AIに一度にあれこれ頼むと答えが雑になる|一つずつ区切って質を上げる

AIに一度にあれこれ頼むと答えが雑になる|一つずつ区切って質を上げる

西脇達也|2店舗経営|AI活用集客

西脇達也|2店舗経営|AI活用集客

AIの答えが毎回ぼんやりするのは、頼む中身じゃなくて渡し方のせいでした

AIに仕事を頼んだのに、返ってきた文章はどこか浅い。確認したかった数字は抜け、文章の雰囲気も違い、最後に付けてほしかった一覧も中途半端。そんな経験はないでしょうか。

AIが苦手なのだと思いがちですが、原因は能力ではなく「一度に渡した用件の多さ」にあるかもしれません。僕も以前は、思いついたことを一つの長い依頼文に詰め込んでいました。今は作業を分け、会話を一段ずつ進めています。

この記事では、複数の用件を一つずつに分ける方法、終わった作業を次へつなぐ方法、まとめて頼む必要がある場合の区切り方まで、実務で使える形で説明します。

一気に頼んだのに、どれも微妙な答えが返ってくる

たとえばAIに「打ち合わせメモを要約して、課題を見つけ、相手への連絡文を作り、次回の企画案も考えて」と頼んだとします。人から見ると一つの仕事に見えますが、実際には性質の違う作業が四つ入っています。

  • 内容を短く整理する
  • 問題点を判断する
  • 相手に合わせた文章を書く
  • まだない案を考える

ここで困るのは、何をいちばん大切にするかが曖昧になることです。要約を丁寧にすれば長くなり、連絡文を短くすれば背景が落ちます。企画案に意識が向けば、元のメモにない話まで広がりやすくなります。

返答を見た人は「全部やってくれたけれど、そのまま使えるものがない」と感じます。用件の数が増えるほど、確認する側もどこから直せばよいか分からなくなり、結局は最初から説明し直すことになります。

まとめて頼むと崩れる理由

まとめた依頼で質が落ちやすい理由は、作業ごとの目的・材料・完成条件が混ざるからです。要約なら「重要事項を落とさない」、連絡文なら「相手が次の行動を判断できる」、企画なら「現実に試せる案に絞る」というように、よい答えの基準はそれぞれ違います。

ところが一つの依頼にすると、AIは複数の基準を同時に満たそうとします。その結果、各作業に使える説明の量が薄まり、こちらが本当に重視したかった部分も伝わりにくくなります。

さらに、一つ目の作業がずれていても、そのずれを土台に二つ目、三つ目が進みます。要約で重要な条件が抜けたまま連絡文を作れば、文章が読みやすくても内容は不十分です。後半だけ直すより、前半を確定してから次へ進んだほうが手戻りを減らせます。

まず用件を一つずつに分けて書き出す

AIを開く前に、頼みたいことを動詞で分解します。「資料をいい感じにして」ではなく、「要点を抜く」「順番を決める」「文章を整える」「確認する」という単位にします。

分解するときは、次の三つを一つの作業に入れすぎないのがコツです。

  1. 読む・抜き出す作業:要約、分類、情報抽出
  2. 考える作業:比較、優先順位づけ、企画
  3. 書く作業:メール、投稿文、説明資料

まず素材を読ませて事実を整理し、その結果を見てから判断させ、最後に文章へ整える。この順番にすると、途中で「ここは違う」「この条件も必要」と修正できます。AIに渡す前に人が答えを完成させる必要はありません。工程だけを見える形にすれば十分です。

僕はメモ帳に「今回ほしい完成物」を一行で書き、その下に必要な作業を箇条書きします。完成物が相手への案内文なら、材料整理、伝える内容の確認、下書き、読みやすさの調整という流れです。この四つを一度に頼まず、会話の四段階として扱います。

一つずつ区切る渡し方

会話は「依頼する→確認する→確定する→次へ進む」の繰り返しにします。最初の返答を受け取ったら、すぐ次の仕事を追加するのではなく、今の答えが次の材料として使えるかを確認します。

  1. 一つ目の作業だけを頼む
  2. 返答を読み、抜けや誤解を直す
  3. 「この内容を確定します」と土台を固定する
  4. 確定した内容を使う次の作業を頼む
  5. 最後に全体のつながりを確認する

