案内文づくりに1週間かかっていませんか?AIチャットで季節商品の案内文をまとめて揃える方法
AI実用ラボ│Ai活用で入社3年役付社員
1. この記事でできること
【初心者向け】
季節商品の入れ替えの時期になると、POP、メール、SNS投稿文など、同じ商品について何本もの案内文を用意しなければなりません。
商品ごとに書き方が違い、担当者も複数いると、毎回ゼロから文章を考えているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
実際、季節商品の入れ替え時期には案内文の作成だけで1週間程度かかってしまう、担当者ごとに文章のトーンが異なるためにブランドイメージを統一できない、といった悩みが実務の場では挙げられています。
ここでいう「トーン」とは、文章の調子や語り口のことです。
同じ内容でも、「いらっしゃいませ」と丁寧に書くか、「ちょっと寄ってみませんか?」
と親しみやすく書くかで、読者が受ける印象は変わります。
トーンが揃っていないと、同じお店の案内なのに別のお店が書いたように見えてしまい、ブランドの印象がぼやけてしまいます。
この記事では、そんな案内文づくりを、AIチャット(ChatGPTやClaudeなど、文章で会話できるサービス)を使ってまとめて進める方法を紹介します。
「プロンプト」という言葉も使いますが、これはAIチャットに送る依頼文・指示文のことだと思ってください。
特別な書き方を覚える必要はありません。
この記事でできるようになることは、次のとおりです。
- 季節商品の商品名や特徴をテキストでまとめ、そのままAIチャットに貼り付けて案内文の下書きを作る
- 「丁寧語で」「親しみやすいトーンで」のように語り口を指定し、同じ商品で複数のパターンを作る
- すでに使っている案内文をお手本として渡し、新しい商品の案内文のトーンを合わせる
- できあがった複数パターンを見比べて、実際に使う1本を選ぶ
対象は、小売店・飲食店・ECなどで季節商品の案内文を担当している方で、API、コード、コマンドといった知識がなくても読み進められるように書いています。
パソコンやスマートフォンのブラウザ、またはアプリから、AIチャットの画面に文章を入力するだけで完結します。
専門的な設定や、システム同士をつなぐ連携作業は必要ありません。
用意するものは、AIチャットが使えるアカウントです。
ChatGPTやClaudeなど、無料で試せるプランが用意されていることが多いですが、条件は変わることがあるため、利用前に各サービスの公式サイトで確認してください。
この記事では、テキストを入力して会話を続ける標準的な操作だけで手順を進め、有料の追加機能は使わない前提で説明します。
この記事のゴールは、商品ごと・担当者ごとにトーンがバラバラにならない形で、季節商品の案内文をまとめて揃えられるようになることです。
自動で投稿したり配信したりする仕組みは扱いません。
あくまで「案内文のもとになる文章を、AIチャットと一緒に作って選ぶ」ところまでを対象にします。
注意点として、この記事に載せる案内文の例は、手順を説明するために作成した例示です。
実際の店舗の販売実績や、効果を測った数値ではありません。
また、AIチャットが出した文章をそのまま使うのではなく、最後は人が読んで確認し、必要なら手直しする前提で進めてください。

2. 全体の流れ
ここからは、案内文を仕上げるまでの流れを先に確認します。
作業は次の5つの段階に分かれます。
別途挿入される図も、同じ流れを示しています。
1. 商品情報をまとめる まず、案内したい季節商品の情報をテキストで書き出します。商品名、特徴、価格帯、販売期間、伝えたいことなどを、箇条書きでかまいませんので1つのメモにまとめます。AIチャットは、ここで渡した情報をもとに文章を作るため、情報が少ないと当たり障りのない案内文になりがちです。逆に、事実と違う情報を書いてしまうと、そのまま案内文に反映されてしまいます。まずは渡す情報を正しく揃えることが出発点です。
2. トーンを指定して案内文を作る 次に、まとめた商品情報をAIチャットの入力欄に貼り付け、「丁寧語で案内文を作ってください」のように、文体の指定を添えて依頼します。同じ商品情報でも、指定するトーンを変えれば、印象の違う案内文が出てきます。
3. 既存の案内文をお手本として渡す すでに自分のお店で使っている案内文がある場合は、それも一緒に貼り付けます。「この案内文と同じトーンで」と伝えることで、新しい商品の案内文も、お店のいつもの言い回しに近づけられます。担当者ごとのトーンのばらつきを抑えるための大事な段階です。
