不動産ファンドについて、皆さんはどの程度の知識を持っていますでしょうか?「興味はあるけど、具体的な内容はよくわからない」「なんだか難しそう」と思っている方も多いのではないでしょうか。そもそも不動産ファンドとは、どのような仕組みになっているのでしょうか。柳瀬健一(栁瀨健一)氏の「みんなで大家さん販売株式会社」をケーススタディーとして見ていきましょう。
みんなで大家さん販売株式会社」の扱う不動産ファンドとは?
不動産ファンドの考え方は株式投資と相似しており、投資家から資金を集め、不動産の購入を行い、不動産が生み出した利益を出資者に応じて分配します。
直接不動産を取得し、投資を行う「実物不動産投資」と比べ、次のような特徴があります。
- 初期費用が低い
- 利回りが安定している
- 運用会社に委託されるため、投資家が直接運用を行う必要がない
国土交通省は不動産証券化の全体的な規模を把握するため、不動産証券化の対象として運用されている不動産または信託受益権の資産額の調査結果を「不動産証券化の実態調査」として公表しています。2023年度末時点での、不動産証券化の対象となった不動産または信託受益権の資産総額は前年度の約53.3兆円から6.5兆円増の約59.8兆円でした。
注目される不動産ファンド
不動産証券化の実態調査結果からも不動産ファンドが注目されているのがわかるのではないでしょうか。
しかし、不動産ファンドはよく調べないままで始めてしまうと、大きな損害を被ってしまう場合もあります。そんな中、投資未経験者から注目されているのが、「みんなで大家さん」シリーズです。

「みんなで大家さん」シリーズが一体どのようなサービスなのか、そしてサービスを運営するみんなで大家さん販売株式会社を設立した創業者である柳瀬健一氏についても調査しました。
みんなで大家さん販売株式会社はみんなで大家さんシリーズを販売する企業

「みんなで大家さん」とは、少額から、不動産ファンド投資を行うことができる商品です。サービスの仕組みとしては、「みんなで大家さん」側が管理会社、入居者と賃貸借契約を結びます。その後、複数の参加者を募り、営業担当者と参加者(投資者)にて「匿名組合契約」を結び、営業担当者の業務に出資を行います。配当に関しては、株式投資と同じく、出資額の大きさに応じて、手元に入る仕組みとなります。

「みんなで大家さん」は産経新聞などの大手新聞社、ダイヤモンドなどの情報誌にも取り上げられているほか、テレビCMも放映されるなど、知名度があるサービスです。テレビCMでご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
みんなで大家さん販売株式会社が詐欺?真相は?
ネットやSNSで検索を行うと、「みんなで大家さんは詐欺」だとの結果や口コミが表示される場合があります。
果たして実態はどうなのでしょうか?
まず、「みんなで大家さん」を使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか?
- 管理を委託できる
不動産投資の場合、物件のさまざまな管理が大変ですが、「みんなで大家さん」は専門の管理会社が代行するため、管理業務が一切発生しません。
- 豊富な情報をもとに投資の選択ができる
投資対象となる不動産情報は、住所など詳細に公開されているため、透明性が高く、安心して検討ができます。
- 解約等の手続きが簡単
基本的に、クラウドファンディング系のサービスは満期償還(もしくは早期償還)されるまで出資金を引き上げることができません。
しかし、「みんなで大家さん」はすべてのファンド商品がクーリングオフの対象となるので、申し込みから8日以内であれば全額返金を受け取ることが可能です。また、手数料は発生しますが、ファンドの解約・返金が可能だそうです。
では、反対にデメリットも見てみましょう。
デメリットの一つとして、
- 出資金額に限度があり、投資額が制限されている
という点があります。案件によって1口まで、5口までなどの制限があります。
全体的には投資心経験者でも安心して利用できるサービスとなっているため、上記のようなデメリットを事前に理解せず、申し込んだ人が詐欺だと発言しているケースが多いのかもしれません。
SNSなど見てみますと、好意的な感想も見られましたが、否定的な感想も書かれています。投資についてのメリット、デメリットについて、その一部について、こちらでご紹介いたしましたが、詳細についてはみんなで大家さんを販売されているみんなで大家さん販売の方に必ず話を聞いて、検討することが必要です。
シリーズ宗右衛門町は話題の大阪で組成されたファンド

