いまから200年ほど前にドイツで生まれのちに大哲学者として名を馳せたヘーゲルにこういう言葉がある。
「理性的なものは現実的なものであり、現実的なものは理性的である」
自分は不勉強なのでヘーゲルのような難解な哲学者の原書は読んだことはないけれどこの言葉は何かで知って非常に感銘を受けた。これは「世の中にあるものはすべて合理的である。現実に対して何か理にかなったところがあるから存在し続けている」というような意味だと思う。
その意味で性風俗というシステムは合理的だ。
売春は最古の職業と言われる。人類の長い歴史のなかでさまざまな蔑視や弾圧を受けながらもいまも残り続けている。そして売る側だけでなく買い手側からみてもこのシステムは合理性の極みだと感じることが多い。特に女遊びをたくさんすればするほど風俗というシステムの完成度には唸らされる。
以下ではその合理性についてナンパ的女遊びとの比較から述べてみたい。
・タイムパフォーマンス
ストリートナンパは言うまでもなくアポから始まるネットナンパですら決まった時間に女をホテルへ搬送できない。最初の居酒屋では仕上がらず二軒目に搬送してしかもホテル内でグダられて……みたいなことがしょっちゅうある。でも風俗はきっちり決まった時間内で射精できる。そしてドタキャンも基本はない。
・好みの女を選べる
街を歩けばたくさんのかわいい子がいる。マッチングアプリにも多くのイイ女が登録している。でもその多くとは対面で話すことができない。2人っきりで会うのが困難。そしてヤレる確率は驚くほど低い。でも風俗では確実に会えるしエロいことができる。
・女がグダらない
これは当たり前。でもよく考えたら凄いことだ。こちらの顔が刺さってなくても挙動がキモくても確実に目の前の女とイヤラシイことができる。
・雑に放流しても大丈夫
風俗では射精後にめんどうな和みトークをしなくてよい。すぐに放流できる。というかむしろさくっとシャワー浴びたり着替えてくれる男のほうが喜ばれる。ナンパ的出会いでは賢者化した後でも女のアフターケアをする必要がある。めんどう。
・通報されない
ナンパ的出会いではときにセックスした後に女の心変わりが発生して不当な通報や逮捕をされたりする。それを避けるためのリスクヘッジにはこまめな段取りと労力が伴う。でも風俗はお店のシステムさえ守っていればそんなことはない。めっちゃ安全安心。
・メンテ不要で「おかわり」ができる
ナンパ的出会いで関係を持った女はすぐにLINEブロックしてくる。キープするのにも丁寧なメンテが必要でめんどくさい。でも風俗の女は塩対応でも容易におかわり(2度目のセックス)ができる。
・女が沼ってこない
女はセックスしたあとにガチ恋になって修羅場化したりストーカーになったりすることがある。でも風俗女はサバサバしてて気持ちが楽チン。客がイケメンな場合はまれに好かれることもあるけれど容易に排除できる。ヤリ捨てオッケー!
・既婚者でも大丈夫
風俗の女相手にイヤラシいことをしても不貞行為にならない。おいおい、こんな最高なことがあるのか!
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どうだろうか?
まだいくつもそのメリットは挙げられるけれど風俗のパフォーマンスの良さは身に染みるほどわかるだろう。これらの合理性と利便性を享受できるなら少々のカネなど安いもんだ。
うん?
風俗の女とヤッてもそれは相手の"心を抱いた"ことにならない?
女から"男としての自己"を承認してもらえたことにならないって?
これを読んでいるあなたがまだそんなロマンティックな幻想を持っているとは知らなかった。でもだからこそ風俗とは比べものにならないほど不合理でパフォーマンスの悪い女遊びを続けているんだろうね。
そんなあなたたちのことが僕は大好きだ。
(2024.03.18)
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▼あとがき
このコラムはWebマガジンの『PM』誌に投稿したものです。
ものぐさな自分に執筆の機会を与えてくれた編集長の星さんに改めて感謝申し上げます。なお星さんはマッチングアプリのプロフィール写真の撮影者として極めて優秀な方でもあります。このコラムを読んだ"おっさん"の女遊びの武器として一度、写真撮影の依頼をしてみてはいかがでしょうか?
https://x.com/came_back_hoshi/status/1703709388572414100?s=46