ORCAグループの錦糸町ノーダウトが新たなゲームをローンチした。
新宿クリプトをBARとしてリブートさせたORCAグループについては、以下のコラムをご参照いただきたい。
「満テキの日」と銘打たれたイベントは、満杯のテキーラ1杯ごとに入場力が500円割引になるというものである。
掲示板書き込み後の男性入場料が7,000円であるので、14杯テキーラを飲めば入場料が無料になる計算だ。
男性にとっては飲めば飲むほど、経済的負担は軽減されれるが、その分だけ肝臓に負荷が掛かるとともに下半身の機能が劣化する。
いうまでもなく、人類はお酒と共に繁栄の道を歩んできた。お酒は時として人間関係を円滑なものにさせるからである。
当然のことながら、ハプバーにおいてもお酒とハプニングは密接に関係している。
その点、あらためて酒とハプバーの関係に着目し、見方を変えることで、これをイベント化した錦糸町ノーダウトの試みは、コペルニクス的転回であるとも言えよう。
どのようなゲームなのだろうか?
勘の鋭いハプバー民であれば気が付いているだろうが、これはテキーラを飲めば入場料がお得になるというキャンペーンでは決してない。
松本人志プレゼンツ「ドキュメンタル」という、芸人がプライドをかけて競い合う企画があるが、たけプレゼンツ「満テキの日」はハプバー民の威信をかけた戦いである。
アングラ版の「ドキュメンタル」といってもよいだろう。
なぜそう言えるのだろうか。
これは、男性に酒・ハプ・金の3つを秤にかけさせる新たなゲームである。
究極的には、以下2つの選択肢が提示されるのだ。
- 入場料は無料だが飲み過ぎでハプれない。
- 一人だけ酒を飲まずに、周り全員が酔い潰れるのを待って口説き、遊べなければ全額支払う。
酒・ハプ・金のバランスを取りながら立ち振る舞う男性の姿を女性が観察し、気に入った男性と遊ぶというゲームになるだろうと考えられる。
どのような男性が選考されるのだろうか。
- 無料にするために飲む男性は論外
- 遊ぶために飲まない男性は論外
- 飲みすぎで遊べなくなった男性は論外
ということが考えられる。
そうなると、おそらく、お酒をたくさん飲んだうえで、何回も遊ぶ男性が最も選考されると考えられるのだ。そうすると、酒とハプの2冠王がその場を制することになるのではないか。
もっとも、女性としても、男性の人間性を観察するいいケーススタディになるだろう。
最近、ステルシングというネガティブな言葉がtweeterで話題になった。
ステルシングというリスクが顕在化されたからこそ、女性は来店回数やフォロワー数ではなく、人間性を注意深く観察して、自分の意志で選んだ安心した相手と遊ぶことが要求される時代になったのである。
女性に必要以上にお酒を飲ませることによって、遊びに誘導しようとする劣悪な男も存在する。それは常連であってもである。
過度な飲酒はステルシングにも繋がりうるのでリスクとして認識すべきである。
もっとも、お酒の飲み方で、人間性を判断するというのも、そのようなリスクの回避手段の一つではないか。
その意味で、男性にとってはお酒を飲んでも場に適した立ち振る舞いや常識的な判断力が要求され、女性にとっては過度な飲酒を警戒しつつ、お酒を通じて、男性の人間性を見抜く力が養われる意味で、時代に適したイベントでもある。
このようなイベントを始動したbar4オーナー・店長のたけ氏の企画力には恐れ入るばかりである。【了】
【履歴】2022/6/23公開