戦争関連PTSDについて

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
PTSDの人にも寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
日本人にはあまりなじみがありませんが、戦争に関連したPTSDは、海外では深刻な問題の一つです
軍隊では「生きるか死ぬか」の極限状態を経験しており、日常生活とのギャップに適応するのが難しいです
退役後の仕事でストレス耐性が低下し、怒りや不安を抑えられないことがあります
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1. 特徴
戦争関連の心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、戦場での経験や戦争の影響を直接受けた人々に発生する精神障害の一種である
兵士だけでなく、戦争を生き延びた民間人や、戦後に家族を失った人々にも見られる
戦争は極端なストレス環境を生み出し、生命の危機や仲間の死を目の当たりにすることで精神に深刻な影響を与える
戦闘中に感じた恐怖や無力感が、長期にわたって心に刻まれ、日常生活に支障をきたすことがある
2. 一般的な症状
戦争関連PTSDには、以下のような症状が見られる。
- フラッシュバック:戦場での体験が突然よみがえり、まるでその瞬間に戻ったかのように感じる。
- 回避行動:戦争を連想させる場所や出来事を避ける。戦争映画や銃声の音に極端な恐怖を感じることがある。
- 過覚醒状態:常に警戒心が強く、突然の音や動きに過剰に反応する。
- 睡眠障害:悪夢や不眠に悩まされることが多い。
- 抑うつ感や無力感:戦争の経験がもたらす絶望感や罪悪感に苦しむことがある。
- 攻撃性や衝動的な行動:些細なことで怒りやすくなり、暴力的な行動をとることもある。
- 社会的孤立:戦争を知らない人々と共感できず、孤独感を強く感じる。
3. 特殊な症状
戦争関連PTSDには、一般的なPTSDとは異なる特徴的な症状が見られる。
- サバイバーズ・ギルト(生存者の罪悪感):仲間が亡くなったにもかかわらず自分だけが生き残ったことへの罪悪感を抱く。
- 戦闘モードの持続:戦闘が終わった後も、戦場にいるかのような感覚が続く。
- 戦争の夢:戦闘中の場面が夢に現れ、何度も繰り返し見ることがある。
- 解離症状:現実と過去の区別がつかなくなり、突然戦場にいるかのように感じることがある。
4. 歴史
戦争に関連する精神的な影響は、古代から記録されているが、正式に「PTSD」として認識されたのは比較的最近のことである。
古代~19世紀
- 古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、戦争に参加した兵士が極度の恐怖と精神的衰弱を経験することを記録している。
- 19世紀には「戦争神経症」と呼ばれ、戦場での心理的負担が研究されるようになった。
20世紀初頭
- 第一次世界大戦では「シェルショック」として知られ、爆撃や戦闘による心理的影響が問題視された。
- 第二次世界大戦後には「戦争後神経症」として研究が進められたが、当時は精神的弱さの表れと見なされることもあった。
ベトナム戦争とPTSDの概念化
- ベトナム戦争帰還兵の精神的問題が注目され、1970年代にPTSDという概念が形成された。
- 1980年、アメリカ精神医学会がDSM-IIIにPTSDを正式に分類。
現代の戦争とPTSD
- イラク戦争やアフガニスタン戦争の退役軍人にも多くのPTSD患者が報告されている。
- 近年では、戦争被害者や難民にもPTSDが発症するケースが増加しており、国際的な支援の必要性が高まっている。
戦争関連PTSDは、個人だけでなく社会全体に影響を与える重要な問題であり、歴史的に繰り返されてきた戦争の影響として理解されるべきものである
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