はじめまして、賢者犬エスです。
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私は、人間にとってどんなことが「幸福」であり、またどんなことが「不幸」であるのかという永遠に出ないであろうことを考えていました。
そのために、哲学、心理学、行動経済学、社会学などの学問や、古代ギリシャの哲学から中国思想、または日本の思想家にいたるまで、幅広く知識を蓄積してきました。
そのなかで結果として得られたものは、「絶対的な幸福」は存在せず、常に他人と比べる相対的なものに縛られていること、そして、幸福とは反対に「不幸」には共通点があることを発見し、徹底的に「不幸」な状態を回避することで、常に不安、不満、行き辛さ、悩みを抱えることなく、心が平穏な状態を作れるものだと確信しました。
その具体的な方法をまとめたものが、本記事である「不幸な人の残念な共通点」です。
本屋で見る成功本、自己啓発本などの山に正直うんざりしていませんか?私は多くのその手の本を読んできましたが、正直価値観を変えるようなものはありませんでした。
それであれば自分で調べるしかないと一念発起し、人間の本能、思想、環境、現状を細かく分析し、問題点となるものを排除するための方法を作ることができました。
生きることについての価値観は、もちろん個人によって違うので、その考えを否定、非難するものではありません。
しかし、今の価値観で悩みが尽きない、いつも不安におびえているのであれば、ぜひ本記事を読んでいただき、あなたの人生が少しでも豊かになればと思い、販売するにいたりました。
本記事は次のような構成で成り立っています。
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序章 不幸は幸福の仮面をかっぶて現れる
第一章 人間は結局どんな生き物か
1,人間のもっとも基本的な欲求とは?
2,満たすべき欲望と無視すべき欲望
3,誰もが持つ劣等感のトリセツ
第二章 お金の正体と所有のリスク
1,お金とは一体なにか
2,お金持ちはお金でなにを買うのか
3,所有とはりすくでしかない
第三章 日本人の働き方を考える
1,ブラック企業がなくならない2つの理由
2,ウソのように経済成長しない日本人の残念な働き方
3,偽物の仮面が人生を狂わせる
4,弱いヤツほどよく群れ「不幸」になる
5,日本人が大好きな「空気を読む」文化
第四章 脳科学から見る感情の仕組と才能開花
1,「喜び」はどのようなときに感じるのか
2,「不安」の正体と手放し方
3,義務教育の裏カリキュラムと才能開花デザイン
第五章 身の回りの人間を整理する
1,人間関係は贈与でできている
2,女を理解しない男、男を理解しない女
3,なぜ嫌いな人間はどこにでも現れるのか
第六章 運命は意図的に変えられる
1,「引き寄せの法則」はスピリチュアルでなく理論
2,「言葉」が世の中の見え方を変える
3,今のあなたはどのように作られているのか
終章 「たった今」から人生を変える
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この中で序章と、第一章の一部分は無料でお読みただくことができます。
本記事にも書いていますが、知識を得る、物事を知るということと、それを「実際に使う」というのでは、人生の変化を実感するには天と地ほどの差があります。
具体的に数多くの書籍を読み、私の経験や、実際に世の中で起こったことの具体例とを組み合わせて、わかりやすくまとめるには1か月以上の時間を要しました。
また、本記事はできるだけ簡単にまとめても約43,000字ほどにしか収められませんでした。しかし、裏を返せばそれだけの内容が詰め込まれています。
誰でも考え方と行動を変えれば、今の状況から抜け出すことはできます。ただし、本気で行動しなければなにも変わりません。
あなたは本気で行動する人であると信じています。
ぜひ、記事をお読みいただき、実践していただければ幸いです。それでは本編をどうぞ。
序章 「不幸は幸福の仮面をかぶって現れる」
この世に生きるほとんどの人間は自分の人生が幸福になることを望んでいます。しかし「幸福」とは一体なにか、どのような状況を示しているのか、あなたは具体的に説明できるでしょうか?
