- はじめに
- チャートパターン一覧
- 注意点
・はじめに
チャートパターンとは、
簡潔にまとめるとトレンドの転換や継続を予測する相場分析の方法です。
レジスタンスラインやサポートラインのように、
チャート上にいくつかのラインを引いて相場の分析をします。
移動平均線やボリンジャーバンドといったインジケーターのように
計算方法を利用するものとは異なります。
相場では、過去と全く同じ値動きをすることはありませんが、
似た値動きをする可能性はあります。
これから紹介するチャートパターンをいくつか覚えておくことで、
相場の分析スピードや精度を格段に上げることが出来るようになります。
それはつまり、利益を伸ばせる機会を増やせることにも繋がってきます。
・チャートパターン一覧
チャートパターンには、大きく4つに分けられます。
- 上昇の転換型
- 上昇の保ち合い型
- 下降の転換型
- 下降の保ち合い型
その中でも「転換型」とは、トレンド転換を予測するものです。
例えば、相場に上昇トレンドが発生していた場合、下降トレンドへ反転する予測をします。
反対に、「保ち合い型」とは、トレンドの継続を示唆するものとなります。
例えば、上昇トレンドが発生している相場の場合、保ち合いを経て再び上昇することです。
上記の4種類のチャートパターンは、さらに以下のような18の種類に分けられます。
これらについてこれから詳しく紹介していこうと思います。
1.ヘッド・アンド・ショルダー・トップ(三尊天井)
こちらは転換型のチャートパターンであり、上場トレンドの終わりを示唆します。
中央に最高値があり、その両サイドに最高値よりも安い高値があることが特徴です。
特に両サイドの高値は、ほぼ同じ価格になることが多いとされています。
また、ネックラインが重要なポイントとなり、
ネックラインとは、トレンドの転換点を意味します。
例えば、上昇トレンド中の相場で一度押し目を付けた価格がネックラインとなります。
ネックラインは、多くの投資家たちが意識しているポイントとなり、
ネックライン付近では、価格が反発する傾向にあります。
しかし、裏を返せば、ネックラインを割れてしまえば、
トレンド転換点となる可能性もあります。
従って、ヘッド・アンド・ショルダー・トップのような形が発生しても、
ネックラインを下回ることがなければ、この形が完成とは言えません。
ネックラインを価格が下回った時に上昇トレンドが終わったと分析します。
2.ヘッド・アンド・ショルダー・ボトム(逆三尊)
これは転換型のチャートパターンであり、下降トレンドの終わりを分析します。
中央に最安値があり、その両サイドに最安値よりも高い安値があることが特徴です。
特に両サイドの安値は、ほぼ同じ価格になることが多いとされています。
またこちらも、ネックラインが重要なポイントとなり、
ヘッド・アンド・ショルダー・ボトムのような形が発生してもネックラインを上回らなければ、
この形が完成したとは言えません。
ネックラインを価格が上回った時に、下降トレンドが終わったと分析します。
3.ダブル・トップ
こちらは上昇トレンドの終わりを示唆するものとなっております。
2つの高値がほぼ同じ価格で推移していることが特徴です。
また、ネックラインも重要なポイントとなってきて、
2つの高値がほぼ同じ価格で推移していてもネックラインを下回らなければ、
ダブル・トップの完成とは言えません。
価格がネックラインを下回った時にダブル・トップが完成となり、
上昇トレンドが終わったと分析します。
4.ダブル・ボトム
こちらは下降トレンドの終わりを示唆するものとなっております。
2つの安値がほぼ同じ価格で推移していることが特徴です。
また、ネックラインも重要なポイントとなってきて、
2つの安値がほぼ同じ価格で推移していてもネックラインを上回らなければ、
ダブル・ボトムの完成とは言えません。
価格がネックラインを上回った時にダブル・ボトムが完成となり、
下降トレンドが終わったと分析します。
5.トリプル・トップ
トリプル・トップは、転換型のチャートパターンであり、
上昇トレンドの終わりを示唆します。
3つの高値がほぼ同じ価格で推移していることが特徴です。
3つの高値がほぼ同じ価格を推移していてもネックラインが下回らなければ、
トリプル・トップが完成したとは言えません。
価格がネックラインを下回った時にトリプル・トップが完成となり、
上昇トレンドが終わったと分析します。
6.トリプル・ボトム
トリプル・ボトムは、転換型のチャートパターンであり、
下降トレンドの終わりを示唆します。
3つの安値がほぼ同じ価格で推移していることが特徴です。
3つの安値がほぼ同じ価格を推移していてもネックラインが上回らなければ、
トリプル・ボトムが完成したとは言えません。
価格がネックラインを上回った時にトリプル・ボトムが完成となり、
下降トレンドが終わったと分析します。
7.ソーサー・トップ
こちらは転換型のチャートパターンであり、上昇トレンドの終わりを示唆します。
高値圏である程度の価格帯を行ったり来たりする均衡状態が発生し、
その形が受け皿のように見えることが特徴的です。
ソーサー・トップのような形が発生しても、
ネックラインを下回らなければ完成ではありません。
価格がネックラインを下回った時にソーサー・トップが完成となり、
上昇トレンドが終わったと分析します。
8.ソーサー・ボトム