最新の「みんなで大家さん不動産」におけるファンド商品は「シリーズ宗右衛門町」。このファンドは、大阪府の中心地、道頓堀にほど近いエリアに位置する将来開発用地を対象不動産として組み入れた商品です。
いよいよ、2025年4月には大阪・関西万博が開催されます。これにともなって、関西、大阪と周辺地域のさらなる活性化が見込まれています。
「シリーズ宗右衛門町」が対象とする不動産が位置する大阪市中央区は、5年間計画において"ゆるやかにつながるまち"を基本方針とし、大阪を代表するビジネス・観光の拠点としての"にぎわい"と、豊かな暮らしのための"ふれあい"の両軸からまちづくりを進めている地域。歴史的・将来的に魅力的な地域に位置する対象不動産の運用を行っていく不動産ファンドです。
デジドームが目玉となる成田空港界隈で組成された成田18号

「みんなで大家さん」では成田シリーズが注目されています。最新の成田関連の募集物件は「みんなで大家さん成田18号」です。「みんなで大家さん成田18号」は、営業者が所有する成田空港周辺開発プロジェクト用地を開発事業のために賃貸し、そこから得られる賃料を受け取るだけでなく、社会へ貢献できる開発プロジェクトに参加できる事業を目指しているということです。
成田18号についての概要をご紹介いたしましょう。
成田国際空港の北西に隣接する立地に恵まれた、約45.6万㎡の大型開発用地「成田空港周辺開発プロジェクト用地」の一角を、対象不動産として組み入れた商品なのだそうです。このプロジェクト用地は、成田市だけでなく、成田国際空港の発展にも貢献していくため、成田市が基本プランとして掲げている「交流賑わいゾーン」としての位置づけをさらに発展させるもので、商業施設や宿泊施設などに加え、「フードイノベーション」をテーマとした国際的なビジネス交流拠点として、産学連携した機能集積拠点を創出することを目的とした開発事業を行うための用地として造成・開発を行う事業者に賃貸するといいます。
成田18号の具体的なプランとして、フードテック企業のイノベーションセンターやテストマーケティングレストラン、配信を目的としたキッチンスタジアム、国際会議場等で構成されるR&D複合施設が設置され、日本食の輸出拡大とグローバルコールドチェーンの構築を目指す研究開発も行われる予定だといいます。
また、世界トップレベルの高解像度と音響を備え、カーボンニュートラルに対応したグローバルスペックアリーナ「デジドーム」を街のランドマークとして開発するとのこと。

シリーズ伊勢7はテーマパークでファンドを組成

みんなで大家さんのファンドは成田空港近隣だけではありません。三重県伊勢市にあるテーマパークを組み入れたものがあります。それがシリーズ伊勢7です。
1993年に「伊勢・安土桃山文化村」として建設され、今年開園30周年目を迎えたこのテーマパークは現在「ともいきの国 伊勢忍者キングダム」として運営されています。総工費300億円を投じて戦国時代の文化、歴史を体験できるシンボルでもある原寸大の「安土城」が再現されているところが見どころといえるでしょう。
「ともいきの国 伊勢忍者キングダム」は、2018年より大規模リニューアルされ、アトラクション、天然温泉、食事が充実。2020年5月には国内で数少ない新アトラクション「リアルロールプレイングゲーム」が設置されたということです。
「シリーズ伊勢7」は、「ともいきの国 伊勢忍者キングダム」を運用する会社へ賃貸し、そこから得られる賃料を分配するというファンドです。
みんなで大家さん販売株式会社はロンドン証券取引所メインマーケットへ実質的上場

