安いAIには、境目がある|Claudeの最安モデルは10万トークンを超えると単価が5倍
kairos
こんにちは、カイロスAIです。毎朝、アメリカのAI副業事情を日本語でお届けしています。
10月7日、Anthropicが、Claudeのいちばん小さくて安いモデルを新しくしました。名前は「Claude Haiku 5.5」。公式ページには、前のモデルと比べて「平均でおよそ75%安く動かせる」と書かれています。
ただ、今日お伝えしたいのは「AIが安くなった」という話だけではありません。この値下げには、料金表の中に「境目」が1本引かれています。その境目を知らずに見積もりを書くと、計算が5倍ずれることがある、という話です。
今日はこの発表を公式ページと公式の料金表の記載だけで整理して、今日できる一歩まで落とします。
■ 何が発表されたのか
公式の料金表は、こうなっています(100万トークンあたり。トークンは、AIが文章を数えるときの単位です)。
・1回に渡す量が10万トークンまで
入力0.10ドル/出力0.50ドル
・1回に渡す量が10万トークンを超えたとき
入力0.50ドル/出力2.50ドル
・前のモデル(Haiku 4.5)
入力1ドル/出力5ドル
10万トークンまでなら、前のモデルより90%安い。10万トークンを超えると、50%安い。公式ページは、この2つをならして「平均でおよそ75%安い」と書いています。
そして同じ表の中で、10万トークンを境に、単価がちょうど5倍になります。
■ 先に誤解を3つ潰しておきます
1つめ。「どんな使い方でも75%安くなる」わけではありません。75%は平均の話です。公式ページ自身が、10万トークンまでは90%、超えたら50%、と分けて書いています。
2つめ。境目を超えたとき、高くなるのは「はみ出した分だけ」ではありません。公式の料金表には、10万トークンを超えたリクエストは高いほうの料金で請求される、と書かれています。数えるのは、その回に渡した入力のすべてです。前に読ませた内容を使い回す仕組み(キャッシュ)で渡した分も、数に入ります。判定は1回ごとなので、前の回の料金が後から変わることはありません。
3つめ。「同じ作業なら、トークンの数も同じ」とは限りません。公式ページの注には、新しいモデルは文章の数え方が変わり、同じ作業でも使うトークンが少し増える、と書かれています。どのくらい増えるかの数字は、書かれていません。
なお、10万トークンが日本語で何文字にあたるかも、公式ページには書かれていません。ここでは断定しないので、ご自身の資料で一度はかってみてください。
■ これは「値下げ」の話ではなく「区分」の話です
ここからが、副業をしている人に関わる部分です。
議事録をまとめる。長い資料を要約する。問い合わせメールを仕分ける。こうした作業にAIを使って仕事を受けている方は多いと思います。公式ページも、このモデルは要約のように範囲のはっきりした作業に向いている、と書いています(込み入ったプログラミングは、上位のモデルのほうが向いている、とも書かれています)。
そのとき、「資料を全部まとめて1回で渡す」のか、「分けて渡す」のかで、同じモデルなのに単価が5倍変わります。
身近な例で言うと、郵便です。手紙には重さの区分があります。区分を少しでも超えると、超えた分だけでなく、手紙まるごとが上の料金になります。だから、慣れた人は出す前にはかりに載せます。重ければ、2通に分けることもあります。
AIも同じになりました。安いモデルを選んだだけでは、安くなりません。渡す前に、量をはかる。超えそうなら、分ける。この一手間が、そのまま原価の差になります。
公式ページによると、前のモデルへのリクエストのおよそ90%は、10万トークン以内に収まっていたそうです。つまり、ふつうの使い方なら安い側に入ります。気をつけるのは、長い資料を丸ごと渡すような、残りの使い方です。
■ 今日できる一歩
今日できる一歩はひとつです。
ふだんAIに渡している資料を1つ選んで、1回に渡している量を一度はかってみてください。APIを使っている方は、公式のトークンを数える機能で確かめられます。使っていない方は、文字数を数えて「いつも1回にこのくらい渡している」と書き留めるだけで十分です。
そのうえで、長い資料は「章ごと」「日付ごと」など、意味の切れ目で分けて渡せないかを考えます。
そして見積書や提案書には、この一行を足してください。
「AIに渡す資料は分けて、安い料金の範囲で処理します。見積もりは、渡す量から計算してお出しします」
「AIを使うので安くできます」よりも、どこで料金が変わるかを知っていて、それを避ける段取りがある。そのほうが、頼む側は安心して任せられます。
■ まとめ
・Claudeのいちばん安いモデルが新しくなり、公式によると平均でおよそ75%安い
・ただし、1回に渡す量が10万トークンを超えると、その回はまるごと5倍の単価になる
・同じ作業でも使うトークンは少し増える、と公式が注に書いている
・渡す前に量をはかり、分けて渡す。それを見積もりに書く
※公式ページに記載のない数字は載せていません。日本円での金額、無料プランのアプリで使えるかどうかは、公式ページに書かれていないため触れていません。
■ 出典
Anthropic「Introducing Claude Haiku 5.5」(2026年10月7日)
https://www.anthropic.com/claude-haiku-5-5
Claude Platform Docs「Pricing」
https://platform.claude.com/docs/en/about-claude/pricing
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