棚卸しの数が合わないとき、AIで確認順を整理する|3商品の差異メモ
AI lab
棚卸しで帳簿の数と現物の数が合わないと、すぐ理由を知りたくなります。そこでAIに「なぜ減った?」と聞く前に、まず、どの商品を、何の記録と照らすかを整理してみます。
この記事では、文具店の架空データを使って「差異の確認メモ」を作ります。実店舗の記録や、筆者の体験・改善実績ではありません。在庫数の確定や修正は、人が確認して行います。
1.3商品だけを、同じ条件で比べる
架空の店で、10月28日18時を基準に次の記録がそろったとします。「帳簿」はシステム上の数、「現物」は実際に数えた数です。商品コードごとに単位も固定します。
- N01・ノート:帳簿20冊、現物18冊。売場と保管棚を数えた。
- M02・マーカー:帳簿12本、現物12本。売場と保管棚を数えた。
- P03・ポストカード:帳簿30枚、現物34枚。売場と保管棚を数えた。
この練習では、基準時刻までの入出庫を帳簿に反映した前提です。現実の作業では、集計時刻と数えた時刻がずれていないか、数えている間の商品移動がないかも先に確かめます。
箱と中身、セットと単品を同じ単位で扱ってはいけません。冊・本・枚をまとめた「不足合計」も、ここでは作りません。
2.原因を当てる代わりに、確認する順を頼む
下の指示文に、3商品の記録を付けて会話型AIへ入力します。実データを使う前は、この架空例のままで十分です。
次の架空の棚卸し記録から、確認メモを作ってください。
差異は「現物−帳簿」で商品ごとに計算し、単位と計算式を残してください。
出力は、商品コード/帳簿/現物/差異/次に人が確認する記録、の順にしてください。
原因は断定せず、入力にない出来事を事実として補わないでください。差異0の商品も残してください。
確認候補は、数え直し、対象の保管場所、基準時刻までの入出庫記録、単位や商品コードの取り違え、の中から示してください。
在庫データの修正、発注、担当者への連絡はしないでください。
[ここに3商品の記録を貼る]
3.正しい差異でも、原因が分かったわけではない
この例で人が照合する答えは、N01が18−20=−2冊、M02が12−12=0本、P03が34−30=+4枚です。AIの計算は、電卓などでも確認してください。
N01は、まず対象のノートを数え直し、売場・保管棚の数え漏れや二重計上を確かめます。それでも合わなければ、基準時刻までの入出庫記録や商品コードを照合します。P03も同じ順で、現物と記録を確認します。
「N01は盗難」「P03は入荷の入力忘れ」と返っても、この入力だけでは裏付けがありません。差異の数字と、原因についての推測は分けます。M02の差異が0でも、他の商品との取り違えまで否定できるわけではありません。
4.数え直した1行だけを追加してみる
架空の続報として「N01は保管棚で2冊を数え漏らしていた。数え直した現物は20冊」を追加します。期待する変更は、N01の差異が0冊になることです。M02とP03の数字は変わりません。
元の18冊を消すだけでなく、「初回18冊→再確認20冊」「確認した場所」「確認者」「確認時刻」をメモに残します。誰が何を確かめて数値を直したか、後から追える形にするためです。
この練習で、AIがP03まで差異0にしたり、架空の入荷記録を作ったりしたら、その出力は使わず、該当行を示して修正を頼みます。
5.最初の試行は「3商品の確認メモ」まで
まずは架空3商品で、計算式・単位・未確認事項が残るかを1回確かめます。次に実務で試すなら、入力が許可された少数の商品だけを対象にし、顧客情報や取引先の秘密情報は入れません。
残す記録は、①メモ作成時間、②人の照合・修正時間、③AIが勝手に足した事実、④未解決の商品、の4つです。「メモが早くできた」だけでなく、確認作業を含めて役立ったかを見ます。
6.AIのメモだけで在庫を確定しない
AIは現物を数え直せず、渡していない入出庫も確認できません。原因が不明な差異は不明のまま残し、店の責任者が元の記録を確認します。在庫の書き換えや発注は、店で決めた承認手順に従ってください。
小さく始めるなら、今日の確認メモには、次に開く記録まで書いておきましょう。
参考にした公式資料
依頼を具体的にし、出力を見て調整する考え方と、重要情報を人が検証する必要性を確認しました。棚卸しの手順・数値・指示文は本記事独自の練習例で、公式の在庫管理手順ではありません。
確認日:2026年10月28日。
