急性ストレス障害(Acute Stress Disorder)とは

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
理不尽な「気の持ちよう論」には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
今回は、急性ストレス障害についてです
急性ストレス障害は、極度のストレスとなる出来事を経験した直後に現れる心の反応のことを指します
自然災害、交通事故、暴力事件、テロ、性的被害など、生命の危険を感じるような体験のあとに発症することが多いです
この障害は、発症から4週間以内という短い期間に症状が集中していることが特徴で、時間の経過とともに改善することもあれば、適切な支援がないと心的外傷後ストレス障害(PTSD)に移行することもあります
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主な症状と特徴
急性ストレス障害では、以下のような心身の反応が見られることが多い
・現実感の喪失や自分が自分でないように感じる離人感
・周囲の物事が現実ではないように感じる現実感喪失
・フラッシュバック(記憶が突然よみがえる)や悪夢
・集中力の低下や注意力の散漫
・不眠や易怒性、驚きやすさ
・心拍数の増加や発汗、息苦しさなど身体的な不安反応
これらの症状は、出来事の発生から数日以内に出現し、症状が3日以上持続していることが診断の条件となる
心理的な防衛機制との関係
急性ストレス障害は、心が極端な衝撃に耐えきれず、防衛的に働く心の機能が過剰になった結果として生じる
例えば、離人感や現実感喪失は、耐えがたい感情から自分を守ろうとする無意識の働きとも考えられる
このような状態では、相談者は「現実にいる感じがしない」「夢の中にいるようだ」と語ることが多い
一般的な症状としての側面
急性ストレス障害は一見すると異常な反応のように見えるが、非常に強いストレス刺激に対する一時的な心理的な適応反応ともいえる
つまり、人間が極限の状況に直面したときに、心が壊れてしまわないようにする一種の防衛システムが働いた結果と理解することもできる
特殊な症状とその対応
症状の中でも、特にフラッシュバックや感情の麻痺は、相談者にとって非常に苦痛を伴う
フラッシュバックは、突然その出来事が「今、起きているかのように」感じられる強烈な記憶体験であり、現実と記憶の境界が曖昧になることがある
感情の麻痺は、自分の感情がわからなくなったり、泣きたいのに泣けない、自分でも驚くほど平然としているように感じたりする状態を指す
このような症状には、まず安全な環境を整えること、信頼できる他者との関わりを持つこと、そして心理カウンセラーとの継続的な関係が重要となる
心理カウンセリングの役割
心理カウンセラーは、急性ストレス障害においては相談者の体験を丁寧に聴くこと、感情を言語化できるように支えること、安全感を回復させることが主な役割になる
無理に話を引き出すことはせず、相談者が話せるタイミングを尊重しながら進めることが大切だ
また、症状が長期化したり悪化の兆しがある場合には、医療機関との連携を行い、適切な治療に繋げる必要がある
最後に
急性ストレス障害は誰にでも起こり得る反応であり、弱さや性格の問題ではない
むしろ、心がなんとかしてその出来事に対処しようとした証ともいえる
周囲の理解や支援、そして心理的な安全を取り戻すための関わりが、回復への大きな力となる
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