こんにちは🍵
言葉にできない人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
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言いたいことがあるのに、うまく言葉にならない
言いたいことがあるのに、うまく言葉にならない
それが「口頭表現の障害(Expressive Language Disorder)」と呼ばれる発達特性のひとつだ
頭の中では考えられているのに、それを口に出す段階で止まってしまう
知的な能力や聴覚には問題がなくても、「話す」という行為だけが不自然なほど弱いことがある
「何を話せばいいかわからない」「言葉が出てこない」
そんな状況に直面するたびに、周囲からは「考えていないだけ」「恥ずかしがり屋」と勝手に判断される
だが本人にとっては、それが日常的な困難になっている
無言でいることが多くなるほど、「話すこと」に対する自信は失われていく
そしてその自信のなさは、ますます言葉を遠ざける
「話さない」のではなく、「話せない」ことが積み重なっていく
それが外からは見えにくいため、理解も支援も追いつかない
「頑張って話そう」と励まされることすら、プレッシャーにしかならない
だからこそ、この障害は単なる「コミュニケーションの苦手さ」ではなく、環境との摩擦で深刻化しやすい
見えない壁にぶつかっていることを、誰も気づいていないままになる
表現の困難さが見えにくい理由
口頭表現の障害は、はたから見て気づきにくい明らかな支援が必要に見えないため、ただの「苦手な子」として扱われてしまう
・話す語彙が極端に少ない/年齢に合っていない
・言いたいことが整理できず、話が飛びやすい
・助詞や語順の間違いが目立つ
・質問されると黙り込む
・説明を求められるとパニックになる
・理解力はあるのに、話す場面で誤解される
見た目も行動も普通に見えるので、「努力すれば何とかなる」と思われがちだ
実際には、努力しても改善しにくい領域であるにもかかわらず、「頑張りが足りない」とされてしまう
その結果、他人の目だけでなく、自分自身にも「できない自分」が刷り込まれていく
周囲が気づかないだけで、当事者は常にストレスにさらされている
わかってもらえない状態が続くことで、自分を表現すること自体をあきらめ始める
それが最も深刻な二次的な問題を生む
なぜ「言えない」のか
話すのが苦手、では片づけられない
口頭表現の障害には、心理的なダメージが深く関わっている
・言葉が出てこないことに対する恥や焦り
・他人が先回りして話すことで奪われる自信
・感情や意見が伝わらないまま感じる孤独
・「話す=失敗すること」という恐怖の刷り込み
・理解されているのに、表現できないもどかしさ
問題は「話せないこと」そのものより、それによって「自分がどう扱われてきたか」にある
何も言わなかったから黙認されたわけではない
「言わない人」として、すでにラベリングされてしまっている
その状態で、自分から言葉を出そうとするのは、相当な覚悟が必要になる
一言発するたびに、評価され、誤解され、消耗する
それが積み重なることで、「話すこと」そのものを拒否したくなる
だからこそ、これは単なる話し方の問題ではなく、自己像の問題になっていく
学校や家庭で起こりやすい誤解と困りごと
この障害は、教育現場や家庭の中でも誤解されやすい
・引っ込み思案だと思われる
・やる気がないと誤解される
・話さない=性格の問題とされる
・発言できないことで成績評価が下がる
・会話が苦手なせいで、友人関係が築きにくい
・意見がないように見えることで軽視される
こうした扱いを日常的に受けていると、「伝えようとすること」自体に希望が持てなくなる
特に学校では、「発言できる子=優秀」とされやすく、それが圧力としてのしかかる
本人の中では「わかっている」のに、「言えない」ことがどれほど悔しいかは、経験していないとわからない
やがて、伝えることを諦める癖がついてしまう
「言えない」ではなく「言わなくていい」という思い込みに変わっていく
そして、その思い込みがさらなる沈黙と孤立を生む
悪循環は、だれにも見えないところで静かに進行していく
心理カウンセリングでの支援と“伝わる安心”の回復
口頭表現の障害に対して心理カウンセリングができることは、言語訓練だけではない
むしろ重要なのは、「話せなくても否定されない経験」を積み重ねることにある
・言葉以外の表現手段(絵、動作、指差し)を使えるようにする
・焦らず話せる空間を用意する
・途中で遮られずに最後まで聞いてもらえる経験を増やす
・表現が不完全でも、「伝わった」感覚を味わえるようにする
・「話せなくても、わかってもらえる」感覚を取り戻す
大切なのは、「話せるようにさせること」ではない
「話せなくても、生きられる方法を一緒に探す」ことだ
心理カウンセラーは、言葉の訓練者ではなく、生き方の調整者である必要がある
相手が口を開かないからといって、それを「閉じている」と決めつけてはいけない
その沈黙の背景に、何があるのかを一緒に観察する立場であるべきとなる
別の方法で工夫すれば良いだけの事
言葉でうまく伝えられなかった
それだけで「自分はダメなんだ」と決めつけるのは早すぎる
話せないなら、別の方法で工夫すれば良いだけのこと
書く、描く、指さす、動く、目線を使う
言葉に頼らなくても伝えられる手段はいくらでもある
それを「話せない=能力がない」と短絡的に結びつけるのは、あなたも周りも思考停止している証拠
そもそも、話す力だけで人間の価値が決まるような世界で生きる必要はない
伝え方をひとつしか持っていない人のほうが、よほど不自由となる
話せないことを責める前に、「どうすれば伝わるか」を考える思考を取り戻す必要がある
伝わらないことで傷ついてきたのなら、それを変える鍵は「伝え方を変える」工夫にある
自分を責めるのも、周りの理解を期待するのもいいが、その前に立ち止まって考えるべきことはただひとつ
工夫していないだけかもしれない、という可能性だ
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