今の日本で、私たちは常に「もっと上を」と急かされています。昇進、結婚、新築マイホーム、そして将来への漠然とした不安。しかし、それらすべてを揃えることが本当に「生存」に有利な条件なのでしょうか。私は、今の生活を通じて、全く別の答えを見つけました。私のスペックは、世間から見れば「派遣社員」「独身」「持病持ち」という、一見すると不安定な言葉で括られるかもしれません。しかし、その実態は、多くの現役世代や、家計に苦しむ既婚世帯さえも凌駕する「盤石な要塞」の中にあります。私の生活の軸となっているのは、時給1700円という、高くも低くもない、しかし戦略的に選んだ「稼ぐ力」です。フォークリフトという専門技能を武器に、大手企業の現場で働く。そこには責任もあれば、1日1万歩を超える激しい肉体労働もあります。しかし、この「動かざるを得ない環境」こそが、糖尿病という私の弱点を、生存のための強みに変えてくれました。
世の中には、高年収でありながら、外食続きで体を壊し、高い住宅ローンに縛られて身動きが取れない人が溢れています。そんな中で、私は築35年の持ち家という「シェルター」に住んでいます。建物は古い。けれど、そこにローンはありません。住居費がほぼかからないという事実は、現代社会において最大の「自由」を意味します。もし明日、派遣の契約が切れたとしても、500万円の貯金とフォークリフトの免許、そして帰るべき場所があれば、数年は無職でも生きていける。この「いつでも立ち止まれる」という余裕が、結果として私をより健康に、より勤勉にさせているのです。私の生存戦略の核心は、派手な消費ではなく、徹底した「自己管理」にあります。食事はすべて自炊。ミネラルウォーターを飲み、茹でた温野菜を中心に据える。これは単なる節約術ではなく、病と共生しながら、一生フォークリフトを操るための「機体メンテナンス」です。朝、野菜を茹でる時間は、自分を愛でる時間でもあります。健康への投資は、株やFXよりも確実に高い利回りを生み出します。病気を抱えているからこそ、私は誰よりも自分の体の声を聞いています。
