Notionで情報を集めて満足していた私が、Obsidianで「使える情報」に変えるまでの話
0. いきなり結論

私はずっと、情報を集めて、整えて、満足していました。でも現実は、前に進んでいなかった。
この話は、Notionが悪い話じゃありません。「情報を使える形に変える思考」の話です。
① 「ちゃんと整理している」つもりだった

Notionを使い始めた頃、私は毎日のようにページを作っていました。
AIに調べてもらった記事のリンク、気になったアイデア、タスク、顧客情報、プロジェクトの進捗。全部Notionに放り込んで、データベースで綺麗に整理して、「これでいつでも見返せる」と思っていました。
でも実際には、見返さないんですよね。
作ったデータベースは増えていくのに、使うのは最初の1週間だけ。タスク管理もプロジェクト管理もCRMも、全部Notionで完結させようとして、どれも中途半端。
情報は溜まっていくのに、何も前に進んでいない感覚がずっとありました。
「もっと整理しなきゃ」「もっと構造を見直さなきゃ」そう思うほど負担になって、最後はNotionを開くのが億劫になりました。
② なぜNotion疲れが起きるのか
ここで言っておきたいのは、Notionが悪いわけじゃないということです。
Notion疲れの正体は、「整理すること」と「再利用すること」が混ざってしまう構造 にあります。
Notionは情報を美しく整理できる。データベース、プロパティ、ビュー切り替え…。
でも気づいたら、こうなっていました。
- このタスクはどのデータベースに入れるべきか
- このプロジェクトはどう分類するか
- この情報はどう構造化するか
考えることが多すぎて、肝心の 「その情報をどう使うか」 が後回しになる。
結果、

③ Obsidianとは何か(初心者向け)
そんな中で出会ったのがObsidianです。
最初に言っておくと、ObsidianはNotionの代替品ではありません。思想が違う。
Notionが「何でもできる万能ツール」なら、Obsidianは「考え方を固定する道具」です。
- データはローカル保存(クラウド依存しない)
- ファイル同士をリンクで繋げる(構造より繋がり重視)
- Markdownでシンプル(余計な機能がない)
つまりObsidianは、「整理の自由度を下げて、考えることを減らす」 ツールです。
Notionが「好きなように整理できる」なら、Obsidianは「整理の型を決めてしまう」。
この違いを理解しないと、移行しても同じ問題が起きます。

④ 多くの人が勘違いするポイント
私も最初は勘違いしていました。
Notion疲れを感じてObsidianに移行したとき、「Basesを使えばAIが自動で整理してくれる」と思っていた。
でも実際は、Notionのデータベース感覚で触ると混乱します。表に文字が打てない?操作が違う?そもそも思想が違う。
結局私は、Notionの再現をしようとして詰みました。
Obsidianでタスク管理やプロジェクト管理をNotionと同じ構造で作ろうとしたけど、そもそもそういうツールじゃなかった。
⑤ 気づいた本質(この記事の核心)
ここでようやく本質に気づきました。
AIは「調べる係」。人は「使い道を決める係」。Obsidianは「その判断を残す場所」。
私がNotionで疲れていた理由は、情報を集めることと整理することに時間を使いすぎて、「その情報をどう使うか」を決めていなかった からです。
AIに記事を調べてもらっても、読んで満足して保存するだけ。タスクに落とすのか、プロジェクトに紐づけるのか、顧客提案に使うのか、コンテンツのネタにするのか。
決めないまま保存していた。
だから何度でも「集めて満足」に戻る。ツールの問題じゃなく、思考の問題でした。
⑥ 再利用できる情報に変わる思考の切り替え
答えはシンプルです。
集めた情報を、先に 「用途」 に落とす。
- これは今週のタスクに使える?
- 進行中のプロジェクトに関係ある?
- 顧客への提案に使える?
- noteの記事ネタになる?
そして、一言だけ自分の判断を書く。
それだけで情報が「使える状態」になります。
これをやらない限り、NotionでもObsidianでも同じ。ツールは関係ない。ここまで読んで、「なるほど、原因は分かった」と思った人も多いと思います。
でも正直、ここから先が一番つまずきやすい。
・最初に何を作ればいいのか・どこまでやれば十分なのか・何をやらなくていいのか
ここを間違えると、NotionからObsidianに移行してもまた同じところで詰みます。
この先では、私が実際につまずきながら整理した「挫折しない最小構成と運用ルール」だけを書きます。
▼ この先では、この記事の内容をそのまま再現できるObsidianテンプレも共有します。
⑦ 初心者向けロードマップ(ここから先が有料価値)
ここから先は、Obsidianで「使える情報」を残すための最小構成と運用ルール(=挫折しない型)をまとめます。
この先で分かること👇