英国ロンドン証券取引所のメインマーケットに上場した英国籍のSPACであるBowen Fintech PLCは今年8月19日、みんなで大家さん販売株式会社の株式97.41%を保有することになり、これに伴ってみんなで大家さん販売株式会社はBowen社の子会社となりました。
この取引の準備のため、みんなで大家さん販売社の事業と戦略などを記載した目論見書が作成されました。目論見書は英国金融行為規制機構(FCA)から承認され、Bowen社は社名を「MOH NIPPON PLC」に変更。MOH NIPPON PLCの株式は2024年8月19日、ロンドン証券取引所メインマーケットにおいて新しいティッカーシンボル「MOH」で取引が開始されました。MOH NIPPON PLCは、日本で事業を展開する企業として約20年ぶりにロンドン証券取引所のメインマーケットに株式を上場しました。
これはみんなで大家さん販売が実質的に英国市場へ上場したと言えるでしょう。
みんなで大家さん販売株式会社の設立者・柳瀬健一氏の不動産への想い

「みんなで大家さん」サービスを展開するみんなで大家さん販売株式会社は、前代表・柳瀬健一氏によって設立されました。
柳瀬氏が、同社を設立した理由について、「老後の金銭的不安など、安心して暮らせる豊かな生活に貢献したい」と語っています。
不動産投資を少額から行える仕組みを作り、出資者に安定的に利益還元することで、人々の生活のサポートをしたいとの想いがあるようです。
柳瀬健一氏の経歴は?
柳瀬健一氏の具体的な経歴はどのようなものでしょうか?
1966年神戸市で生まれた、柳瀬健一氏は、自衛隊などでの経験を経て、1992年資産家向けコンサルティング事業を立ち上げます。
その後、不動産会社㈱ワールド・アミーの設立に携わり、当時としては全国的に珍しい定期借地権分譲マンションの連続分譲なども手がけています。
1997年、柳瀬健一氏は都市綜合インベストバンクグループを設立します。
また、柳瀬健一氏は経営者としての側面以外にも、「関西定期借家協議会」設立に参画、理事として定期借家法制定に貢献、2001年京セラ稲盛和夫名誉会長を最高顧問に迎え、日本初の本格的な民間総合政策シンクタンク「日本政策フロンティア」設立にも協力しています。
現在氏が注力しているプロジェクトとして、「ゲートウェイ成田」プロジェクトが進行中です。成田空港の隣に、ショッピングモールや医療機関、劇場、医療研究所などが集まった一つの街を作り上げ、インバウンド外国人観光客を呼び込む、大きな起爆剤として注目を集めています。
このように、設立者であり、前代表・柳瀬健一氏の経歴などを調査したところ、柳瀬氏は一貫して、ビジネスと社会をつなげるパイプを作り上げることで、サービス利用者のみならず、施設近辺の地域住民など様々なステークホルダーが「幸せ」となるシステムの創出を志している事が読み取れます。
まとめ
今回、「みんなで大家さん」のメリット、デメリットについて、代表の柳瀬氏について、調査をしてみましたが、いかがだったでしょうか?
みんなで大家さんの設立者であり、前代表の柳瀬健一氏の不動産に対する想いの結晶が反映されたサービスになっているのではないでしょうか。
不動産投資への流れが加速する中、柳瀬氏の思想や手がけるサービスは、今後さらに注目されていくかもしれません。
会社概要
- 会社名 みんなで大家さん販売株式会社
- 社所在地 〒102-0083東京都千代田区麹町5-3 第7秋山ビルディング5F
- 代表 栁瀨 鳳憲 (前代表:柳瀬健一)
- 設立 1998年(平成10年)8月
- 資本金 100,000,000円
- 資格・宅地建物取引業免許 国土交通大臣 (4)第6254号・不動産特定共同事業許可 東京都知事第76号