はじめに
競馬で当たった。 嬉しい。
外れた。 悔しいけれど、深く考えるのはやめて、気持ちを切り替える。
当たったときは「良かった理由」を後付けで考え、 外れたときは「なぜ負けたか」を考えないまま流してしまう。
そんなことを繰り返しながら、 次のレースでも、また同じように馬券を買っている。
競馬を続けていれば、頭の中には必ず「仮説」が生まれます。 「このジョッキーなら安心」「内枠の逃げ馬は有利だ」
ただ、その仮説のほとんどは、 記録されることも、検証されることもなく、消えていきます。
もし、当たりも外れも、すべて「データ」として残せたら。 感情ではなく、検証によって次の一手を決められたら。
競馬は「当てる遊び」から、 仮説を育てていくゲームに変わります。
この記事は、こんな人向けです
この記事は、「とにかく当てたい人」向けの内容ではありません。
・競馬を 長期的な視点 で攻略したい人
・感情に振り回されず、自分だけの根拠 を持ちたい人
・「なぜ勝てないのか」 の正体を数字で知りたい人
そんな方に向けた、新しい競馬との付き合い方の提案です。
シミュレーション結果の一例
これは、ある条件を一定のルールで買い続けた時の収支シミュレーション結果です。
このチャートから、何を感じるでしょうか。

「難しそう」と感じる人もいれば、「やってみたい」と感じる人もいるかもしれません。
ここで伝えたいのは、特別な勘や才能がなくても、仮説を立てて検証するところからなら、誰でも始められる、ということです。
ちなみに、このチャートの正体は、巷にあふれる「噂」を検証した結果の一つです。
最初に:この先で扱わないこと
このシリーズでは、以下のことは扱いません。
- 具体的な買い目や予想
- 必ず勝てるロジック
- 短期で収支をプラスにする方法
理由は明確です。競馬の仕組み上、 長期で通用する「答え」は、 公開されるほど価値を失うからです。
ここで扱うのは、 答えそのものではなく、 考え続けるための視点です。
なぜ多くの人は、長期で勝てないのか
結論から言うと、 競馬は構造的に 回収率100%を超えにくい 仕組みだからです。
- 馬券の払戻率は約70〜80%
- 多くの買い方は、長期で右肩下がりになります
たとえば、
- 1番人気を買い続ける
- 買い目を増やして当たりやすさを重視する
- 人気騎手を買い続ける
これらは短期的な満足感(的中)は得やすいですが、長期では収支が伸びにくい代表例です。 「当たりやすい馬」と「儲かりやすい馬」は、全くの別物なのです。
本当に必要なのは、的中率ではなく「回収率」の視点。
つまり、「そのオッズは、馬の本当の実力に対して『歪んで』いないか?」を突き止める力です。
短期目線では、 どうしても「当てたい」という気持ちが先行します。
しかし、本当に求めているのは 的中率ではなく 回収率 のはずです。
そのために必要なのが、オッズが過大評価・過小評価されやすいか?という視点です。
オッズの歪みは、仮説からしか見つからない
「この馬のオッズは適正か?」
正確に答える方法はありません。ただし、
- 過大評価されやすい条件
- 過小評価されやすい条件
を 仮説として立てること はできます。
そして、それは データで検証できます。
仮説検証のための3ステップ思考
このシリーズで一貫して使う考え方は、 とてもシンプルです。
ステップ1:仮説を立てる
例:
- 1番人気を買い続けたら儲かるのか
- 芝2000mのキズナ産駒は買いなのか
- (斤量 / 馬体重)が小さい馬を買えば儲かるのか
ステップ2:データで検証する
- 過去数年分のデータを使う
- 買い方を固定する
- 感覚や印象を排除する
ステップ3:結果を考察する
- 十分なレース数を検証しているか
- トレンドが安定しているか
- 物理的な裏付けはあるか
重要なのは、 良い結果だけでなく、悪い結果も同じように扱うことです。
ほとんどの検証結果は、右肩下がりになる
これは先に言っておきます。
競馬の仕組み上、 ほとんどの条件は長期で右肩下がりになります。
だからこそ、通用しなかった条件の分析にも意味があります。
それらは、「買わない」という選択肢として、確かな知見として積み上がっていきます。
そして、そうした検証を重ねた先に現れる数少ないプラス収支の結果だからこそ、その価値や凄さを、はっきりと体感できるのです。
この先の記事について
今後は、 ひとつのテーマを題材に、 仮説 → 検証の流れを チャートとともに公開していきます。
結果が良かった場合も、 そうでなかった場合も含めて、 検証の過程そのものを扱います。
答えではなく、 「考える楽しさ」を追体験するための記事です。
おわりに
この考え方で競馬と向き合うと、 短期的には「当てる楽しさ」が薄れるかもしれません。
ただ、長期で振り返ったとき、手元に残るものが『後悔』ではなくなるはずです。
- 納得感
- 条件を見抜けた手応え
- 自分の思考が通用した感覚
が、確実に残ります。
このシリーズが、 競馬との 新しい付き合い方 を見つける きっかけになれば幸いです。
「勝ちたい人」ではなく、 「考えたい人」向けの記事です。