最初に決めるべきこと
Obsidianを始める前に、何を管理したいかを決めてください。
- タスク?
- プロジェクト?
- 顧客情報?
- コンテンツネタ?
全部は無理。最初は1〜2個。私の場合は「タスク」と「コンテンツネタ」だけにしました。
最初に作るべき最小構成
最初に作るのはこれだけ。
- /Inbox(情報の一時置き場)
- /Tasks(タスク)
- /Content(コンテンツネタ)
- /Archive(終わったもの)
Inboxに放り込んで、1日の終わりに「タスク」「ネタ」「要らない」に振り分けるだけ。
この判断する時間が一番重要です。
やらなくていいこと(重要)
最初にやると詰むので、これは後回し。
- 複雑なプラグイン導入
- 完璧なテンプレ作り
- Notionのデータベース再現
- 全ファイルにタグ付け
最初から完璧に作ろうとすると、Notionと同じ罠にハマります。
完璧に作らない理由
Obsidianの強みは、後からいくらでも変えられること。
ローカル保存のMarkdownは、移動しても名前を変えてもリンクが追従します。だから最初は適当でいい。使いながら変えればいい。
⑧ まとめ
Notionは悪くないし、Obsidianも魔法じゃありません。どちらも道具。
重要なのは、「考えなくていい状態」を先に作ること。
情報を集めたら、「これはどう使うか」を一言で決める。
その判断を残す場所がObsidianであり、その判断をする習慣が、ツール移行よりも大事です。
⑨ 補足:そのまま再現できるテンプレートを用意しました
「理解はできたけど、自分で構成を考えるのは面倒」という人向けに、この記事の考え方と構成をそのまま再現したテンプレートを用意しています。
- フォルダ構成
- Inboxの使い方
- 振り分けルール
- タスクとコンテンツの管理方法
必要な人だけ使ってください。
この記事の内容を読んで、
「考え方は分かったけど、自分で構成を考えるのは正直面倒」
と思った人向けに、この記事の考え方と構成をそのまま再現したObsidianテンプレートを用意しました。
・フォルダ構成・Inbox運用・振り分けルール・タスク/コンテンツ管理
必要な人だけ使ってください。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
この記事で一番伝えたかったのは、「Notionが悪い」とか「Obsidianがすごい」という話ではありません。
情報が使えなくなる原因は、ツールよりも先に、「使い道を決めていなかったこと」にあった、という気づきです。
私自身、情報を集めて、整理して、「やった気」になっていた期間が長かったです。でもそれは、前に進んでいる感覚とは違いました。
集めた情報を、・何に使うのか・いつ使うのかを一言で決める。
それだけで、情報はただのメモから「次の行動につながるもの」に変わります。
もし今、NotionからObsidianに移行しようとして迷っているなら、完璧に作ろうとしなくて大丈夫です。
まずは、「これは何に使う情報か」を決めるところから始めてみてください。
それができるようになると、どのツールを使っても、情報に振り回されにくくなります。
この記事が、あなたの情報整理を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。