4. 複数パターンを比較する 同じ商品について、丁寧語版、親しみやすい版など、いくつかのパターンを作り、並べて見比べます。1本だけ作って終わりにせず複数出すことで、選ぶ余地が生まれます。また、担当者が複数いる場合は、同じ商品情報と同じお手本を全員が使うことで、出来上がる案内文のトーンが揃いやすくなります。
5. 担当者間で共有して使う 最後に、選んだ案内文をチームで共有し、実際のPOP、メール、SNS投稿文などに使います。どの案内文を採用したかを残しておくと、次の季節商品のときの参考にもなります。
この流れのポイントは、「商品情報」「トーンの指定」「お手本」の3つを、毎回同じように渡すことです。
担当者が変わっても同じ材料を使えば、案内文の雰囲気が大きくずれにくくなります。
なお、もし出てきた文章が思っていたのと違っても、最初からやり直す必要はありません。
トーンの言い方を変えたり、商品情報を足したりして、直前の段階に戻ってやり直せます。
上の5段階は一方通行ではなく、行き来しながら仕上げていくものだと考えてください。
3. 手順1:商品情報を渡してトーンを指定する
最初の段階である「商品情報をまとめてAIチャットに渡し、トーンを指定する」を実際にやってみましょう。
商品情報をテキストでまとめる AIチャットに渡す情報は、特別な形式である必要はありません。ふだん使っているメモ帳やドキュメントに箇条書きで書いて、コピーするだけで十分です。たとえば、次のような2つの季節商品を案内するとします。
【商品1】
商品名:秋の新作スイーツ「まるごと栗のモンブラン」
特徴:国産栗をまるごと1粒使った限定スイーツ。甘さは控えめ。
価格帯:1個 580円(税込)
販売期間:10月1日〜11月中旬
伝えたいこと:秋の午後のティータイムにぴったり。数に限りがある。
【商品2】
商品名:冬の限定ドリンク「濃厚ショコララテ」
特徴:ビターなチョコレートとミルクを合わせた温かいドリンク。
価格帯:1杯 620円(税込)
販売期間:12月1日〜1月末
伝えたいこと:寒い日に体を温めてほしい。テイクアウトもできる。
この商品は説明のための架空の例です。
実際には、自分のお店の商品名・特徴・価格帯・販売期間など、事実の情報をそのまま書き出してください。
価格や期間は案内文にそのまま入る可能性があるため、特に間違いのないように確認します。
AIチャットに貼り付けて、トーンを指定する 次に、この文章をそのままAIチャットの入力欄に貼り付け、続けて依頼文を書きます。たとえば次のような文です。
以下は当店の季節商品の情報です。お客様にメールで送る案内文を、丁寧語で作ってください。
(ここに上の商品情報を貼り付ける)
親しみやすいトーンにしたい場合は、依頼文の最後だけを変えます。
以下は当店の季節商品の情報です。SNSに投稿する案内文を、親しみやすいトーンで作ってください。
(ここに上の商品情報を貼り付ける)
「丁寧語で」「親しみやすいトーンで」のように、文体や語調を文章で指定するのがポイントです。
この指定を変えるだけで、同じ商品情報からでも印象の異なる案内文が得られます。
出てくる案内文の例 上の「まるごと栗のモンブラン」について、2つのトーンで作った場合の例を示します。これは記事用に作成した例示であり、実際の店舗の販売実績や効果を表すものではありません。
*丁寧語版(メール向け)* 「いつもご利用いただき、ありがとうございます。本日は秋の新作スイーツのご案内です。国産栗をまるごと1粒使用した『まるごと栗のモンブラン』を10月1日より販売いたします。甘さを控えめに仕上げましたので、秋の午後のティータイムにぜひご賞味ください。数に限りがございますので、お早めにお買い求めくださいませ。」
*親しみやすい版(SNS向け)* 「秋の新作、できました!国産栗をまるごと1粒使った『まるごと栗のモンブラン』です。甘さは控えめなので、午後のティータイムにぴったり。10月1日から販売スタートです。数に限りがあるので、見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。」
同じ商品でも、言葉づかいが変わると受ける印象がかなり違うことが分かります。
どちらが良いかは、出す場所(メールかPOPかSNSか)や、お店の雰囲気によって変わります。
この案内文の例も説明のために作成したものです。
実際に使うときは、AIチャットが出した文章をそのまま使わず、価格や期間、日付、店舗名などに間違いがないかを人が確認してください。
