心的外傷後ストレス障害(PTSD)について

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
PTSDの人にも寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
PTSDのかたは、映画だとよくみかけます
PTSDはパニック障害に似ていますが、発症の原因や症状に違いがあります
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1. 特徴
心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder, PTSD)は、生命の危機を感じるような強いストレス体験の後に発生する精神障害の一つである。戦争、虐待、事故、災害などのトラウマ的な出来事が原因となり、長期間にわたってフラッシュバックや過剰な警戒心、不安症状などを引き起こす。
PTSDは、一度発症すると、日常生活や社会活動に大きな支障をきたすことがある。症状の現れ方には個人差があり、トラウマ体験からすぐに発症する場合もあれば、数カ月から数年後に発症することもある。
2. 一般的な症状
PTSDの主な症状は以下のように分類される。
再体験症状(フラッシュバック).
- 過去のトラウマ体験を鮮明に思い出す
- 悪夢として再現されることが多い
- 関連する刺激(音、匂い、場所など)によって突然トラウマが蘇る
回避症状
- トラウマ体験を思い出させる状況や場所を避ける
- PTSDに関連する会話や映像を回避する
- 感情が鈍麻し、他者との交流を避ける傾向が強くなる
過覚醒症状
- 常に警戒心が強くなり、些細な音や動きに敏感に反応する
- 睡眠障害や集中力の低下を伴う
- 突然の怒りや過剰な驚き反応が見られる
否定的な認知と気分の変化
- 自己否定感が強まり、罪悪感や無力感に苛まれる
- 他者への信頼感が低下し、孤立しやすくなる
- 興味や喜びを感じる能力が低下する
3. 特殊な症状
PTSDの症状は一般的なものだけでなく、個人によって異なる特殊な症状が見られることがある
解離症状
- 現実感が薄れ、周囲の出来事を遠く感じる
- 自分が自分でないように感じる「離人感」を経験する
身体症状
- 頭痛、消化器系の不調、慢性的な痛みを伴うことがある
- ストレスによる免疫力低下が見られる
遅発性PTSD
- トラウマ体験後、数年経ってから症状が現れることがある。
- 軍人や被災者などに多く見られる。
パニック障害との違い
1. 原因の違い
- PTSD → **過去のトラウマ(外傷体験)**が原因戦争、虐待、犯罪被害、災害、事故、いじめなどの強烈なストレス体験によって発症
- 戦争、虐待、犯罪被害、災害、事故、いじめなどの強烈なストレス体験によって発症
- パニック障害 → 明確な外傷体験がなくても発症する強いストレスや不安、体質的な要因によって、突然激しいパニック発作が起こる
- 強いストレスや不安、体質的な要因によって、突然激しいパニック発作が起こる
2. 発作の起こり方の違い
- PTSDフラッシュバック(過去のトラウマが映像のようによみがえる)過去の出来事を思い出す状況(音・匂い・場所など)で症状が悪化恐怖・不安・怒り・無気力などが続く
- フラッシュバック(過去のトラウマが映像のようによみがえる)
- 過去の出来事を思い出す状況(音・匂い・場所など)で症状が悪化
- 恐怖・不安・怒り・無気力などが続く
- パニック障害予期しないタイミングで突然、激しいパニック発作が起こる動悸、息苦しさ、めまい、冷や汗、「このまま死ぬのではないか」という強烈な恐怖発作は数分~数十分でピークを迎え、やがて落ち着く
- 予期しないタイミングで突然、激しいパニック発作が起こる
- 動悸、息苦しさ、めまい、冷や汗、「このまま死ぬのではないか」という強烈な恐怖
- 発作は数分~数十分でピークを迎え、やがて落ち着く
3. 持続する症状の違い
- PTSDトラウマに関連するものを避ける行動(回避行動)フラッシュバックや悪夢、集中力の低下、情緒不安定無気力や抑うつ状態が続くこともある
- トラウマに関連するものを避ける行動(回避行動)
- フラッシュバックや悪夢、集中力の低下、情緒不安定
- 無気力や抑うつ状態が続くこともある
- パニック障害突然の発作が**「また起こるのではないか」**という不安(予期不安)が強くなる広場恐怖(発作が起こった場所や逃げられない場所を避ける)が生じることもある
- 突然の発作が**「また起こるのではないか」**という不安(予期不安)が強くなる
- 広場恐怖(発作が起こった場所や逃げられない場所を避ける)が生じることもある
4. どんな時に発作が起きるか?
- PTSD → トラウマに関連するものに触れた時例)戦争経験のある人が爆竹の音を聞くとパニックになる
- 例)戦争経験のある人が爆竹の音を聞くとパニックになる
- パニック障害 → 何もない時でも突然発作が起こる例)リラックスしている時に急に息が苦しくなり、「死ぬかもしれない」と感じる
- 例)リラックスしている時に急に息が苦しくなり、「死ぬかもしれない」と感じる
5. 治療法の違い
- PTSD → トラウマ治療が中心(認知行動療法、EMDR、トラウマ焦点化治療)
- パニック障害 → 薬物療法と行動療法が中心(SSRI、抗不安薬、暴露療法)
4. 歴史
PTSDの概念は比較的新しく、正式に精神障害として認識されたのは1980年にアメリカ精神医学会がDSM-IIIにおいて導入したときである。しかし、戦争や災害による精神的な後遺症は古代から存在し、歴史的な記録にも残されている。
- 古代~19世紀
- 古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、戦争後の兵士が突然の音に驚く様子を記録している。
- 19世紀には「戦争神経症」や「鉄道脊髄症」といった名称で記録され、戦争や鉄道事故を経験した人々の精神的な後遺症として報告された。
- 20世紀前半
- 第一次世界大戦時に「シェルショック」と呼ばれる症状が多発し、戦闘体験による精神的な影響が注目された。
- 第二次世界大戦後、「戦争後神経症」や「戦争疲労症候群」として研究が進められた。
- 20世紀後半~現代
- ベトナム戦争帰還兵の精神的な問題を受けて、1970年代にPTSDの概念が確立された。
- 1980年、DSM-IIIに「PTSD」として正式に分類され、トラウマ研究が本格化した。
- 近年では、戦争だけでなく、自然災害、性的暴行、交通事故、虐待などによるPTSDも研究対象となっている。
PTSDは現代社会において重要な課題の一つとされており、その理解と対応が求められている。
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