もちろん個人によって幸福の条件・種類・状態・意味などは変わるので、色々な答えが出てくるものだと思います。そこで一度「幸福」の意味を辞書で調べてみましょう。
【幸福】-広辞苑-
「心が満ち足りていること。また、そのさま。しあわせ。」
【幸せ】-広辞苑-
「めぐりあわせがよいこと、そのさま。」
「めぐりあわせ、運命。」
このように、かなりあいまいに表現されています。つまり幸福や幸せとはひとつの価値観で表すことができず、定義することができる絶対的なものではなく、個人によって違う相対的なものであるということが分かります。
私は読書が趣味なので定期的に書店を訪れます。そこでいつも思うことは、「幸福になる法則」、「仕事での成功法則」、「幸福を引き寄せる法則」、「宇宙や自然の法則(スピリチュアル関連)」、「お金の増やし方」など多くのビジネス書や成功本、自己啓発本が平積みされ、書店のランキングでは上位を占めているのを目にします。
私も以前は多くの「成功法則」「自己啓発」と呼ばれる種類の本を読んできました。しかし、すべての本に共通した成功、成長、自己実現ができる法則や原理原則は書かれておらず、内容は個人の成功体験という狭い枠組みで抽象的であり、再現性の低いものであるという印象を持つようになりました。もちろん個人の成功体験は人生をより良くするためのヒントになると思いますが、それがあなたに当てはまることは、ほとんどないといっても過言ではありません。実際そのような体験をしたことがありませんか?
そこで私は哲学・心理学・脳科学・行動経済学などの学術的な分野や、世界の歴史・宗教・民族・文化について調べていくうちに、私なりの結論をひとつ出すことができました。
『不幸な人の残念な共通点』は、かならず成功する絶対的な法則はありませんが、不幸を感じている人には、共通の価値観や考え方があるというものです。もちろんその内容を学問的に難しく表現することはできるだけ避けますし、あなたにたいして偏った宗教観や思想を植え付けることや、逆に否定することもしません。そのうえでだれでも分かるように説明していきます。
明確に定義できない「幸福」を目指すのではなく、徹底的にあなたにとって「不幸」と思われるものを排除していくことで、心身の安定を手に入れるには、どのように考え、生きていくことがより良いのか、人間とはそもそも本能的にどんな生き物で、なにを求め、生きる目的や意味がどういったものかを、様々な角度からアプローチして説明していきます。
ここで、ブラジルのアマゾン奥地で暮らしている少数民族「ピダハン族」の話をご紹介します。
ピダハン族は「世界一幸福な民族」といわれています。その生活がどういうものかというと、この近代文明社会において、いまだに狩猟採集で生活を成り立たせるという1万2000年以上前の人類の生活をしています。(狩猟採集とは動物を狩り、木の実や植物を採り、それを食料として移住生活していること)
ピダハン族の習慣や生活を詳しく調べると、私たちには考えられないような興味深い考え方や価値観を持っていることが分かります。
まず、言葉について「幸福」という言葉がそもそも存在しません。また、過去と未来を表す言葉、左右を表す言葉、色を分類する言葉を一切持っていません。理由は、彼ら彼女らが生きるうえで、それらは必要がないものだからです。つまりピダハン族には「今」という概念しかなく、その今を生きることだけを重視し、すべての価値をそこに置いています。
逆に「不幸」という言葉も存在しませんが、仲間が死んでしまったときに「悲しむ」という表現はあります。ただし、過去という考え方がないので、故人の話をすることも祈りを捧げることもありません。また歴史、信仰、神話、宗教的儀式も存在しません。また他民族との交流も必要なものを必要なときだけ物々交換で手に入れるだけなので、自分たちの暮らしと他民族との暮らしを比較することもありません。つまり劣等感・優越感・嫉妬という感情も存在しないのです。
すべての考え方の基本は目の前にある「今」どういう状況にあるのかですので、今、不幸なことが起こっていなければ幸福な状態、もしくは心が平穏な状態が保たれているといえます。本人たちは幸福と思っていなくとも、私たちからの視点では幸福な状態といえるのではないでしょうか?
