ヤバいメンヘラは存在する。差別用語だとか偏見だとか言われようが、現実的に「近づいちゃいけない地雷女」というのはいる。俺はこれまでの人生で二度、そのタイプに引っかかった。そして2回とも、似たような結末になった。関係は泥沼化し、最後は警察が介入し、俺の生活は崩れた。しかも情けないことに、2回とも、最終的に俺を引き上げてくれたのは彼女のさと子だった。
ともかくヤバい女には特徴がある。まず、距離の詰め方がおかしい。仲良くなるのが異常に早い。出会って数日で深い話をしようとする。悩み相談を装って依存を形成してくる。LINEは速攻で返すのに、こっちが忙しくて遅れると鬼LINEしてくる。「大丈夫?」という心配ではなく、「なんで無視するの?」という圧。予定を勝手に決める、都合を押し付ける、断っても話を聞かない。感情を武器にする。泣き落とし、逆ギレ、被害者ポジションの乱用。話し合いが成立しない。理屈を言葉で塗りつぶされ、最後はもうどうでもよくなる。これが厄介の始まりだ。
引っかかったきっかけは軽い気持ちだった。食事に行き、数回会い、適度な距離で遊ぶつもりだった。ところが次第に要求はエスカレートし、時間のある限り会おうとしてくる、昼夜問わず連絡が来る。「会えない」と断るとキレる。面倒になり連絡を控えると「死にたい」とか送ってくる。既読をつけて返信しないと連投する。未読にすると「何してるの」と探りLINE。ストレスが積もり、強めに拒絶したら逆上して彼女に連絡するだの同僚に連絡するだのとにかく面倒くさい。けっこう早い段階で自分の気持ちは崩壊しきった。警察にとって被害者と加害者は紙一重だ。感情でぶつかった時点で負けだった。これが現実だ。
なぜ俺は二度も引っかかったのか?理由は単純だ。性欲とか単純な話ではない。面倒ごとから逃げたいということだ。最初は気楽で、適当に会える都合がいい関係に見えた。でも本当は違う。「断る労力」が嫌で曖昧にしたことだ。その小さな逃げの積み重ねが、相手に「この関係は進んでいる」という誤解を与えた。優しさのフリをした逃げ。はっきり言って、俺が悪い。
改めて言うが、2回とも俺を救ったのはさと子だ。直接話して関係整理をしてくれた。彼女に怒って言われた。「中途半端な優しさにつけ込まれてるんだよ。縁の切り方を知らないだけ。」確かに。恋愛がどうこうじゃない。これは人間関係の技術の問題だ。
結論はこうだ。ヤバいメンヘラの本質は「悪意」じゃない。「依存の設計」だ。感情と罪悪感を使って相手の境界を壊してくる。対抗するには、倫理でも優しさでも無理だ。必要なのは論理と距離の操作。ヤバいメンヘラに引っかからないためには、最初から「NO」をはっきり伝えることだ。曖昧な態度は相手を勘違いさせる。距離を詰められたら、冷静に論理的に「これは無理」であることを伝える。感情的にならず、相手のペースに巻き込まれないことが重要だ。俺みたいなタイプが自分一人で解決しようとすると、感情に振り回されてしまう危険がある。
さと子曰く「トオルが次にメンヘラに捕まったら死ぬね」と。なにも言い返せなかった。
