強迫観念(Obsessions)とは何か

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
「そんなの気にしすぎでしょ」と言ってしまう人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
強迫観念は、「頭から離れない考え」に振り回される脳の働きです
特に、人が最も従いやすい「恐怖心」です
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強迫観念(Obsessions)とは
強迫観念(Obsessions)とは、自分の意志とは無関係に、繰り返し頭に浮かび、拭い去ることができない考えやイメージ、衝動のことを指す 多くの場合、その内容は不快で不安をかき立てるものであり、本人は「馬鹿げている」「不合理だ」と理解していても、どうしても頭の中から追い払えない
強迫観念は、強迫性障害(OCD: Obsessive-Compulsive Disorder)の中心的な症状のひとつであり、「強迫行為(Compulsions)」と組み合わさって現れることが多い たとえば「手が汚れている気がしてならない」という強迫観念に対して、「何度も手を洗わないと気が済まない」という強迫行為が続く
しかし、強迫観念だけが目立ち、行動として表に出にくいタイプのケースも存在する そうした場合、周囲は気づきにくく、本人も「考えすぎているだけ」「自分の性格の問題」と誤解してしまいやすい
強迫観念の具体例と症状のパターン
強迫観念の内容には個人差があるが、いくつかの典型的なテーマがある
・汚染や病気に対する過剰な不安(ばい菌、毒物、ウイルスなど)
・加害的なイメージ(誰かを傷つけてしまうかもしれないという恐怖)
・宗教的・道徳的な罪悪感(不謹慎な考えが浮かんでしまう)
・秩序へのこだわり(左右対称でなければ落ち着かない、数を数え直してしまう)
・性的な内容(望まない性的なイメージが頭に浮かぶ)
・自己否定的な思考(自分は恐ろしい人間だと思い込んでしまう)
これらの考えやイメージは、相談者の価値観や道徳観に反する内容であることが多く、そのために強い不快感や罪悪感を伴う たとえば、普段は温和で優しい性格の人が、「自分が突然誰かを刺してしまうのではないか」というイメージに悩まされることがある
本人は「そんなことをするはずがない」と分かっているが、それでもその考えが頭から離れない その矛盾によって苦しみが深まり、「こんな考えを持つ自分は異常だ」と思い込んでしまう
強迫観念がもたらす日常生活への影響
強迫観念が続くと、日常生活にさまざまな支障が出てくる
たとえば、ドアを閉めたかどうかが気になって出かけられない ガスの元栓を何度も確認しても「まだ不安」が消えず、外出が遅れたり、何度も家に戻ったりする 確認行動が繰り返されることによって、仕事や人間関係にも影響が及ぶようになる
また、他者には見えない「頭の中の確認行動(メンタル・リチュアル)」として、心の中で何度も数字を唱える、特定の言葉を心で繰り返す、自分の考えを「打ち消す」思考をするなどの行動も見られる
このような内的な反復行動は表からは見えないため、周囲が気づきにくく、本人の孤立感や苦しさはさらに増していく
特殊なパターンと誤診されやすさ
強迫観念は、他の精神疾患と区別がつきにくい場合がある
たとえば、統合失調症における妄想とは似て非なるものだ 強迫観念のある人は、自分の考えが現実的でないことを理解している(病識がある)が、妄想ではそれが現実であると確信している
また、発達障害(とくに自閉スペクトラム症)に伴って「こだわり」が強い人が、強迫観念に近い状態になることもある こうしたケースでは、こだわりと不安の境界が曖昧になり、評価や支援の方法が難しくなる
さらに、うつ病においても強い自己否定や「不安な考え」が繰り返されるが、強迫観念とは質が異なる うつ病の反芻思考は、自己否定の連鎖のように現れ、強迫観念のような突発的なイメージや衝動ではない
治療と心理カウンセリングのアプローチ
強迫観念に対する治療では、認知行動療法(CBT)の中でも「曝露反応妨害法(ERP: Exposure and Response Prevention)」が最も効果的な方法とされている
このアプローチでは、強迫観念によって引き起こされる不安を意図的に体験し、その不安を和らげるための行動(強迫行為)を控える練習を行う たとえば、「手が汚れている気がしても、あえて洗わずに耐える」といった方法だ
心理カウンセリングの場では、このような練習に取り組む前に、不安や恐怖を細かく言語化し、「その思考が本当に起こる可能性はどれくらいあるか?」といった視点で客観化していく段階を重視する
また、自己否定感が強い相談者には、「不快な考えが浮かぶこと」と「その考えを現実に行動に移すこと」はまったく別物であるという認識を丁寧に育てていくことが大切だ
薬物療法としては、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が第一選択となる 不安を軽減し、思考のコントロールを助ける効果がある ただし、薬だけで完全に解消することは少なく、心理カウンセリングとの併用が基本となる
「考えてはいけない」が生み出す苦しみ
強迫観念は、「考えたくない」「考えてはいけない」という意識が強ければ強いほど、その思考を頭から追い払えなくなるという逆説的な性質をもっている
そのため、治療と回復のプロセスでは、「考えを消す」のではなく、「考えが浮かんでも、距離をとって眺める」力を養うことが求められる 思考を思考として扱い、それに巻き込まれない習慣を身につけることが、強迫観念とのつき合い方につながっていく
心理カウンセラーは、相談者がその苦しみを「共有できるもの」として言葉にできる場を提供し、思考に振り回される生活から少しずつ自分の手に日常を取り戻していくプロセスを支えていく
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