「はい、チーズ」
会社の飲み会、ひさしぶりに集まった友だちとの集まり。みんなで肩を組んで、笑顔で写ったはずの1枚の写真。あとから送られてきたその写真を見て、手が止まった。
「え……俺だけ、なんか汚くない?」「みんな普通なのに。なんで俺だけ疲れて見えるんだ」「昨日ちゃんと風呂入ったよな」「寝たよな」「なんで俺だけ生活終わってる人みたいなんだ」
まわりのやつらは、肌に妙なツヤがあって、楽しそうに笑っている。なのに、自分だけがなんだかどんよりと、グレーのフィルターがかかったような顔をしている。
写真の中の自分だけ、「仕事終わりに無理して来た人」みたいな顔をしていた。
目が死だように見え、肌がくすんで見える。笑ってるのに、疲れて見える。
「うわ……これ、俺だけ浮いてる」
朝は鏡を見て、前髪ちょっと触り、目を開く。「まぁ今日もこんなもんか」で終わる。
でも集合写真は違う。他人のスマホは、容赦ない。それが、他人のカメラで、他人の視点で切り取られた瞬間に、ごまかしの効かない現実として突きつけられる。
実は年齢のせいでも、カメラの画質のせいじゃないんです。 集合写真という「他人視点」は、僕たちの毎日の生活を、残酷なほど正確に映し出す。

