく「消耗先」を見てほしい

同じ8時間働いていても、

比較的元気なまま帰れる日と、
玄関に着いた瞬間に
動けなくなる日がありませんか。

仕事量は
そこまで変わっていない。

残業時間も同じくらい。

なのに、
疲れ方だけが全然違う。

なぜでしょうか。

ここで考えてほしいのが、

「何時間働いたか」ではなく、

「何をしながら働いていたか」

です。

苦手な仕事ほど、

同じ1時間でも疲れ方が違う

たとえば、

人前で話すのが苦手な人が
会議の進行役をするとします。

会議は1時間。

時間だけ見れば、
たった1時間です。

でも本人の頭の中では、

「次は誰に話を振ればいい?」

「変なこと言ってないかな」

「沈黙になったらどうしよう」

「この説明で伝わってる?」

「さっきの言い方、
まずかったかな」

と、

ずっと複数のことを
意識し続けています。

会議が終わったあとも、

「あの場面、
もっと上手く言えたよな……」

と反省会。

つまり、

1時間の会議に参加しただけなのに、
頭の中では何時間分もの仕事を
しているような状態になります。

一方で、

人と話しながら考えることが得意で、
その場で言葉が自然に出てくる人なら、

同じ会議でも
ここまで意識する必要はありません。

やっている仕事は同じ。

拘束時間も同じ。

でも、

消費しているエネルギーは同じではない。

ここを無視してしまうと、

「同僚は平気そうなのに、
どうして自分だけ疲れるんだろう」

という自己否定につながります。

でも本当は、

能力が低いから
疲れているとは限りません。

単純に、

自分にとって
エネルギー消費の大きいことを
何度も繰り返しているだけかも
しれないのです。

「できるようになるまで頑張る」が

終わらない理由

もちろん、

苦手なことでも練習すれば、
以前より上手になることはあります。

人前で話すのが苦手でも、
経験を重ねれば慣れてくる。

細かい作業が苦手でも、
仕組み化すればミスは減る。

だから、

「苦手なことは全部やらなくていい」

という話ではありません。

問題は、

どこまで克服すれば合格なのかを決めないまま、

ずっと苦手を直し続けることです。

60点までできるようになった。

でも、

「普通の人はもっとできる」

と思って70点を目指す。

70点になったら、

今度は80点の人が目に入る。

80点になっても、

得意な人の95点を見ると
自分が足りなく感じる。

これでは、
いつまで経っても終わりません。

しかも、

真面目な人ほど
できない部分に目が向きます。

できるようになったことより、

まだできていないこと。

褒められたことより、

注意されたこと。

自然にこなせることより、

人より劣っているところ。

そうやって、

自分の凹んでいる部分を見つけては、
ひとつずつ埋めようとする。

気づけば人生が、

「苦手克服ゲーム」

になってしまうのです。

苦手の克服で疲弊する理由を3つに分解してみる

では、

なぜ苦手なことを克服し続けると、
こんなに疲れるのでしょうか。

私は、
大きく3つあると思っています。

① 苦手なことは

「常に意識しないとできない」から
エネルギーを食う

まず1つ目。

苦手なことは、

自動運転ができません。

たとえば、
車の運転を始めたばかりの頃。

「ミラーを見て」

「ウインカーを出して」

「後ろを確認して」

「ハンドルを切って」

と、

一つひとつ
意識していたと思います。

だから、

少し運転しただけでも
ものすごく疲れる。

ところが慣れてくると、

いちいち言葉にしなくても
自然にできるようになります。

仕事も似ています。

自分が自然にできることは、
細かく意識しなくても進められます。

でも、

苦手なことは違います。

「気をつけなきゃ」

「間違えないようにしなきゃ」

「ちゃんとやらなきゃ」

という監視が必要になります。

つまり、

仕事そのものに加えて、

「自分を監視する仕事」まで増えている。

これが積み重なると、
かなり疲れます。

朝から夕方まで、

自分に対して

「ちゃんとしろ」

「気を抜くな」

「また失敗するぞ」

と言い続けているようなものだからです。

それを週5日。

何年も続けたら、

疲れて当然です。

② 仕事が終わっても

「反省・自己否定」で二重に消耗する

2つ目は、

苦手なことほど
仕事が終わったあとまで
引きずりやすいことです。

たとえば、

上司への報告が
少しうまくいかなかった日。

帰りの電車で、

「もっと簡潔に話せばよかった」

「呆れられたかな」

「同期ならもっと上手く
やるんだろうな」

