逆説的心理学:寄り添うカウンセリングのリスクを探る

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
寄り添ってほしい人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
心理カウンセリングの現場では、「寄り添う姿勢」が大切だと広く考えられています
しかし、場合によってはこの寄り添いすぎる姿勢がクライエント(相談者)の主体性を損ない、心理的な成長を妨げることもあります
本記事では、「寄り添う」という行為がもたらし得るリスクに着目し、それを防ぐためのカウンセリングの在り方を探ります
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寄り添うことが必要な場面とその意義
まず、寄り添うという姿勢は、クライエントが安心して自分の悩みを語れるようにするために必要です
信頼関係の構築や、心理的な安全基地を提供する役割を果たします
しかし、寄り添うことだけが万能な解決策ではありません
あくまで、カウンセリングの出発点の一つに過ぎないという視点を持つことが重要です
寄り添いすぎることのリスク
依存を助長する クライエントが常にカウンセラーの同意や支持を求めるようになると、自立して問題に向き合う力が育たなくなります
この依存は、クライエントが自ら問題解決能力を高める機会を奪いかねません
本質的な課題へのアプローチが遅れる
ひたすら寄り添うことで、クライエントの気持ちを尊重する一方で、問題の根本原因や具体的な解決策に踏み込むタイミングを失う可能性があります
クライエントが「共感されている」という感覚に満足してしまい、変化を求めなくなるリスクも存在します
カウンセラー自身のバランスが崩れる
ひたすら寄り添おうとするあまり、カウンセラーが自身の感情やエネルギーを消耗し、バーンアウトに繋がる場合もあります
クライエントに共感しすぎることは、カウンセラー自身の持つ冷静な視点や専門性を損なう結果になりかねません
適切な寄り添い方の模索
寄り添うことそのものを否定するのではなく、バランスの取れた関わり方が必要です
具体的には以下のようなポイントが挙げられます
クライエントの自己効力感を育てる
クライエントが自分の力で問題を解決できるよう、寄り添いつつも適切な距離感を保つことが大切です
たとえば、「この選択肢についてあなたはどう考えますか?」と問いかけ、クライエント自身の考えや感情を引き出す工夫が求められます
カウンセラー自身の姿勢を見直す
常に中立的な立場を保ち、共感と客観性のバランスを意識すること
クライエントが頼りすぎないように適切な範囲での指導や助言を提供し、同時にクライエントの成長を見守る姿勢を持ち続けることが重要です
変化を促すタイミングを見極める
ある程度寄り添った後、クライエントが変化を起こす準備ができたタイミングで、行動を促すための質問や課題を提示します
このステップを踏むことで、クライエントが自発的に前進する意欲を引き出せます
逆説的心理学の視点
逆説的心理学の考え方を取り入れることで、寄り添うだけではなく、意図的にクライエントを刺激するアプローチが効果的な場合もあります
たとえば、「現状のままでいることにどんなメリットがあると感じますか?」といった質問を投げかけることで、クライエントが現状の問題を再評価し、行動を変えるきっかけを掴む場合があります
このような問いかけは、寄り添う一方通行のアプローチとは異なり、クライエントの主体性をより引き出す手法といえます
おわりに
寄り添うことはカウンセリングの重要な要素ですが、それだけに囚われてしまうと、クライエントの成長を阻害するリスクも伴います
本記事で述べたようなリスクを理解し、適切な距離感やアプローチを持つことで、より効果的なカウンセリングが可能になるでしょう
寄り添いすぎず、クライエントの主体性を尊重することで、真の心理的な成長が促されるのです
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