たとえば打ち合わせ後なら、最初は「決まったことと未決定のことを分けてください」だけです。内容が合っていれば、次に「未決定の項目を、誰が何を確認するかの一覧にしてください」と頼みます。その一覧を確認してから、相手への連絡文を作らせます。

この進め方では、各段階で完成条件も一つにできます。「三項目に絞る」「元のメモにない情報は足さない」「相手が返信すべき点を最後にまとめる」など、その工程だけに必要な条件を添えられます。

大切なのは、返答のたびに長い感想を返すことではありません。「二つ目は事実と違うので削除」「この表現で確定」「次はこの内容を連絡文にする」と短く伝えれば、会話は十分に前へ進みます。

どうしても一度に頼みたいときの区切り方

時間の都合で、複数の作業を一度に渡したい場面もあります。その場合は、依頼文の中に工程と出力欄を明示します。長い文章でつなげず、「作業1」「作業2」「作業3」のように分け、それぞれの目的と完成条件を書きます。

  • 作業1:元資料から事実だけを抜き出す
  • 作業2:抜き出した事実を重要度順に並べる
  • 作業3:上位の内容を使って連絡文を作る
  • 確認:推測で補った箇所があれば最後に示す

さらに「各作業を別の見出しで出す」「前の作業の結果だけを次に使う」と指定すると、どこでずれたかを見つけやすくなります。複数の完成物を混ぜた一続きの文章より、工程別の出力のほうが修正もしやすくなります。

ただし、判断を伴う作業や間違いの影響が大きい作業は、一括にしないほうが安心です。数字、契約条件、顧客への重要な案内などは、材料整理の段階で人が確認してから次へ渡します。

僕が自分の事業の事務作業でやっている実際の分け方

僕は自分の事業で、案内文、参加者への連絡、社内共有、告知文などを作ることがあります。以前は、元のメモを貼って「全部まとめて作って」と頼み、返答を見てから細かく直していました。文章はできても、対象者や締切の扱いが混ざり、修正箇所が増えがちでした。

今は最初に、元メモから「確定している事実」「確認が必要な点」「相手に伝える内容」を分けます。次に、確認が必要な点を僕が判断します。そのあとで、確定した情報だけを使って案内文を作り、最後に読み手ごとの言葉へ整えます。

  1. 元メモを事実と未確認事項に分ける
  2. 僕が未確認事項を判断する
  3. 確定情報から案内の骨組みを作る
  4. 対象者に合わせて文章を整える
  5. 日付・名称・行動の案内を最後に確認する

この方法のよいところは、AIの文章力に頼る前に、内容の土台を確認できることです。もし最終文に違和感があっても、「骨組みは合っているので表現だけ直す」と切り分けられます。最初から全部をやり直す必要がありません。

普段、2店舗を経営しながら、店舗集客の自動化をして、3年以内に10店舗を目標に活動しつつ、AIの活用サポート/AIを使った自動集客の仕組みづくり/AIに関するセミナーを行っています。複数の仕事が並ぶ環境だからこそ、AIへの依頼も作業単位で区切ることを大切にしています。

分けて頼むと、結局いちばん速い

一つずつ頼むと、やり取りが増えて遠回りに見えます。しかし、仕事で時間がかかるのは、AIへの入力回数よりも、ずれた完成物を読み解いて直す作業です。途中で確認できれば、誤解が後ろの工程へ広がるのを防げます。

まず今日、AIにまとめて頼もうとしている仕事を一つ選んでください。そして、読む、考える、書くのどこで区切れるかを書き出します。最初の一工程だけを渡し、答えを確定してから次へ進んでみてください。

AIの答えがぼんやりするときは、指示を長くする前に、用件を小さく分ける。これだけで、直す場所が見え、会話も仕事も進めやすくなります。結果として、一つずつ進める方法が、使える完成物へ早くたどり着く道になります。

ThreadsやInstagram(@tatsuya.nishiwaki_)では、AIを仕事に取り入れるときの小さな工夫も発信しています。必要なときに、気軽にのぞいてみてください。


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