もし内容が違っていたり、トーンが思っていたのと違ったりしたら、同じ会話の中で「もっと丁寧に」「もう少し短く」「価格は入れないで」のように追加で伝えれば、やり直せます。
会話を最初からやり直す必要はありません。
うまく伝わらないときは、商品情報の書き方を変えるか、依頼文を短く区切って伝えると、意図が伝わりやすくなります。

4. 手順2:既存の案内文をお手本にして揃える
ここからは、毎回ゼロから文章を考えるのではなく、これまで使ってきた案内文を「お手本」としてAIチャットに渡す方法を説明します。
AIチャットの入力欄に文章を貼り、返答を受け取るだけなので、APIやコードの知識は必要ありません。
まず、お手本にする既存の案内文を1つ選びます。
過去のPOP、お客様に送ったメール、SNS投稿のうち、いまのお店の雰囲気に合っていて、他の商品にも広げたいトーンを選びます。
個人名、お客様の情報、未公開の価格などが入っていないことを確認してから使います。
次に、商品情報を用意します。
商品名、特徴、価格帯、販売期間、使う場所(店頭POP、メール、SNSなど)をメモしておきます。
すべてを完璧にそろえる必要はありませんが、AIチャットに渡す情報が少ないと、曖昧な案内文になりやすくなります。
プロンプト(AIチャットに送る指示文)の例です。
次の文をそのまま使い、括弧の中を自分の情報に置き換えます。
以下は、当店の案内文のお手本です。 【お手本】 (ここに既存の案内文を貼る) このお手本と同じトーンで、別の商品の案内文を作ってください。 用途は店頭POPです。 【商品情報】 商品名:(例)春の新茶 特徴:(例)香りがよく、渋みが少ない 価格帯:(例)100g 1,000円前後 販売期間:(例)4月から5月まで
お手本を渡すと、お手本に近い書き方で新しい案内文が出てくることがあります。
たとえば、お手本が次のような丁寧な文だとします。
【お手本の例】 寒い季節にうれしい、当店自慢のあったかスープ。国産野菜をじっくり煮込んだ、やさしい味わいです。数量限定でご用意しました。
このお手本と同じトーンで別商品を依頼すると、次のような案内文が出てくることがあります。
【AIチャットの出力例】 春の食卓に彩りを添える、桜えびのかき揚げ。香ばしい風味と、ふんわりとした食感をお楽しみください。旬の時期だけのご用意です。
これらは記事用に作成した例示であり、実際の店舗の販売実績や効果を測ったものではありません。
大切なのは、お手本と似た語尾や雰囲気になっているかを確認することです。
期待と違った場合は、AIチャットに続けて次のように指示します。
お手本に近づけてください。 「です・ます」はそのままにして、感嘆符は使わず、2文にまとめてください。 商品の特徴は「香りがよい」を残してください。
このように、一度で決めようとせず、会話を続けて調整します。
作った指示文とお手本は、このあとの手順3で「お店の定型プロンプト」としてメモにまとめ、他の担当者とも共有します。
5. 手順3:複数パターンを比較して選ぶ・共有する
同じ商品情報に対して、トーンを変えた案内文を複数作ると、チームで比べながら選べます。
小売現場では、AIが語調や構成を切り替えて複数パターンの文章を生成し、チーム内で比較検討することで、資料品質の標準化が進むという事例が紹介されています。
ここでは、その考え方を使って、季節商品の案内文をまとめて揃える方法を説明します。
まず、商品リストを用意します。
複数の季節商品を並べて、商品名、特徴、価格帯、販売期間、用途をメモします。
次に、同じ商品情報を変えずに、トーンだけを変えてAIチャットに依頼します。
プロンプトの例です。
次の商品について、案内文を3パターン作ってください。 1つ目は、丁寧語で落ち着いたトーン。 2つ目は、親しみやすいトーン。 3つ目は、SNS投稿向けに短く。 【商品情報】 商品名:(例)新茶 特徴:(例)香りがよく、渋みが少ない 価格帯:(例)100g 1,000円前後 販売期間:(例)4月から5月まで
出力された案内文は、紙や共有メモ、表計算ソフトなどに横並びで貼り付けます。
比較するときは、次の点を見ます。
- お店の雰囲気に合っているか
- お客様が読みやすいか
- 商品名、特徴、価格帯、販売期間など、必要な情報が入っているか
- 言い過ぎや誇張がないか
- 用途に対して長すぎたり短すぎたりしないか
たとえば、同じ新茶でも次のような違いが出ます。
いずれも記事用の例示です。