と考える。

家に帰ってお風呂に入っても、
まだ思い出す。

寝る直前にも、

「あの言い方、
やっぱり変だったな」

と考えてしまう。

仕事は終わっているのに、

頭の中では
まだ勤務中です。

しかも、

ただ振り返るだけではありません。

「なんでこんなことも
できないんだろう」

「社会人何年目だよ」

「もっとちゃんとしないと」

と、

自分への攻撃まで始まります。

これが苦しい。

苦手なことをすることで
エネルギーを使い、

できなかった自分を責めることで、
さらにエネルギーを使う。

二重消費です。

そして翌朝、

完全に回復しないまま
また仕事へ向かう。

その状態でまた苦手な仕事をして、
また反省する。

これを繰り返していたら、

「別に激務ではないはずなのに、
ずっと疲れている」

という状態になっても
不思議ではありません。

③ 苦手を埋めるほど、

本来ラクに伸ばせる部分へ
エネルギーが回らなくなる

そして3つ目。

私はこれが、
かなり大きいと思っています。

人間が1日に使える
時間もエネルギーも有限です。

苦手克服に
エネルギーを100使ったら、

その100は、

別のことには使えません。

たとえば、

資料を細かく整えるのは
苦手だけれど、

人の話を聞いて、
相手が困っていることを見つけるのは
得意な人がいたとします。

ところが本人は、

「社会人なら、
もっと綺麗な資料を作れないと」

と思って、

資料作成の練習ばかりする。

仕事が終わったあとも
ExcelやPowerPointを勉強する。

もちろん、

必要最低限のスキルを
身につけることには意味があります。

でも、

苦手を平均まで引き上げるために
大量のエネルギーを
投入していたら、

本来なら自然に伸ばせる、

「相手の話を聞く力」

「ニーズを見つける力」

「関係を作る力」

に使える時間は減ります。

そして数年後。

本人の中には、

「苦手なことが、
前より少しできるようになった」

という結果だけが残る。

一方で、

本来伸ばせたかもしれない強みは、
ほとんど育っていない。

これ、
すごくもったいないと思うんです。

苦手なことを60点から70点に
するために、

100のエネルギーが
必要な人もいます。

でも、

得意なことなら、

同じ100を使って
70点から90点まで
伸びるかもしれません。

だとしたら、

考えるべきなのは、

「もっと努力できるか?」

ではありません。

「限られたエネルギーを、

どこに配分するか?」

ではないでしょうか。

「全部できる人」を目指すのをやめると、努力の使い道が変わる

ここまで読むと、

「じゃあ苦手なことから
全部逃げればいいの?」

と思うかもしれません。

そういう話でもありません。

仕事をしていれば、

どうしてもやらなければ
いけないことはあります。

苦手でも、
最低限できないと困ることもあります。

だからこそ、

おすすめしたいのが、

苦手を「克服する」のではなく、

「困らないところまで整える」

という考え方です。

苦手は「克服」ではなく

「困らない最低限」でいい

たとえば、

電話対応が苦手なら、

「電話対応が得意な人になる」

必要はありません。

よく聞かれる内容をメモしておく。

話す順番をテンプレートにする。

分からなければ折り返す。

これだけでも、
仕事上困らない状態には近づけます。

細かい確認が苦手なら、

「注意深い人間になろう」

と性格そのものを変えるのではなく、

チェックリストを作る。

提出前に見る項目を固定する。

可能なら誰かに確認してもらう。

それでいいんです。

100点を目指す必要はありません。

苦手なことは、

人生に支障が出ないラインまで持っていく。

そこで一度、
「これはもう合格」と決める。

そして余ったエネルギーを、

自分が自然にできることへ
回してみる。

この発想を持つだけでも、

頑張り方はかなり変わります。

明日から「疲れたこと」と「自然にできたこと」を分けて記録する

もし、

「自分が何にエネルギーを
使っているのか分からない」

という人は、

明日から1週間だけ、

仕事が終わったときに
2つを書いてみてください。

① 今日、妙に疲れたこと

② 今日、あまり頑張っていないのに自然にできたこと

これだけです。

たとえば、

疲れたこと。

・大人数の会議で発言する
・細かい数字を何度もチェックする
・予定通りに作業を進める
・初対面の人に営業する

自然にできたこと。

・後輩の相談に乗る
・急なトラブルに対応する
・新しいアイデアを考える
・複雑な情報を整理して説明する

こんな感じです。

