この教科書は、Claudeを使ったことがない人、使い始めたばかりの人のために書きました。難しい専門用語はできるだけ避け、避けて通れない言葉は最初に登場する場面で丁寧に説明してから使います。第1章から順番に読み進める構成になっていますが、気になる章から拾い読みしても構いません。

第1章 Claudeとは何か
「AIチャットって聞くけど、Claudeって結局何なのか分からない」——そう感じている人は多いはずです。名前を聞いたことはあっても、何ができて、何を任せてはいけないのかを説明できる人は意外と少ないものです。この章では、Claudeがどんなサービスで、得意なことと苦手なことは何かを、専門用語を使わずに順番に説明します。
①Claudeは、Anthropicという会社が作った、文章で会話しながら作業を頼める人工知能(AI)のサービスです。 ②文章の作成や要約、簡単なプログラムのコード作成、画像の内容を読み取ることなどが得意です。 ③一方で、知らないことを聞かれると間違った答えを自信ありげに返すことがあり、最新の出来事にはうといという弱点があります。TL;DR

AIってChatGPTと何が違うんですか?名前が違うだけじゃないんですか?

作っている会社が違います。ChatGPTはOpenAIという会社、ClaudeはAnthropicという会社が開発しています。細かい機能の違いはありますが、まずは「文章で会話しながら作業を頼めるAI」という点は共通していると考えて大丈夫です。
Claudeを作っている会社、Anthropic
Claudeは、Anthropic(アンソロピック)というアメリカの会社が開発しています。Anthropicは、AIの技術を安全に育てることを重視する方針を公にしている会社です。Claudeには「Constitutional AI(コンスティテューショナルAI)」と呼ばれる独自の訓練方法が使われていて、AIの中に一種の行動指針を作り、その指針と照らし合わせながら答え方を調整していく仕組みが取り入れられています。難しい理屈を覚える必要はありませんが、「Claudeは安全性を重視して育てられたAI」という前提を知っておくと、時々Claudeが答えを控えめにしたり断ったりする場面に納得しやすくなります。
Claudeにできること
- 長い文章を短くまとめる(要約)
- 質問に答えたり、調べ物の下調べをする
- メールや文章の下書きを作る
- プログラムのコード(命令文)を書いたり説明したりする
- 写真や図、PDFの中身を読み取って説明する
- 表計算ソフトの資料やスライド、文書ファイルをその場で作る
これらは一例です。共通しているのは、「言葉で頼んだことを、言葉や資料の形にして返してくれる」という点です。細かい使い方は第3章以降で一つずつ試していきますが、まずは「文章で頼めることは、だいたい相談できる相手」というイメージを持っておいてください。
Claudeが苦手なこと
得意なことと同じくらい、苦手なことを知っておくことが大切です。Claudeを作っているAnthropic自身が、公式のヘルプページで次の2つの弱点をはっきり認めています。
- 間違った情報を、自信ありげに答えてしまうことがある(いわゆる「ハルシネーション」)
- ある時点より後に起きた出来事を知らない(学習データの締め切りが決まっているため)
1つ目について、公式のヘルプページには「Claudeは時々、不正確だったり誤解を招いたりする回答を出すことがある」とはっきり書かれています。もっともらしい言い方で、実際には存在しない情報を答えてしまうことがあるということです。大事な判断をするときほど、Claudeの答えだけを鵜呑みにせず、別の情報源でも確認する習慣をつけてください。
2つ目について、Claudeにはモデルごとに「学習データの締め切り日」が決まっています。たとえば2026年9月時点でよく使われているClaude Sonnet 5というモデルは、2026年1月までのデータをもとに学習しています。つまり、それより後に起きたニュースについては、Claude自身は知らないか、間違った推測で答えてしまう可能性があります。最近の出来事を聞きたいときは、Claude側にウェブ検索の機能を使わせる必要があります(この機能は第5章以降で扱います)。

じゃあ、Claudeの言うことはあんまり信用しない方がいいってことですか?

「鵜呑みにしない」のが正解です。文章を整えたりアイデアを広げたりする相棒としてはとても優秀ですが、人の健康やお金に関わるような重要な判断は、必ず別の情報源でも裏を取ってください。この姿勢さえ持っていれば、Claudeはかなり頼れる存在になります。