あなたはこの民族の話を知ってどのように思いますか?最新のテクノロジーや文明を持っていない、娯楽がない、楽しみがないから不幸だと思うかもしれません。しかし、人が死んで悲しい気持ち以外は心穏やかに悩みも苦しみも不安もなく、平穏な状態でいることが幸福であるという考え方ができます。
つまり、私の考える「不幸な人の残念な共通点」というものは、幸福という定義のないものを追い続けることではなく、不幸といえる状況を徹底的に排除することで、おのずと平穏な心を常に持つことができ、幸福な状態でいることができるというものです。
それでは次に「不幸」という言葉を辞書で調べてみます。
【不幸】-広辞苑-
「幸福でないこと。ふしあわせ。近親者が死ぬこと。」
このように表現されています。近親者が死ぬことというのは理解できますが、「幸福」、「幸せ」同様にかなりあいまいな表現がなされ、具体的なことはなにも書かれていません。これはどういうことかと考えると、幸福も不幸も「自分自身で決めるもの」という解釈ができます。私の解釈では、不幸とは同じような状況や境遇の身近な人間と比較して、自分自身の状況が劣っている、または不足していると感じることにあると考えます。
ピダハン族の事例は私たちにとって極端な状況ですので、考え方をそのまま今の生活に取り入れることは、もちろんできません。
それでは私たち人間がすでに持っているポジティブな感情である喜び、楽しみ、そしてネガティブな感情である不満、不安、恐れなどはどのように生まれ、どのような状態・状況が不幸であり、どのようにその不幸を排除していくのかを説明していきます。
あまり堅苦しく考えずに「そんな考え方もアリだな」という軽い気持ちで読んでいただき、あなたの現在の価値観がほんの少しでも変わり、心の平穏を得るためのヒントを与えることができるのであれば、私にとってこのうえない大きな「喜び」を感じることができますし、そうなることを切に願っています。
全体の構成は、人間とは一体どんな生き物なのか、なにをもって不幸な状況といえるのか、自分自身で「不幸」な状態を作っているもの、原因はどこにあるのか、過去の賢人や研究者たちは人間のどの部分を追求し「不幸」を避ける考え方を得ることができたのか、また「不幸」という問題に対してどのような改善策、対応策、生き方、考え方をすることが良いことなのかというものを、私の経験や身近な具体例を交えながら詳しく説明していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
第1章 人間は結局どんな生き物?
1、人間のもっとも基本的な欲求
ここでは人間の欲求を理解するために「マズローの5大欲求」というものを引用して考えていきます。5大欲求とは「生理的欲求」、「安全の欲求」、「社会的欲求」、「承認欲求」、「自己実現欲求」の5段階に分類されます。そのなかで生理的・安全・社会的欲求を「外的欲求」と呼び、自分自身がどのような状況に置かれているのかを表しています。そして承認、自己実現欲求を「内的欲求」と呼び、自分自身がどのように周囲から思われているかを考えるものです。
また、生理的欲求から順番に自己実現欲求まで満たすことが前提であり、どこかを飛ばして他の欲求を満たすことはできません。それでは個別に見ていきましょう。
生理的欲求・・・食事・睡眠・排せつが確保できる状態(人間以外の動物の欲求はここまで)
安全の欲求・・・心身の健康が確保された状態、経済的に安定している状態
社会的欲求・・・集団への所属・他者から受け入れられている状態、孤独や不安がない状態
承認欲求 ・・・他者から認められたいという欲求
自己実現欲求・・自分が常に満足できる状態にありたいという欲求
この人間の基本的な欲求を、先ほどご紹介したピダハン族にあてはめて考えると、外的欲求である生理的な欲求、安全の欲求、社会的欲求を満たしていることが分かります。その一方、私たちのような近代文明社会に生きる現代人のほとんどは外的欲求がすでに満たされている状態であること、またモノや身の回りの環境に恵まれすぎていることで、その状況を当たり前と考えてしまっていると理解できます。そのため、より高い欲求である承認欲求や自己実現欲求を満たすために自分自身を苦しめ悩ませている状況に、みずから追い込んでいるということは想像に難くありません。
この人間的な根本欲求を知り、自分たちを客観的に観察すると、私たちはすでに「不幸」を避けることができているといえますが、欲求には限界がないので「不幸」を感じるのではないでしょうか。この限りなく求め続ける欲求こそが「幸福の仮面をかぶった不幸」の正体です。