ここで大切なのは、

「どちらが優れているか」

ではありません。

自分のエネルギーが、

どこで減って、

どこでは比較的減りにくいのか。

それを知ること。

真面目な人ほど、

できなかったことは覚えています。

でも、

自然にできたことは
「これくらい普通」と
流してしまいます。

だから意識して記録しないと、

自分の中にある
「ラクに使える能力」が
見えてきません。

欠点を直す前に、「この性質は別の場所ならどう働く?」と考えてみる

もう一つ、
試してほしいことがあります。

自分の嫌いなところが出てきたとき、

すぐに

「直さなきゃ」

と考えないことです。

代わりに、

こう考えてみてください。

「この性質は、別の場所ならどう働くだろう?」

たとえば、

「考えすぎて行動が遅い」

という人。

スピードを求められる環境では、
欠点に見えるかもしれません。

でも、

大きなミスが許されない仕事なら、

事前にリスクを考えられることは
強みになるかもしれない。

「人の顔色を気にしすぎる」

という人。

自分の意見を強く押し出すことが
求められる場所では、

苦しくなるかもしれません。

でも、

相手の小さな変化に
気づく必要がある仕事では、

その敏感さが
役立つかもしれない。

「すぐ飽きる」

という人も、

同じことを何年も繰り返す環境では
苦しむかもしれません。

でも、

新しいものを次々と試すことが
求められる場所なら、

その性質の見え方は
変わってきます。

つまり、

欠点に見えているものを、

すぐに

「自分の悪い部分」

と決めつけなくていい。

その性質と、
今いる場所との組み合わせによって、

苦手として表に出ている
可能性もあるからです。

ここを知らないまま、

「自分が悪い」

と考えて性格を直し続けると、

終わりのない自己改造が始まります。

あなたに足りないのは、「もっと頑張ること」ではないのかもしれない

真面目な人ほど、

うまくいかないときに、

「じゃあ、もっと頑張ろう」

と考えます。

それ自体は、
素晴らしい姿勢だと思います。

でも、

頑張れる人だからこそ、

一度だけ立ち止まって
確認してほしいのです。

その努力は、

自分を活かすために使っていますか。

それとも、

自分を直すためだけに

使い続けていますか。

苦手なことに挑戦するのは
悪くありません。

できなかったことが
できるようになる喜びもあります。

ただ、

人生のエネルギーには限りがあります。

すべての凹みを埋めて、

どこから見ても欠点のない人間になるまで
頑張り続ける必要はありません。

苦手なことは、
困らないところまで。

そして、

そこで余った力を、

「なぜか自然にできること」

「人からよく頼まれること」

「やっていても比較的疲れにくいこと」

に回してみる。

すると、

同じ努力量でも、

人生の進み方が
少しずつ変わってくるかもしれません。

もし今、

「自分の欠点ばかりが気になる」

「苦手を直そうとしてきたけど、
もう疲れた」

「じゃあ、自分の性質を
どう活かせばいいんだろう」

と思っているなら、

その続きを、
こちらの記事にまとめています。

『その欠点、実は才能です。数秘でわかる「自分を直さず活かす」生き方』

この記事では、

生年月日から自分の性質を
読み解きながら、

欠点だと思っていた部分を
どう才能として捉え直すのか。

そして、

その性質を仕事や日常で
どう使っていくのかまで扱っています。

数秘の知識がない人でも、
生年月日の足し算から
始められる内容です。

「もっと頑張って自分を変える」

ではなく、

「今の自分を、どう使えばいいのか」

を知りたい人は、
読んでみてください。

自分を直すために使っていた
エネルギーを、

自分を活かすために
使えるようになると、

これまでとは違う頑張り方が
見えてくるはずです。

今日からまず、

「もっと頑張らなきゃ」

と思った瞬間に、

ひとつだけ問いかけてみてください。

私は今、何を伸ばそうとしているんだろう。

そして、

これは本当に、私がエネルギーを使いたい場所だろうか。

努力をやめなくていいんです。

ただ、

努力する場所は、
選んでもいい。

今まで十分頑張ってきた人ほど、

次に必要なのは
努力量を増やすことではなく、

そのエネルギーの使い道を
変えることなのかもしれません。


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サム

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