こちらは転換型のチャートパターンであり、下降トレンドの終わりを示唆します。
安値圏である程度の価格帯を行ったり来たりする均衡状態が発生し、
その形が受け皿のように見えることが特徴的です。
ソーサー・ボトムのような形が発生しても、
ネックラインを上回らなければ完成ではありません。
価格がネックラインを上回った時にソーサー・ボトムが完成となり、
下降トレンドが終わったと分析します。
9.上昇三角保ち合い
上昇三角保ち合いは、その名のとおり、保ち合い型のチャートパターンであり、
上昇トレンドの継続を示唆します。
高値はほぼ同じ価格で推移し、安値は段々と切り上がっていくのが特徴です。
ほぼ同じ価格で推移している高値を上値抵抗線と呼び、
このラインを上抜けすることで上昇トレンドの継続と分析します。
10.下降三角保ち合い
下降三角保ち合いは、その名のとおり、保ち合い型のチャートパターンであり、
下降トレンドの継続を示唆します。
安値はほぼ同じ価格で推移し、高値は段々と切り下がっていくのが特徴です。
ほぼ同じ価格で推移している安値を下値支持線と呼び、
このラインを下抜けすることで下降トレンドの継続と分析します。
11.上昇ボックス型
上昇ボックス型とは、保ち合い型のチャートパターンであり、
上昇トレンドの継続を示唆します。
上値抵抗線と下値支持線を上下に行ったり来たりすることが特徴です。
上値抵抗線と下値支持線を上下に行ったり来たりと均衡状態から、
上値抵抗線を上抜けしたら上昇トレンドの継続と分析します。
12.下降ボックス型
下降ボックス型とは、保ち合い型のチャートパターンであり、
下降トレンドの継続を示唆します。
上値抵抗線と下値支持線を上下に行ったり来たりすることが特徴です。
上値抵抗線と下値支持線を上下に行ったり来たりと均衡状態から、
下値支持線を下抜けしたら下降トレンドの継続と分析します。
13.上昇ペナント型
上昇ペナント型とは、上昇保ち合い型のチャートパターンであり、
上昇トレンドの継続を示唆します。
上値抵抗線が右下がりで、下値支持線が右上がりの形となっていることが特徴です。
上昇ペナント型では、段々と値幅が収縮してエネルギーが蓄積されている状態となります。
上値抵抗線を上抜けしたら、価格が急上昇する可能性もあります。
14.下降ペナント型
下降ペナント型とは、下降保ち合い型のチャートパターンであり、
下降トレンドの継続を示唆します。
上昇ペナント型と同様に、
上値抵抗線が右下がりで、下値支持線が右上がりの形となっていることが特徴です。
下降ペナント型では、段々と値幅が収縮してエネルギーが蓄積されている状態となります。
下値支持線を上抜けしたら、価格が急下降する可能性もあります。
15.上昇フラッグ型
上昇フラッグ型は、保ち合い型のチャートパターンであり、
上昇トレンドの継続を分析します。
直前の価格の上昇がポールでチャートの形が旗のように見えることから、
上昇フラッグ型と呼ばれます。
上値抵抗線と下値支持線が右下がりの斜め平行線となっている形が特徴です。
上値抵抗線を上抜けしたら、再び価格が上昇する可能性があります。
16.下降フラッグ型
下降フラッグ型は、保ち合い型のチャートパターンであり、
下降トレンドの継続を分析します。
直前の価格の下降がポールでチャートの形が旗のように見えることから、
下降フラッグ型と呼ばれます。
上値抵抗線と下値支持線が右上がりの斜め平行線となっている形が特徴です。
下値支持線を下抜けしたら、再び価格が下降する可能性があります。
17.上昇ウェッジ型
上昇ウェッジ型とは、上値抵抗線と下値支持線に抑えられながら、
段々と値動きが限定的になっていき、先端が尖っていく形が特徴です。
一般的なチャートパターンでは、転換型か保ち合い型かに分かれますが、
ウェッジ型では、転換型と保ち合い型の両方を兼ね備えています。
例えば、
上昇トレンド中に上昇ウェッジが発生した場合、上値抵抗線を上抜ければ上昇トレンド、
下値支持線を下抜ければトレンド転換と分析します。
上昇ウェッジが発生した場合は、
上値抵抗線か下値支持線のどちらへ抜けるかを確認することが大切です。
18.下降ウェッジ型
下降ウェッジ型とは、上昇ウェッジ型と同様に、
上値抵抗線と下値支持線に抑えられながら、段々と値動きが限定的になっていき、
先端が尖っていく形が特徴です。
一般的なチャートパターンでは、転換型か保ち合い型かに分かれますが、
ウェッジ型では、転換型と保ち合い型の両方を兼ね備えています。
例えば、
下降トレンド中に下降ウェッジが発生した場合、上値抵抗線を上抜ければトレンド転換、
下値支持線を下抜ければトレンド継続と分析します。
下降ウェッジが発生した場合は、
上値抵抗線か下値支持線のどちらへ抜けるかを確認することが大切です。
・注意点
投資において100%利益を得られる手法やテクニカル分析などはありません。
チャートパターンにおいても同様です。
チャートパターンを完璧に覚えていたとしても、
相場状況によっては、機能しない場面もあります。
例えば、上昇トレンド中にヘッド・アンド・ショルダーが発生したからといって、
反発狙いで売りでエントリーしても、
そのまま再び上昇が続いてポイントを捕らえることが出来ない場面もあります。
チャートパターンを覚えることは、
利益を上げやすくなったり、リスクヘッジをすることは出来ても、
必ずしも利益を上げられるというものではないことは覚えておく必要があります。