本講座「医師のための金融リテラシー講座」(有料Tips記事)は、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表している「金融リテラシー・マップ」の4分野(家計管理、生活設計、金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択、外部の知見の適切な活用)に準拠し[1]、理数系の素養を持つ医師に向けて、理論と実践をバランスよく織り交ぜて構成した、医師のための金融リテラシー教材です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
インターネットやSNS、生成AIが普及した現在では、「お金」について知りたいことがあれば、少し調べるだけですぐに『答え』を得ることができます。
『答え』の例:
「NISAはやったほうがいい」
「医師ならiDeCoも活用したほうがいい」
「不動産投資は節税になるからやったほうがいい」
「外貨建て保険は利率が高くてお得」
もちろん、何か疑問が生じるたびに、その都度必要な情報を調べていくというやり方も悪くありません。
しかし、一度、体系的に金融知識を学んでおき、それをいつでも見返せる形で手元に保存しておいた方が、金融リテラシーを上げるためにも、実践に活かすためにも有用なのではないでしょうか(医学知識についてもそうですよね)。
そのような学びの一助となるよう、エッセンシャルかつ体系的な金融知識を、医師のキャリアや働き方に当てはめ、具体例を交えながら、全10章にわたって解説したのが本講座になります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
なぜ「医師のため」なのか
医師は「お金について何も知らない人」ではありません。
むしろ、医師としてある程度働いていれば、一定以上の収入があると思われますし、NISAやiDeCoを活用している方も多いでしょう。様々な保険に加入している方や、不動産投資をしている方もいらっしゃると思います。
それでも、「なぜこの金融商品を選んだのか」「なぜこの税制はこのような仕組みになっているのか」「この判断によって将来のキャッシュフローがどう変わるのか」まで説明できる方は、そこまで多くないのではないでしょうか。
また、「後から考えれば不要な投資であった」「人から勧められたままに買わなければよかった」と後悔している方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これらは医師本人の能力の問題というより、単純に私たちが金融知識を体系的に学ぶ機会が少なかったからだと思います。
医学部6年間、そして初期研修・専攻医としての教育期間は、他の高所得専門職と比較しても長く、かつ内容が医学知識と臨床技能の習得に極度に特化しています。この期間、私たちが一般的な金融・ビジネスの基礎教育に触れる機会はほとんどありませんでしたし、そのような講義があったとしても、医師として脂が乗り始める頃にはその内容が忘却の彼方へ消え去っている可能性が高いです。
そして、医師の場合はもう一つ難しいところがあります。
医師は、日本において最も高い平均年収を得ている職業の1つです。そして、所得が増えるほど、税金や社会保険、資産運用、民間保険、不動産、相続など、お金に関する意思決定は複雑になっていきます。
勤務医であっても、常勤先に加えて非常勤先を掛け持ちしたり、不動産投資を始めたりすることがあるでしょう。
開業すれば、さらに「事業所得」「設備投資」「スタッフの給料」「法人化」「事業承継」など、勤務医時代には考える必要のなかったことが一気に増えていきます。
つまり医師は、金融を学ぶ機会がほとんどないにもかかわらず、複雑な金融判断を迫られる場面に直面しがちなのです。
「これだけ勉強して、これだけ働いて、これだけ稼ぐようになったのに、お金のことについては誰にも教えてもらっていない。」
医師は、このギャップを埋め、自身の資産を守るためにも、各人が気づいたタイミングで体系的な金融知識を学び、一定の金融リテラシーを獲得することが必要であると私は思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この講座の考え方
本講座では、特定の企業が提供する特定の商品やサービスを勧めることを目的としていません。
あくまで一定のコンセンサスがある範囲内で、家計管理、NISAやiDeCo、保険、住宅ローン、不動産、年金、税金など、医師が日常的に関わる可能性のあるテーマについて、制度の仕組みや、その背景にある考え方を解説するという内容になっています。
そして、各人が具体的な金融商品や公的制度に直面したタイミングで、「なぜそれを選ぶのか」を自分の頭で考えられるようになることを目指しました。
また、資産形成の実践においては、「そもそもこの判断は自分だけでしてよいのか、専門家にアドバイスを求めるべきなのか」と考え、一旦立ち止まることも大切です。
そのため、最後の第10章では、税理士、FP、IFAといった外部の専門家についても扱いました。
「自分で判断できることと、専門家に任せるべきことを区別できるようになること」も、金融リテラシーの重要な一要素だと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
全体の構成
本講座は、以下の10章で構成されています。
- 家計管理の基礎
- ライフプランニング
- 金融トラブルを防ぐために
- 金融分野の基礎的な知識
- 保険商品について考える
- ローンとクレジット
- 資産形成商品
- 公的年金制度の基礎
- 税金の仕組みと確定申告
- 各専門家との付き合い方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注意点
本講座は、購入者の方々のニーズや公的機関の動向に応じて適宜アップデートを行う予定ですが、基本的には2026年9月時点の情報に基づいて作成されている点については、ご了承ください。
実際に金融商品を購入したり、税務上の手続きを行ったり、開業・法人化などの重要な意思決定をしたりする際には、ご自身でその時点での最新情報を確認してください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<出典>
[1] 「金融リテラシー・マップ」金融経済教育推進機構 J-FLEChttps://www.j-flec.go.jp/conference/literacy_map/

