これは、数年前の話。
俺がまだ今ほど余裕もなければ、恋愛に自信もなかった頃。
仕事は忙しくて、毎日帰るのは23時過ぎ。
彼女もいない。
でも孤独にも慣れたような日々だった。
そんな中、たまたま開いたX(旧Twitter)で、思いがけない出会いがあった。
相手は、人妻だった。
「今日、ちょっとだけ聞いてほしい話があるんです」
そう言ってきたのは、X(旧Twitter)で知り合った人妻のAさんだった。
フォローされて、軽く挨拶DMをして、たまにリプやストーリーで反応があって。
最初は“ただの主婦アカ”だと思ってた。
でも、やり取りを重ねるうちに、だんだん雰囲気が変わっていった。
DMで
「今日も旦那帰ってこなくて」
「誰かに聞いてほしいだけなんです」
と、ぽつりぽつり言葉が出てきたあたりから、少しずつ距離が縮まっていった。
たまたま俺が
「人肌って、たまに無性に恋しくなるよね」
ってポストした時、彼女が反応してきた。
「わかります、それ。」
その一言が始まりだった。
20代後半の会社員。
結婚3年目。
旦那は仕事人間でほとんど会話がない。
と、そこから数日に一度、ちょっとした相談や世間話が届くようになる。
“家庭内で会話がない”
“褒められない”
“何を着ても無関心”
そういう小さな不満を積み重ねて、彼女は寂しさに押し潰されていた。
会おうってなったのは、俺が「最近行きたいカフェあるんだけど、誰か付き合って」ってストーリーで言ったとき。
「じゃあ行きます?笑」って軽く返してきた。
正直びっくりした。
けど、すぐに「この人は一歩踏み出したかったんだな」って気づいた。
当日、ベージュのトレンチに黒のロングスカート。
全体的に落ち着いてて、だけどどこか“女として見られたい”気配を感じた。
会話は思ったよりも弾んだ。
LINEより表情がやわらかく、笑うときに少し前髪をかき上げる癖があった。
「久しぶりに、ちゃんと会話しました。こういうの、すごい嬉しい」
その言葉に、たぶん彼女の“心のスキマ”がにじみ出てた。
正直、ホテルに誘う気はなかった。
でも、彼女がぽつりと「帰りたくないなぁ」って言ったとき、俺の中でスイッチが入った。
「じゃあ、ちょっとだけど、近くに静かなとこあるよ」
拒まなかった。
部屋に入っても、すぐには何もなかった。
ベッドに座って、コンビニで買ったお茶を飲んで、テレビをぼーっと見てた。
でも、彼女が手を伸ばしてきた。
そっと手を重ねて、「これ、後悔しない?」って聞いたら、
「しないってわけじゃないけど、今は考えたくない」
その瞬間、キスした。自然だった。流れに身を任せた。
この話にテクニックなんてない。
むしろ、
焦らなかったこと
聞き役に徹したこと
否定しなかったこと
それだけで、彼女は“求める側”になった。
「簡単にセフレを作る方法」なんて、本当はないのかもしれない。
でも、“自然にそうなってしまった関係”って、ちゃんとした信頼の上に成り立っている。
一番の近道は、下心を見せず、余裕を見せること。
それができれば、“求められる側”になれる。と思えた出会いでした。
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