【丁寧語版の例】 新茶の季節がやってまいりました。豊かな香りと、やわらかな甘みをお楽しみください。数量限定でご用意しております。
【親しみやすい版の例】 新茶が入荷しました! 香りがよく、渋みが少ないのがポイントです。春のティータイムにいかがですか。
【SNS短文案の例】 新茶入荷。香り豊かで、渋み少なめ。春限定です。
チーム内で検討するときは、全員が同じ基準で見られるようにします。
たとえば「今回は丁寧語で、感嘆符なし、一文は短め」と先に決めておくと、選びやすくなります。
複数パターンを作る目的は、たくさん作ることではなく、お店に合う1本を選び、他の季節商品にも同じトーンを広げることです。
実際に使う1本を選んだら、そのトーン指定文とお手本を「お店の定型プロンプト」としてメモに残します。
例は次のとおりです。
【お店のトーン】 ・丁寧語で、落ち着いた雰囲気。 ・感嘆符は使わない。 ・一文は短め。 ・お客様を急かす表現は使わない。 【お手本】 (既存の案内文を貼る) 【依頼】 以下の商品情報をもとに、店頭POP用、メール用、SNS用の案内文を作ってください。 商品名: 特徴: 価格帯: 販売期間:
この定型プロンプトを共有メモに置き、「商品情報だけを入れ替えて使う」と書き添えます。
担当者ごとに指示文が違うとトーンもばらつくため、定型化はトーン統一に役立ちます。
成功の見分け方は、複数の季節商品の案内文を並べたとき、語尾や敬語の強さ、文章の長さ、全体的な雰囲気がそろっていることです。
また、チーム内で「このトーンで統一する」と合意できていれば、担当者が変わっても迷いにくくなります。

6. よくある失敗と注意点・まとめ
AIチャットは案内文の下書きを作るのに便利ですが、そのまま使うと失敗することがあります。
よくある失敗と対処を確認しておきましょう。
失敗1:AIが出した案内文をそのまま使ってしまう 商品情報の誤りや不自然な表現が残ることがあります。価格、販売期間、商品名、特徴、在庫状況などは、必ず元の商品情報と照らし合わせて人が最終確認します。もし誤りがあれば、正しい情報をAIチャットに送り直して再作成するか、人が直接直します。不自然な言い回しがあれば、お手本に近づけるよう指示を追加します。
失敗2:個人情報や未公開の価格情報を貼ってしまう AIチャットに貼る前に、お客様の名前、連絡先、住所、社内メモ、未公開の価格、取引先の情報などを除きます。必要な商品情報だけを貼るようにします。もし不安な情報が含まれている場合は、貼らずに上司や担当者に確認します。貼ってよいかの判断に迷ったら、いったん作業を止めて、お店のルールに従ってください。
失敗3:担当者ごとに指示文が違って、トーンがそろわない 「丁寧語で」「親しみやすく」などの言い方が人によって違うと、出力もばらつきます。対策は、お店の定型プロンプトを作り、お手本と一緒に共有することです。新しい担当者には、定型プロンプトの商品情報だけを入れ替えてもらいます。
失敗4:複数パターンを作りすぎて選べない パターンが多すぎると、チーム内で意見が分かれます。先に「丁寧語」「感嘆符なし」「一文は短め」などの基準を決め、その基準に合うものを選びます。用途が違う場合は、トーンは変えずに長さだけを調整します。
失敗5:内容の確認を後回しにする 案内文を先に作り、商品情報の確認を後回しにすると、修正が増えます。先に商品名、特徴、価格帯、販売期間を正しくメモし、それをAIチャットに渡します。出力後も、もう一度元の情報と見比べます。
まとめ この記事でできるようになったことを整理します。
- 季節商品の案内文は、商品情報をAIチャットに貼り、トーンを指定して下書きを作れる。
- 既存の案内文をお手本として渡すと、担当者が変わっても同じトーンに寄せやすくなる。
- 同じ商品情報で複数パターンを作り、チームで比較して1本を選ぶと、トーン統一と品質の標準化につながる。
- 決めた指示文とお手本は「お店の定型プロンプト」としてメモに残し、他の担当者と共有する。
- AIの出力はそのまま使わず、人が商品情報の誤り、不自然な表現、機密情報の混入を最終確認する。
参考にした情報:
- hachimakivenda.com「がんばらない生成AI活用、チラシ・案内文の下書きをすぐ作る」
- ecbeing.net「AIで変わる商品説明文の作り方」
- digirise.ai「小売×生成AI プロンプト・スクショ事例15選」
初心者にも分かりやすいAI活用情報をこれからもお届けします。
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